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「かくれ繊細さん」 著:時田ひさこ

〈概要〉
近頃、「繊細さん」「HSP」という言葉を目にする機会が増えた。
HSPとは、2003年にアメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が発見した気質のことで、Highly Sensitive Personー異常に敏感な人という意味である。敏感であるが故に、生きにくさを感じている。芸能人がテレビで公開したことや、本の出版で、自分もHSPなのではないかと気づいた人も少なくない。
当本では、そんなHSPの中でもHSS型ーHigh Sensation Seekingについて取り上げられている。このパターンは、繊細で傷つきやすく、共感能力の高いHSPの特性と、好奇心旺盛で新しい情報や刺激を求めて飽きやすいHSSという両方の特性を持ち合わせている、より複雑な気質である。HSPという概念に出会うが、少し腑に落ちきれないと言ったケースによくある。加えて、かくれ繊細さんは人口比率も低くマイノリティであり、複雑で多面的な考えが入り乱れるので、自身でさえ自覚しにくいという特徴がある。
当本では、自らがHSS型HSPとして心理カウンセラーを行い、HSS型についての知識・携行を知り、一冊にまとめたものだ。生きにくさを解消し、HSS型の才能を活かして前向きに生きていってもらいたいという著者の思いの詰まった一冊である。

〈なぜ読んだ〉
自分もHSS型HSPだと気がつき、インターネットを探っていると著者のホームページに出会った。メールマガジンを読みながら、その内容の素晴らしさを感じて本の出版をして欲しいとメールを送ったこともある。その1ヶ月後、本が出版された。すぐに購入したというわけだ。

〈感想〉
かくれ繊細さんは、刺激を求めるという特性があるため、本を読むことが苦痛になることがある。例えば、難しすぎて面白くないものや頭に入ってこないものや、そもそも興味のないものだったりとか・・・。印象的だったのが、その特性を理解している著者の配慮のせいか、読むことに全く苦痛が伴わなかったことだ。読む気になれるし、スラスラ言葉が理解できた。

以前、HSPについての本を読んだ。これは違うと思う項目があったり、HSS型とはまた違った特性なので、HSS型をより深く知れる機会となった。
また、著者は「はみ出した感受性」「意識の焦点の違い」など、独自の言葉を使っていることから、カウンセラーとしての経験が表れている。

興味を持ったポイントをあげる
1★はみ出した感受性
★意識の焦点が外側にある
★他人に合わせるから辛くなる
★人間関係を作る才能
★人の能力を見抜く才能
★直感を活かす才能
★常識を守る才能
2★バランスをとる才能
3★自分には何かあると思える才能
★自己肯定感のひくさ
★収入の安定が心の安定に影響する
★自信がない
4★感情と思考を分けるのが難しい
4★自分の本心や目的を見失いやすい
5★人間関係の状態で幸福かが決まる

1★
「情熱的だね」「感性が豊かだね」「優しいね」「個性的だね」
と言った言葉をよくかけられることがある。多分それは、人並み以上に物事に関する感受性が高いからだ。人との会話では共感されないことも多いのかな。でも、面白いことや新発見しやすいのはとても良いことだと思う。

2★
人間関係では、「この人の発言で空気が悪くなってた」「この人が寂しい気持ちになってる」など人の気持ちや会話の流れに気づいて、発言している。つまり本心ではないことを言って、後悔することもあるということ。
デザインでは、シンメトリーや模写、色のバランスをとるのに長けている。

惜しいと思ったのが、自分の行動のバランスが取れないこと。刺激追求であるが故に、過剰な行動力を発揮してしまうことがある。ここでバランス感覚があれば生きにくさが薄れるように感じた。

3★
子供の時から謎に特別な力があると思っていた。世界を変えるとかではないけれど、自分がイメージしたことを実現できるような気がして、生きることが楽しいと思えることは本当に強みだと思う。だが、「自信」はないのが問題。特別だと思うが、自信はない。その狭間でとても苦しい。

4★
本文から引用
ーかくれ繊細さんは、最初に感じた本当の感情を説明や理由づけなどで、説得させたりしてそのモヤモヤを消そうとする。そして本当の気持ちを感じても、すぐそれを封印してないことにしているので、自分で自分の感情がわからなくなる。でも、感情はある。最初に何を感じていたかを知るかが、かくれ繊細さんにとって大切な鍵となるのです。この説明、理由づけなどによって感情を隠すことが天才的にうまく、早いので、すぐに感情が訳わからなくなります。
自分のルールを作ったり、別の人格を作り上げることで、不健康になります。対処法としては、ルールを作る前の自分の素の気持ちを引き出して完了させることです。

5★
確かに・・・人に言われたことや、自分の発言で傷つけたり気分を害した時はどんなに最高な1日でもどんよりした気分になる。また、それを対処しようとして、本心じゃない言葉をかけて後悔している。そうやって人間関係を壊さないように、バランスを、秩序を守ってきた。

改めて、本当に疲れる気質だなと思った。
でも、才能に可能性をとても感じるし、マイノリティであることが気持ちいい。これもHSS型の特性なんだが・・・。

〈これから〉
自分をさらに理解できてよかった。
また、希望が感じられた。
自分の本心に立ち返る
★感受性と想像力と行動力を武器に
★もう少し自分中心になろう
★芸術的センスを活用したい
★休息を忘れない
これらを得ることができた。
無敵になった気分!!!!!