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「タイラー・レイク -命の奪還-2」の感想(ネタバレあり)

Netflixオリジナル配信作品「タイラー・レイク -命の奪還」の続編。
ずっと観ようと思ったけど観れていなかったけど、有給消化夏休み期間中に改めて鑑賞してみた。

前作から引き続きアクション描写が最高に面白い。
特に「ここが見せ場ですよ!」と分かりやすい刑務所から脱出シーンの長回しシーンは前作から更にパワーアップしている印象で、緊張感を通り越して逆に笑ってしまうレベル。
前作が暑い地域だったのに対し、今回は雪が降る寒い地域で、見た目からもまた違うアクションを見せくれている感じで楽しい。
刑務所内からの脱出から凄まじくて、スタート早々に敵に見つかって、四面楚歌な状態なのだけど、相変わらず常にギリギリの緊張感でいつ敵が襲ってくるのか分からない怖さと、長回しのずっと一息で観続けないといけない表現手法が、物語との親和性が高い。
その長回しだけでも凄いけど、見えにくい場所からギョッとするタイミングで敵が突っ込んで攻撃してきたり、シーン毎の構図や間とかもしっかり計算されている感じで、相変わらずアクションとしてハイクオリティで凄過ぎる。

刑務所の狭い場所での近距離戦→広場での乱戦→森でのカー&バイクアクション→列車でのヘリも巻き込んだガンアクションというのを一気に観せられて、ここですでにお腹いっぱいになる感じ。

当たり前だけど初見では、どこでこの長回しが終わるのか?が、分からないので、刑務所を脱出して終わりかと思ったら、カーアクションからの列車でのヘリとの戦闘シーン等がどんどん足し算されていくので見ていて良い意味でめちゃくちゃ疲れた。

前作から更にミッションが困難になっている要素として、救わなければいけない人数が今回は親子3人になっていて、特に子供2人がなかなかコントロール出来ない感じ。

娘の方はまだ幼くおぼつかなくて、冒頭いきなり音の出るぬいぐるみを落とした所から、敵に見つかってしまい、このおもちゃのぬいぐるみをきっかけに地獄の様なワンカットアクションシークエンスに突入していく。
出鼻から挫かれる感じで、今回の映画のミッションがいかに困難かを予感させる。

そしてもう1人の息子の方が更に厄介で、暴力的な父親から精神的な悪影響を受け継いだ結果、タイラーだけじゃなく母親も信用できず、事態をどんどん悪化させていく。

プロデューサーに入っているルッソ兄弟は相変わらず「グレイマン」等でもそうだったけどこういうヒリヒリする様なガンアクション映画が本当好きなんだなぁという印象で、最早微笑ましい。

物語的には少年を救う事は出来たけど、激闘の末に生死不明の所で終わった前作の直後から話は始まる。
瀕死の重症から生死の境を彷徨い目が覚めてからのリハビリ描写等は結構生々しいだけに、この後闘う事が出来るのか?心配しながら観てしまう。 

そして前作の少年救出も自分の子供の死への贖罪の意味が強かったけど、今作で救出しないといけないのは、タイラーの元妻からの依頼という事で、より彼個人の私戦としての印象が強く、家族を救うという贖罪の意味合いが更に増している気がした。

今回救う長男が悪い父親から受け継がれてきた最悪の「男らしさ」から、ある意味で洗脳を受けている状態なのだけど、タイラー自身も良い父親だった訳ではないので、複雑な想いで彼を見守る表情とかが味わい深い。
この辺はアクションだけじゃなく、人間的な厚みを感じるクリス・ヘムズワースの演技力が流石だったと思う。

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