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「おもてなし」は本当に日本の文化?

「おもてなし」

おもてなし、言わば1つの心遣いに関しては日本人よりも中国人、台湾人の方が優れてるな。と思ったって話。


これは以前のホテルで、一緒に働いていた中国人、台湾人の研修生と仕事をしたり、一緒に生活をして感じたこと。

彼らはまず、日本にやってきて、初日の働き始めの際に必ず自国のお土産をスタッフ一人一人に手渡ししてくれる。これはもしかしたら学校の研修マニュアルかなにかにお土産を渡すよう書いてあるのかもしれない。それでもお土産を手渡しでくれて、拙い日本語ではあるけど

「○○と申します!これからよろしくお願いします!」

と笑顔で言われて嫌な人はいない。もしマニュアルなのであれば素晴らしいマニュアルだな~なんて。

そして僕はこの研修に来ていた台湾人とすごく仲良くなったので昨年台湾に遊びに行き、台湾を案内をしてもらった。

その際、車は出してくれるし、食事代も知らないうちに払ってくれているし、「こんなプラン立てたんですけど行ってみませんか?」と提案してくれるし、最後には予め用意していたのであろうお土産まで渡してくれた。

一言もこちらから○○してほしい。という言葉を発していないのにここまでやってもらえたのでものすっごく感動したことを覚えている。(さすがに食事代は後でしっかり払った。笑)

こんな気遣いが研修で来ている子達ほぼ全員から感じられるので凄く素敵な子達だな~と思っていた。

茶道文化

ここで話は「おもてなし」に戻る。

おもてなし文化は歴史を辿れば茶道から継承されているもので、本来は「表なし」見返りを求めない、誰も見ていないところでも相手を思い、尽くせる様を指す。まさに裏表がない状態である。

そして茶道文化はそもそも中国からやってきた文化であり、中国では紀元前から始まっている。実は日本では遣唐使が茶道文化を持ち帰ってきて1100年~1200年頃から本格的に茶道文化が拡がっていったとされている。

今日における日本と中国の茶道文化は基本的にルールだったりマナーに関しては一緒である。ただ唯一の違いは「日常性」である。中国や台湾に訪れたことがある人なら分かっていただけると思うが、彼らにとって「茶」は生活に欠かせないものであり、「茶」に対しての意識が日本人とは全然違う。


日本で「茶」と言えばどんなものが浮かぶだろうか?水やコーヒー、ジュースと並ぶ、あくまで喉を潤す飲み物の1つとして扱われている。日本にとって茶道文化的な「茶」は京都旅行の際にようやく触れるような「非日常」的な体験の1つとなっている。

これらを知って、少し腑に落ちた気がした。日本人よりも研修生達から日常的に心遣いが感じられるはこういう文化背景もあるのかなと。(もちろん個人差はある)


「おもてなし」を謳いオリンピック招致を果たした日本ではあるけど、そもそもこの文化自体は日本人にとって実は非日常の遠い存在。「本音と建前」という文化も持つ日本にとっておもてなし(表なし)は矛盾の文化とも言える。

研修生達との関わりの中で感じた「おもてなし」は嫌々相手のためになにかしてあげる、というものではなく、純粋に目の前の人に喜んでもらいたいという本気の寄り添いの気持ちだった。

「おもてなし」とはこういうことなんだ。と異文化に触れることで初めて気づくことが出来た。日本の文化のように扱う「おもてなし」ではあるが、日本の「おもてなし」はあくまでビジネス的な部分が大きいなー。と感じたってお話でした。

ちなみにこの出来事以来、台湾という国が本当に大好きになりました。魯肉飯最強っす。(笑)

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