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ゴルフボール表面がデコボコしているワケ

すっかり春の陽気になってまいりました。
冬の間は寒くてできなかった屋外スポーツに精を出せるようになりましたね。

屋外スポーツのなかのひとつにゴルフがあります。
かつてはサラリーマンにとって必須の趣味と言われていたゴルフ。いまは競技人口も減っているようですが、中高年を中心に根強い人気を誇っている国民的スポーツです。
今日はそんなゴルフにまつわる雑学をご紹介いたします。

1905年に発明されたゴルフボール

ゴルフはクラブを使ってボールを打ち、指定のホールへ入れるスポーツです。
このボールを想像してみてください。

ゴルフボールの表面にはたくさんのくぼみがありデコボコしていますね。ただデコボコしているデザインかと思いきや、じつはこれにはきちんとした役割があります。

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ゴルフボールが誕生したのは1905年のことです。イギリスの精密測定機メーカー・テーラーホブソンのエンジニアであるウィリアム・テーラーが発明しました。

ボールの表面にあるデコボコは、このときに彼が考案し、「ディンプル」と名付けたものです。
ではこのディンプル、いったい何のためにつけられているのでしょうか。

ディンプルは飛距離を伸ばすため

じつはこれ、飛距離を伸ばすためにあります。
ボールを遠くに打つとき、大抵は下から掬いあげるようにクラブを振ります。すると、ボールにヒットする面は、ボールに対して斜めになります。

このとき、斜めから力が加わったボールには、バックスピンがかかります。
バックスピンがかかると、ボールの上側は空気抵抗を受け流すような向きで回ります。空気抵抗が少ない流れのため、気圧は低下します。
しかし、ボールの下側は空気へ逆らう回転になり、気圧が上昇します。すると、上下に気圧差が生まれてそれが揚力となって、ボールを上へ持っていきます。

ディンプルはこのときに、前方の空気をボールの後ろ側へ引き込む役割をします。すると、上下の気圧差がさらに大きくなって、より揚力がアップするのです。
上へ飛べば、それだけ遠くに飛んでいくので結果的に飛距離が伸びるというわけです。

軌道を安定させる役割も

ディンプルにはもうひとつ、ボールの軌道を安定させるという効果もあります。

軌道が安定するのは、後ろ側に起きる気流によります。
飛んでいるボールの背後には、カルマン渦と呼ばれる渦の列が発生します。これらの渦がボールに影響すると、軌道が乱れることがあるのです。

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しかしディンプルがあると、ディンプルが自らカルマン渦を発生させて、その代わりもともとのカルマン渦が大きくなることを抑えます。すると、ボールがまっすぐ飛ぶのです。

何のためかわからなかったデコボコですが、じつはちゃんと意味があったのですね。


Ⓒオモシロなんでも雑学編集部


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