太陽系の外側の星の名前に「王」の字がついている理由【9/12は宇宙の日】
超超ひさしぶりの更新となります。
読者の皆様、いかがお過ごしでしたでしょうか。オモなんは諸事情により更新がストップしておりましたが、本日より再開いたします(編集部が別の事業を始めたために週3~4更新になりそうですが……)
さて、本日の雑学です。
本日、9月12日は宇宙の日。
1992(平成4)年の今日、宇宙飛行士の毛利衛さんがアメリカのスペースシャトル・エンデバーで宇宙へ飛び立ったことにちなみ、当時の科学技術庁(現・文部科学省)と宇宙科学研究所が制定しました。
本日は、この宇宙に関する雑学です。
「王」の字だらけの太陽系の外側の惑星
私たちが住んでいる地球は、太陽系に属しています。
太陽から外側に向かって、水星、金星と並び、三番目が地球です。その次に火星、木星、土星、天王星、海王星と続きます。
当初はその外側を公転する冥王星も太陽系の惑星に含まれていましたが、2006年に準惑星へと位置づけがかわって現在に至ります。その詳細は過去記事「冥王星はナゼ惑星から外された?【2/18は冥王星の日】」をご覧ください。リンクはコチラ▼
さて、これら太陽系の惑星の並びを見ると、外側の星の名前に共通点があることに気づかされます。天王星、海王星(そして冥王星)と、途中から「王」の字が冠されているのです。
これはいったいナゼでしょうか。
内側の5つの星の名前は中国由来
太陽系の星は、東洋由来の名前と西洋由来の名前があります。
(地球を除いた)内側の5つの星、水星・金星・火星・木星・土星は、中国に由来します。一方、天王星から外側の星は西洋由来の命名でした。
その理由は、星が発見された時代の差です。
内側の5つの星は肉眼でも見えるために太古の昔から私たち人類に認知されていました。古代中国では五行思想が世界観の根幹をなしていました。木・火・土・金・水の5つの要素が万物を形作るという考え方で、これに基づき古代中国ではこれら五行をそれぞれの惑星に当てはめて命名していました。
それが現在の日本語にも受け継がれているわけですね。
西洋由来の外周3星
一方、天王星から外側は、科学技術の発展にともなって西洋の学者によって発見された星です。当然、命名するのも発見者である西洋人になります。
彼らは1781年に発見された星にはギリシャ神話における天の神であるウラノス、1845年に発見された星には海の神であるネプチューン、そして1930年に発見された星には冥府の神であるプルートの名をそれぞれ冠しました。
これらの名前が漢字として翻訳されたとき、それぞれが神を表しているにもかかわらず、「王」と訳されたことで、現在に至っています。それぞれの星は発見のタイミングはバラバラですが、ウラノス発見のとき、中国で「天王星」と訳されたことが、「王」の字を使う流れを生んだのだとされています。
参考資料:
『雑学王 STRONG』博学こだわり倶楽部(河出書房新社)
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