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大きな樹木のような人の近くで

はじめまして

名前のない猫(仮)です

看護師をしています

今日は、僕を暗闇から救い出してくれた『大きな樹木のような人』についてお話します

僕は看護が好きだった

僕は患者さんが好きだった

いつしか、いろいろな役割を与えられ、期待に答えようとしているうちに、どうにもならなくなった

無力さや不甲斐なさに押しつぶされて、誰も信じられなくなっていった

笑うことも忘れて、大切な人も大事に出来なかった

そんな自分に失望し、死にたいと思う中で、僕はその人に出会った

広い野原に茂る、大きな樹木のような人だった

迷っていた僕を、いつも導いてくれた

言葉にならない僕の気持ちを、ゆっくり聞いてくれた

嵐や暑い日差しがあれば、木陰で休ませてくれた

そこにいるだけで、僕は可能性を見つけることができた

そこに集まってくる人は、みんな優しくて、僕を受け入れてくれた

仲間ができた

そして僕は、

笑顔を思い出した

看護が好きな気持ちを思い出した

人を好きになることができた

ずっと、この大きな樹木が、僕の居場所だと思っていた

僕の心に、暗い影が落ちるまでは…。

僕の心に落ちた暗い影(不信感)は、あっという間に僕の心に広がっていった

逃げても、逃げても、追いかけてきた

僕は、大きな樹木のような人のことを信じることができなくなった

僕にかけてくれる言葉全てが信じられなくなった

だから僕は、離れることを決めた

そして、居場所と名前をなくした

だからといって、大きな樹木のような人のことを嫌いだとは思えない

僕に、人を信じる気持ちや人を好きになる気持ち、僕にある可能性に気づかせてくれた大切な人だから

人との距離をどうとったら良いか難しい

誰を信じたら良いかもまだ分からない

でも、僕は、ゆっくり進んでいこうと思う

行き先は分からないけど

最後まで読んでくれてありがとう


名前のない猫(仮)より

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