見出し画像

新作を発表した、現在進行系のレジェンドバンド「ザ・ストロークス」

ビリー・アイリッシュのグラミー4冠やテーム・インパラの新譜発表など、2020年に飛び込んできた明るいニュースの中に彼らの新譜と新曲の発表があるだろう。

ザ・ストロークスは1999年にニューヨークにて結成されたバンドで、アークティック・モンキーズなどと並んでガレージロック・リバイバルの文脈で語られることが多い。

ガレージロックの魅力はシンプルなコード進行とリフレインなどを用いたロックンロールの初期衝動を表現した楽曲の力強さがあげられるだろう。

そもそもザ・ストロークスを知らない人はこちらの楽曲を聴いてもらいたい。

1stアルバムより「Last Nite」


2ndアルバムより「Reptilia」

3rdアルバムより「You Only Live Once」

ほんの一部を紹介したが、今回この記事で述べたいのは、

「彼らは今に生きながら、ロックの歴史を歩き続けている」ということだ。

彼らの音楽性について考えるときに

「2000年代に1960年代の楽曲の雰囲気を再現したバンド」
ではなく、

「2000年代に1960年代のバンドの一つとして活動を始めた」
と考えてみてもらいたい。


そうすれば3rdアルバムをきっかけに音楽性が広がり、ガレージロックの範疇では抑えきれないバンドとなったことや、4thアルバムあたりからのサイケデリックやポスト・パンク的アプローチにも納得がいく。

彼らは活動を1960年代後半に始め、1970年代に突入し、シンセサイザーに「出会った」とでも言うべきか、ロック音楽の歴史を追いかけながら、その歴史に何度も自分たちの作品を介入し続けている。

その結果彼らのデビューアルバムから12年が経った2013年には「80's Comedown Machine」という楽曲を発表している。彼らの活動も1980年代に突入したのだ。



彼らは2000年代そして2010年代を生きながら、数々のレジェンドたちと同じ時代で活動を続ける、「タイムスリップバンド」「パラレルワールドバンド」「歴史介入バンド」として活動をつづけ、

そして2020年。彼らが発表した新曲はこの曲だった。

MTV時代を彷彿とさせるアニメ調のPV。
ギターはどこへ行ったのかとも思えるシンセサイザー一色の楽曲。
そのシンセサイザーも往年のSF映画を思い出すようなアナログシンセを使っている。
個人的にはアルバムを出すごとにボーカルのミックスが自然になっている点も気になっています。


1970年代を抜け、1980年代に足を踏み入れた「歴史介入バンド」「ザ・ストロークス」の新譜は一体どのような世界を我々に見せてくれるのだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?