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ポルトでたっぷり、モツごはん

ポルトの人たちは「トリペイロ」と言って、
トリッパ(モツ)をたくさん食べるのだと
聞いていた。

ポルトガルでもモツ料理を食べることができるのか、
と興味が沸いて、ポルトに到着して早々に、
モツ料理が食べられるお店を探す。

ハリーポッターの映画でも使われ、世界の素敵な
書店のうちの一つに選ばれたことでも有名なレロ書店
の近くに、その食堂はあった。

恰幅の良い、控えめにはにかむ可愛らしい
おじいちゃん店員さんがゆっくりと、メニューと
パンの籠を持ってこちらに向かってくる。

家族経営のような感じの小さな食堂。
とても賑やかで、あたたかい空気が満ちている。

メニューを開き、事前に調べておいた
「 Tripas(トリッパの煮込み)」がきちんと
そこにあることを確認して、よし、と頷く。

まだポルトガルに着いたばかりだったから、
日本の食事の感覚で、一人一品に加え、
スープまで頼む。

これが後になって私たちの胃を苦しめることになるの
だけど、この時点では、そんなことには全く考えも
至らず、無邪気に注文する。

もちろん、ワインも一人一杯ずつ。
(ただ、これもグラスに並々と注がれて出てきて、
飲み干す頃にはふらふらに。。)

乾杯して、ワインを飲みながらCaldo verde
(野菜のスープ)を飲んでいると、後ろで
ヨーロッパ圏内の別の国から来たと思われる旅行客の
若い夫婦が、お店の中をてきぱきと動き回る女性と
最初に出迎えてくれたおじいちゃんが、
「親子なのか?」と聞いているようだった。

「私と彼が?そんなこと、初めて言われたわよ!」

彼女は楽しそうに、高い声で笑いながらそう返す。

それをおじいちゃん店員に彼女が伝えると、
彼はまた控えめな感じで、にんまり、とはにかむ。
とっても可愛らしいやり取りだった。

そんな風景を眺めながら、野菜がたっぷり入った
お腹にも優しいCaldo verdeを口に運んでいたら、
とうとう私たちのテーブルに、お目当てのTripasと、
一緒に頼んでいたArroz de Mariscos
(魚介のリゾット)が到着した。

どちらもとてもいい匂いがして、食欲をそそる。

Arroz de Mariscosは、ムール貝やえび、
カニカマのような白身から出る魚介の出汁がスープに
凝縮されていて、ほんのりトマトの風味がして、
魚介のトマトリゾットみたいな味だった。

お米は硬めのアルデンテで、しっかりとした芯が
噛み応えがあり、心地よい。

魚介で出汁を取ったシンプルな味付け、お米の
炊き方は日本食に近くて、とても懐かしい気持ちが
込み上げてくる。

そして、肝心のTripas。

とろっと柔らかく、噛むと弾力のあるモツが
ゴロゴロと入っていて、白インゲン豆と一緒に
トマトで煮込まれている。

横にはごはんも付いてきていて、
これも日本の定食のよう。

ワンプレートで完結しているのも、なんだか親近感。

けれど、味付けや作り方、盛り付けが
日本と近いからと言って、量はやっぱり、
信じられないほど多い。

普段、(一応、ダイエットという名目で) 日本では
あまりお米を食べない私にとって、このお米の
オンパレードは、味付けがあっさりしているとは
言え、結構きつかった。

二人で協力しながらなんとか食べ終え、ふとお店の
カウンターの方を見ると、可愛らしいパフェが
ショーケースに並んでいる。

日本の昔ながらの喫茶店のショーケースのようで、
しかも海外でパフェを見るのは初めてで、
少し心が揺らいだけれど、この後もまだまだ
食べ歩きは続くということを思い出して、
ここは少し我慢することにする。

テーブルでお会計を済ませ、「オブリガーダ」と言う
と、「オブリガード」と最初にお店に着いたときより
少し口角が上がったおじいちゃんの笑顔が見える。

その笑顔に見送られ、私たちは、心もお腹も
いっぱいになって食堂を後にした。

さて、お次はデザート。
次はどこで何を食べようか。

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Casa Bragança
R. Arquitecto Nicolau Nasoni 16, 4050-423 Porto, ポルトガル

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1995年生まれ| 季節の変わり目と夜の匂い、京都の空気が好き。こぼれ落ちそうな一瞬の「すき」を忘れないために、小説を書いています。ここは、思い切り呼吸ができる場所。

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