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【初心者投資家の読書(3)】知識ゼロからはじめるiDeCoの入門書

iDeCoは最強の「じぶん年金」

初心者の率直な感想

「NISA」・「つみたてNISA」と並んでよく耳にする投資に関するワードの1つ、iDeCo(イデコ)。お得な制度だという話はなんとなく耳にしたことはあるけれど、具体的にどういう制度で何がお得なのかは全く知りませんでした。

この本を読んでの私の理解としては、iDeCoは年金の一種と考えることができ、国の年金にプラスαで老後資金を形成するためのものということでした。また誰でも入れる訳ではなく、「企業型確定拠出年金」が勤め先にある場合は会社側が両方に加入することを認めていなければ、iDeCoには加入できないし、その場合には特にiDeCoに入るメリットもないということも分かりました。

iDeCoの具体的なメリットとしては、「iDeCoの掛け金は全額が所得控除の対象となる」「投資信託の手数料がとても安い」「運用益が非課税に」「受け取り時にも年金や退職金に準じた税制優遇」などがあります。

この本は、年収400万円や年収600万円など具体的な年収額に対するシミュレーションが項目ごとに書かれていて、初学者でも数字を見ながらiDeCoの制度を理解することができ、図が豊富で読みやすい。iDeCoの始め方を細かい用語解説をはさみながら丁寧に解説しています。程よい細かさでとても勉強になりました。

私が入社する会社には企業型の確定拠出年金があるので、転職をしない限りははiDeCoとは無縁になりそうです。ただ企業型の確定拠出年金を運用する上で参考になる内容も書かれていたので、この本を読んで得た知識は全くの無駄にはならなそうです。

この本のマイナスポイント

iDeCoに関して手取り足取り解説しているので、iDeCoのことが全くわからないけど始めてみたいというひとにはうってつけだと思います。

ただ、私のように勤め先に企業型の確定拠出年金がある場合には、iDeCoに関する知識は不要なので、自分がiDeCoの対象なのかを前もって調べましょう。

著者

大江加代さん
確定拠出年金アナリスト、オフィス・リベルタス取締役、年金学会会員。野村證券に22年間勤務。株式会社オフィス・リベルタスの取締役を務める。ウェブサイト「iDeCoナビ」をNPO法人確定拠出年金教育協会の理事として立ち上げる

内容紹介(Amazonより)

2017年から公務員や専業主婦にまで間口が広がるとともにiDeCoの愛称で周知され、一気に加入者が倍増した個人型確定拠出年金。法改正により、ほぼすべての人が加入できるようになったiDeCoは、“国をあげてオトクな制度を作り上げた”といっていいくらいさまざまなメリットがあります。iDeCoのメリット、それはおおきく分けて以下の3つです。

・しくみのメリット
・税金のメリット
・コストのメリット

本書では、3つのメリットについて詳細に解説し、iDeCoの魅力を余すことなくお伝えします。
また本書で紹介するのは、表面的なオトク情報だけではありません。iDeCoに興味を持った人が加入したいと思ったときにどういったステップを踏むのか、加入後はどうやって資産を増やしていくのか、将来年金を受け取るときにはどのようなポイントがあるのか、あらゆる局面でのiDeCoとの関わり方を掲載しています。制度開始時より確定拠出年金に携わってきた著者だからこそ知りうる、目からウロコの情報をここに一挙公開! 老後に少しでも不安を感じるあらゆる人にオススメの1冊です!!!

勉強メモ

iDeCoは簡単
加入する金融機関を最初に決めたら、あとは自分の掛け金でどの金融商品を買うかとその比率をどうするかを決めて登録するのみ。放置しておいて、資産のチェックは1年に一度程度で充分。
年金には「国の年金」「会社の年金」「じぶん年金」の3種類が存在する

「国の年金」は保険料を支払う全員がもらえる。しかし「会社の年金」はもらえない人が多いため、その分を著者が言う「じぶん年金」でカバーし、老後に備えなくてはならない。「国の年金」は20歳以上の日本国民であれば全員が加入している「国民年金」と会社勤めの人や公務員の「厚生年金」のこと。
「会社の年金」は企業年金といい、「確定給付企業年金」「企業型確定拠出年金」「厚生年金基金」の3種類がある。会社によってこれらのうち複数の制度を導入していたり、何も導入していなかったりする。
企業年金
・確定給付型 あらかじめ給付額が算定式によって確定している年金のこと。

確定給付企業年金」会社が運用の責任を負い、管理・運用する。運用結果が悪ければ、会社が不足分を穴埋め。

厚生年金基金」厚生年金保険の一部を国に代わって運用し、会社独自の年金給付を国の年金に上乗せする制度。

・確定拠出型 積み立て(拠出)額が決まっており、運用実績によって給付額が決まる年金
企業型確定拠出年金」会社は掛け金の拠出を行い、従業員のために良質な商品を揃える。従業員は用意された商品の中から選んで運用を行い、その結果を60歳以降に受け取る。
iDeCoは運営管理機関によってサービスや商品ラインナップ、費用に大きな差がある。運用機関の変更は保有している金融商品を売却して全て一旦現金化しなくてはならないなど、ハードルが高いので運用機関選びは重要。iDeCoナビのような比較サイトを利用すると便利。
iDeCoとNISA・つみたてNISA
両方とも資産形成を目的としたものである点は同じだが、iDeCoは60歳まで引き出すことができないという特徴がある。よってiDeCoは老後のお金を準備するのに適している。一方でNISAは目的を定めず資産形成を有利に行える。両方の制度とも運用益は非課税だが、iDeCoは掛け金が全額所得控除されるのに加えて、元本確保型の預金等も利用できるのでより有利。
「元本確保」と「元本保証」の違い。後者はいつ解約しても元本割れはないが、前者は満期まで待てば元本を割ることはないという意味。
資産額が増えても一定な口座管理料よりも資産額に対して何%という計算で取られる運用管理費用が大切。またiDeCoは、株式や債権は投資信託を介して購入する。個別銘柄を買うことは不可。
確定拠出年金の大きな特徴に、個人の年金資産を持ち運びが可能な点がある。従来の企業型年金では、一定の勤続年数に達していない場合、会社を辞めたらその時点で精算して現金として支給されるか、あるいは全く支給されないかだったため、労働者に有利。確定拠出年金の場合だと転職しても新しい会社の企業型確定拠出年金へ資産を移し、年金資産を運用し続けられる。たとえ転職先の会社が企業型確定拠出年金を導入していなかった場合でもiDeCoに積立金を移して、積み立てを継続可能。
転職や退職の際は6ヶ月以内にすみやかに手続きを行わないと「国民年金基金連合会」へ自動移管される。運用ができないことに加えて、手数料が取られ続けるなどデメリットが多いため、手続きは怠らない!

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