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路上の寧静

大分駅前地下道には、今日もギターを掻き鳴らす路上ミュージシャンと、そんな彼ら彼女らの歌を心の拠り所とする者たちが屯している。私もその一人だ。

ここには、安らぎがある。
学校に居場所がなく、家にもまだ帰りたくない。そんな自分もここは受容してくれる。

それでいて、情熱もある。
旋律となって繰り出される言葉はエネルギーに満ち、心はそれぞれのステージを見据えている。
いつか自分もあの場所へ行けるだろうか。

〈一行では無理でも十万行ならどうか
一日では無理でも十年を経たならどうか〉

路上ライブから武道館でのライブまで上り詰めたアーティストの言葉だ。

言葉は、鍛錬は、積み重なる。
目指す場所まであと何万文字繋ごうか。
幾多もの言葉を紡いだ先で、いつか辿りくことを願う。

寧静致遠。
今もどこかで叫び歌う人、遥かな夢を見据える人、そして自分自身にも、この言葉をそっと贈り今日も言葉を積み重ねる。




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【寧静】
安らかで静かなこと。心が安らかで落ち着いていること。

【寧静致遠】
誠実でなおかつこつこつと努力を続けないと、遠くにある目的に到達することはできないということ。

〈〉内の歌詞は、amazarashiの楽曲「独白」より引用。

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