🎩名探偵クノウの苦悩 1~4【短編小説】サクッとショートショート!
1:才能の覚醒
私の名は、久能(クノウ)。
探偵を生業としている。
私には名探偵の素質がある。
なぜならば、私は犯罪者を見抜く特殊な能力が備わっているからだ。
それは突然に私に身に付いた能力だった。
ある日、近所で通り魔殺人が起きた。
私は野次馬根性でその現場に行った、テレビ中継や沢山の野次馬たちが、その現場に集まっていた。
その中で、一人の男が体に黒いモヤのようなモノを纏って立っている。
どうも、その黒いモヤが見えるのは私のみのようだった。
不思議な感覚に陥ったが、その男の顔だけははっきりと覚えた。
後日、ニュースサイトであの殺人事件の犯人が捕まった。
その犯人とは、あの黒いモヤを纏った男だった。
犯人は現場に戻って来るとは、まさにその通りなのかもしれない。
そのとき私は、自分のこの特殊な能力に気付き、探偵を生業としようと思った。
※
しかし、10年経っても殺人事件など、身近で起きない。
小説・ドラマ・漫画など、探偵をモチーフにした作品は数多くある。
その主人公は身近な所で、必ずと言っていいほど事件が起きる。
しかし、現実では殺人事件などのショッキングな出来事など起きない。
そんな事に遭遇することなど、一生に一度あれば良いくらいだ。
私は自分のこの特殊能力を活かせる事なく、生活費のため今日も浮気調査や猫探しをしている。
最近、思うことがある……。
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……転職しようかな。
2:犯人遭遇
私の名は、久能(クノウ)、探偵を生業としている。
私には名探偵の素質がある。
なぜなら私は、殺人犯を見抜く能力がある。
殺人犯を見るのと、その人物は黒いモヤで纏って見えるのだ。
その能力を活かして探偵になった。
しかし、殺人事件に遭遇する事なく、十年も経ってしまった。
そんな私に名探偵の能力を活かすチャンスが来た!
※
その日は、いつものように浮気調査をしていた。
ひと仕事を終え、車に戻ると警官が立っていた。
どうやら私の車が駐車違反をしていたらしい……。
渋々、警官の対応に応じていた……その時!!
なんと、黒いモヤを纏った男が私と警官の横を通り過ぎた。
「犯人だ!」
私はとっさに、その男を追った。
しかし、私の腕を強く握る人物がいる。
それは警官だ!
「おい!キミ、どうして逃げる!」
警官は私に問いかける。
「殺人犯です!あの男は殺人犯なんです!」
私は必死に警官に訴えた。
「キミ、何を訳のわからない事を言っているんだ!」
警官はグイッと握った腕を引き寄せた。
「ち、違うんです!あの男は黒いモヤが纏っていて……だがら、殺人犯なんです!」
更に私は必死に警官に訴えた!
「おい!お前、まさか薬物をやっているのかっ!!」
警官が険しい顔で私を睨みつけ、私はパトカーに連れてかれた。
……そして、黒いモヤの人物を見失った。
私はパトカーの中で思った……。
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……探偵に向いてないかも……。
3:拳法の極み
私の名は、久能(クノウ)、探偵を生業としている。
私には殺人犯を見抜く能力がある。
なぜなら、殺人犯を見るのと、その人物は黒いモヤが纏って見えるのだ。
しかし、いざ殺人犯と対峙したとき、格闘する場面も想定される。
そこで私は日夜、螳螂拳(とうろうけん)の訓練をしている。
螳螂拳とは、カマリキのように動き攻撃する、中国拳法の一つである。
私は螳螂拳をネットや動画を駆使し、独学で学んでいる。
今夜も公園で特訓していると、ある人物が近づいてきた。
※
周りは暗くはっきりとは見えない。
暗闇のせいか、その人物は黒いモヤを纏っても見えた。
私は殺人犯との対峙に備え、カマキリのようにクネクネと体をクネラせ、相手を威嚇した。
その人物とは一体何者か?殺人犯なのか!?
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警官だった!!
「この公園で体をクネラせ、奇っ怪な行動をしてると通報があってね」
「それはキミだね」
奇っ怪な行動とは何と失礼な警官だ。
真剣に訓練をしている螳螂拳をバカにされ、私はカチンと頭にきてしまい、更にカマキリのように警官を威嚇した。
「おい!その奇妙な動きを止めろ!」
奇妙な動きとは失礼な!
私は両手を高々と上げ、カマキリの戦闘開始の構えをとった。
「貴様!公務執行妨害罪で逮捕するぞ!」
その言葉に私の闘志はなくなり、警官に連れられパトカーへ向かった。
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……螳螂拳、やめようかな……。
4:黒い魔物
私の名は、久能(クノウ)、探偵を生業としている。
私は、殺人犯を見抜く能力がある。
殺人犯を見るのと、その人物は黒いモヤで纏って見えるのだ。
私は浮気調査の為、熊本まで来た。
ターゲットの男性は、熊本で開催されているイベント会場で浮気相手の女性と密会していた。
イベント会場はとても人気があるらしく、子供連れの親子が大勢参加している。
私はターゲットの尾行に集中していた。
その時!!
黒い巨大な人物を見つけた!
その日は晴天の為、日差しが強く黒い巨大な人物が認識しずらい。
私は直感した。
あれは殺人犯の中でもトップクラスの凶悪犯なのではと……。
黒いモヤではなく、はっきりと黒いオーラで纏っている、凶悪犯ほどモヤがはっきりと見えるのではないかと!?
しかも、凶悪犯の周りには多くの子供達が無邪気にも集まっている。
私は今すぐにでもその凶悪犯を捕まえねばと、巨大な黒い人物に駆け寄り、ドロップキックをお見舞いした!
その人物は前のめりに倒れ、子供たちは悲鳴を上げ、蜘蛛の子を散らすかのように逃げていった。
私は自分が犠牲になっても、子供達を守った事に達成感を覚えた。
黒い巨大な凶悪犯が立ち上がり、こちらを向いた。
それは……
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ご当地キャラのくまモンだった。
私は駆けつけた警備員に取り押さえられ、事務所へ連れてかれた。
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最後までお読み頂き、ありがとうございました💖
今回の短編小説は『名探偵クノウの苦悩』の1話~4話までをまとめた総集編になります🌟
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まだまだ、note初心者ですが、皆様の喜んでもらえる作品を作りたいと思います💖
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