【新進気鋭のD2C ファッションブランドNIZ/ニィズ】2020AW記念 インタビュー その② カットソーシャツ創作秘話
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ーーでは今回は「カットソーシャツ」についてお話を伺えれば。前回、ただ袖を伸ばしただけではない、ということでしたが。
Nazy：はい笑
ーーもともとのアイテムは、今年2020年の春夏用に開発されたカットソーシャツですよね。
Nazy：はい。その通りです。おかげさまでこちらの半袖シャツーーぼくらはそう読んではいないのですがーーは完売御礼となりました。
ーーおめでとうございます。かなりの販売数ときいておりますが？
Nazy：ありがとうございます。そうですね。数百というわけではないですが、百数十枚、手にしていただくことができました。
ーーアパレル不況という中でそれはかなりの枚数ではないでしょうか？
Nazy：おかげさまで。一型あたりなので普通のアパレルブランドとは対象が異なりますが、一型ということでいうと現在のアパレルでは上位の販売枚数ということらしいです。セレクトショップオリジナルでもあんまり出ない枚数だそうです。
Nazy：え？ そうなの？！ 知らなかった笑
Nazy：ぼくも生産を担っている会社に聞いて驚いた笑
ーーすごいですね。
Nazy：ありがたいことです。枚数、というよりもそれだけ多くの人に好評いただいたということなので、素直に嬉しいです。
ーー今回はそれを基にした長袖、ということですね。
Nazy：はい。といっても、かなりの部分を長袖ーーロングスリーブ用になおしてあるので、ぶっちゃけ労力は同じです。
Nazy：ただ袖を長くしただけじゃない笑
Nazy：そこは太字にしてほしい笑
ーーかなりこだわった逸品ということですね。もともとのカットソーシャツの着想はどこから来ているのでしょうか？
Nazy：カットソーシャツは、製作コンセプトとしてお伝えしていますが、カットソー＝Tシャツのラフさと、ボタンシャツのようなドレスライクな印象のシャツを創りたかった、というのが発想の原点です。
ーー定番の半袖シャツを作ろうとは思わなかったのですか？
Nazy：そこはなかったですね。NIZとして届けられるモノとしてが起点だったので。
ーーカットソーとシャツのハイブリッドの着想はどこから？ そして、どういった点に気を使ったなどはありますか？
Nazy：個人的にTシャツをあまり着ないんですよね笑 いや、今年はめっちゃユニクロのエアリズムTをきたんですけど。でもやっぱり首元が寂しい。
Nazy：夏はTシャツであまりおしゃれを楽しめないしね
Nazy：そう。ただボタンシャツというと、それはそれで面倒。なのでカットソーライクでドレスっぽい要素のシャツとして、襟元に工夫を凝らした本作が原型ができあがったんですよ
Nazy：多分、その辺はNazyがもともと和服に携わっていたことも関係あるのかもしれないね
Nazy：ああ。そこはあるかも。和装と洋装では襟の考え方というか作りが違って、立ち襟ではない襟というのが和装ではあるから、その点がカットソーシャツの襟部分のヒントになってるのかも。
ーーなるほど。興味深いですね。
Nazy：あとはその襟の見立てをすることで、軽いVネック上になったのもデザイン的に面白く、見方が普通のシャツとことなる風にみえるかも。
Nazy：ふつうVネックというと、クルーネックよりも肌の露出が多くなるので作為的に見えがちなんですが、それがデザイン上自然に見せられるというのは、この作品のデザイン性に一役買っていると思います。
Nazy：あとはそれらを踏襲し、和装っぽさを感じてもらえる風、けれども和装ではない。という絶妙なバランスに気を配りました
ーーバランス、ですか？
Nazy：はい。ただ和装を洋装に落とし込むと単純にギミックになってしまうんですよ。単純な例で言うと和柄をTシャツに当てはめるみたいな。でもそれは、別に魅力の相乗効果を狙っているわけではない。
洋装には洋装の作りがあるので、そこにむやみに和装や和服のギミックを載せても、ただのデタラメになってしまってオシャレやファッションとして提供できるものにはならないと思うんです。
ーーなるほど。なんか深いような難しいような笑
Nazy：自然な感じ、を工夫したと思ってもらえたら笑
ーー自然な工夫ですか、それはまたなんか両極端な単語の組み合わせですね
Nazy：たしかに笑
Nazy：でもオシャレって実はそういうバランスの上になっていると思うんですよ。誤解を恐れずにいえば、オシャレって実は不自然じゃないですか
ーーオシャレは不自然ですか？
Nazy：ですです。だって本当に無味乾燥な自然だったらオシャレと感じないわけですし。
ーーたしかに。
Nazy：ですよね。ちょっと人と違う、と感じてオシャレなわけですから。でもかといって、ちがければおしゃれかというと、違う。
おしゃれしてるぞ！！！ というのはおしゃれに見えないじゃないですか。意図的にしているけれども、作為的に見えない、バランス、そこがおしゃれの捉え方の一つだと思います。
そういった意味で、ちょっと普通のシャツとちがうけれども、きちんと意味のあるデザインを踏襲して、不自然ではない、というディティールを苦心したのが、このカットソーシャツになります。
ーーなるほど。ありがとうございます。
と、カットソーシャツの創作でけっこう話がながくなってしまいましたね笑
Nazy：いつになったら長袖の苦労話に行くの？
Nazy：すみません。
※Nazy氏の話の間、ろくろを回すことによねんのないインタビュアー（写真右）
ーーつづく
（interviewer：Nazy）
最後まで読んでくれて thank you ！です。感想つきでシェアをして頂けたら一番嬉しいです。Nazy