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「やればできるのか!!!? 厳しくされて優しくされたら気を付けろ!!! セミナーでの“感動”の蜃気楼 ー信じさせるの仕組みー」もっと幸せにはたらきてぇなぁ仕事論

知は力なり!!!! 元気があればなんでもできる!

マインドセット やればできるの研究 という本を読んだんですが、

好評な本なのでいらん心配ですが、コレめちゃくちゃタイトルで損しているとおもうというか、なんかターゲットがずれる気がするんですよね。
なんかタイトルだけ見ると 気合だ! 気合だ! 気合だ! できるできる!! みたいな内容なんですが、心持ち(本書ではマインドセット)が硬直性を持つか“しなやかさ”かで、企業や交友関係にいろんな影響が出るって話。若干、エビデンスがどうかってのはきになったけど!!!

で、今回は この本はあんまり関係ありません。

「やればできる!」で思い出した話。いや、自分が社会人になりたての頃に会社がで大規模な泊まりの研修やったんですよ。

そのときにおもったのが、

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ってかんじでした。

なにがって別に進研ゼミやったわけではないんですが、尊敬するカール・セーガン氏に懐疑的な精神の重要性を教えてもらってたら、これでころっといくひともいるのかなぁという内容を体験した次第です。でもほんと、体験ってつよいねぇ

なんの研修かっていうと、営業の研修なんすが、売り方のロジックどうこうというよりも、気合の研修。やり遂げる研修みたいな。

で、初日ちょっとした小芝居をしてから、

めちゃくちゃ叩かれるんですよ(精神的に)


小芝居というのが、

名刺で割り箸を折る、という手品みたいな内容なんですが、
これで 既成概念を打破する やればできる! みたいな認識を植えつけようとしているんだと思うんですよね。たぶん。

ただ、これ「いや、やり方自体で折れるやろ」と思うんですが、もう雰囲気がすごい、数十人くらいで 10近いグループに分かれて、この変な手品ごっこを真剣にやるんですよ。そして、できたらめっちゃ褒める

「すごい!!!」

「できないと思っているからできないだけなんだ!」

と。

いや、固定観念を壊すというのはギリギリわかりますが、それは別に物理法則を凌駕していないんで、勝手な先入観はだめだってくらいなんだけどなぁとおもっていたり、あとできないと思っていないし、とかおもいながらもそんなこと、言える雰囲気ではなし、割り箸と名刺を浪費する遊戯をした後に、
営業のいわゆるロールプレイング(ドラクエじゃないやつ)をやるんですよね。

めっちゃハードルの高いやつ。めっちゃハードル高いから誰もできないんすよ。
しかも、講師サイドの人間が顧客役をして、めっちゃうまくいかせない。

で、結果、めちゃくちゃ叩かれる。めっちゃ叩く。

それから、

「こんなに出来が悪いとは思っていなかった」
「このレベルの低さはいままでにない。明日、みなさんが合格ラインに達するとは到底思えない」
「話にならない」

みたいな論評をされるわけですよ。で、真面目な人は意気消沈。

「徹夜で練習を」
「そのくらいの気持ちがないと、ダメ」
「ここでやるかやらないか」
「やればできる」

みたいなことを言われて、なんかみんな宿(ホテルでさえない宿泊施設みたいな。外国人が普通にいる)で、ロープレの練習をするわけですよ。

で、翌日、

急に難易度を下げてやらせる。
時間がないとかで。

しかも、どう考えても昨日と同じようなレベルのロープレなのに、すぐに合格を出す!!!!!

いやいやいやいやいやいや!!!!!!

とおもっていると、めっちゃ褒める!!!!

「やっぱりやればできる」
「信じてやれば、できるんです」
「すばらしい」

みたいな。

コントみたいな内容ですが、これで案外、みんな感動する。
ロープレで褒められた女の子、泣いてるやん!!!

みたいな。

で、最後にアンケート。
このセミナーどうでしたか?
会社の金で受けて「このセミナーは●●万円かかっている」と社長がめっちゃ訴えてたセミナーで、記名制で悪口をかけるわけもなく、

「貴重な経験をさせてもらいました。自分の気持ち次第で、やればできるということを学んだ」

みたいなことを書くときに

あの開講前に配られたベタ褒めのセミナー広告は、一応本当に記名されたものだったのか、

と思ったり。

そんなこんなで、二日間の休みが過ぎ去るわけですよ。
会社がみんなのことを考えてお金を払ってくれたセミナーに出て。「感謝してほしいくらい」だと上司にいわれるわけですよ。

本当にありがとうございます。


で、ギミックとしては

最初の割り箸手品は、信じることの大切さを説くようなつもりで、猜疑心や懐疑心を抱くことをやめさせる意味があります。
※信じないと割り箸は折れない! 疑っちゃダメ! 信じなくちゃダメ!!!

で、次に ボッコボコにして、自己肯定感を下げに下げまくる
こうすると、人の言うことを信じ易くなる。というか自分の行動に自信がなくなるから、人の言うことを聞く方が楽だし、そうしなきゃいけない心理状態になる。
※恋愛で傷ついているときに惚れやすいというのもこれに似たやつですね。

で、最後に褒める。前段でボコボコにしておいて、命令しておいて、それを実行した上での存在肯定爆上げ!!!! 自己肯定が高揚感につながり、これが正しいことなんだ!!!! と思ってしまう。
※ここでは会社への忠誠心や、近々に予定のあった営業目標必達のための自己犠牲を問わないことにベクトルが向けられていた。これで感動したヒトは無理な目標設定も「やればできる!」と邁進し、勝手に自己のリソースを注いでくれる。できないと自分が悪いんだとおもって、会社批判にはつながらない(極端な自己責任主義)

というかんじでしょうか。
①疑問を持つことの否定(思考停止)→②徹底的な否定→③肯定
の順番でいくと、DVの人が離れられないように、またちょっとスピスピなことにハマる人が抜け出せないようなる(いわゆる洗脳ってやつでしょうか)


暗闇を恐れて神に嘆くより、蝋燭に火を灯せ、というのが西洋の格言であるそうですが、
懐疑する心ってのは信じる心と同じくらい大切なこと。
いや、信じることが楽なこともあるんだけどね。
楽と生きたい道は違う、っていうかね。

いやまぁともかく、本当にセミナーの受講料、

社長、ありがとうございました。









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