山と鹿とわたし          (僻地コワーキングはじめました)
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山と鹿とわたし          (僻地コワーキングはじめました)

ほしななみ

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前日の投稿→【コワーキングはじめて10年。最近は色々1周まわってコワーキング界の「おじいちゃんおばあちゃん家(ち)」でありたいと思ったお話。】Chikayo Fukazawaさんです。
https://suikoudesign.com/suikolog/coworking/3690

拝読しましたが、アットホームすぎるコワーキングの雰囲気が面白くて楽しくて、心から素敵だなあと思います。ぜひこちらもお読みください^^


初めまして。岡山県の西粟倉村でコワーキングスペースamocaを運営している星菜々美です。

西粟倉村は四方を山に囲まれたいわゆる”僻地”と呼んでいい場所だと思います。この僻地でなぜコワーキングスペースが始まったのか…自分でも日々の雑務追われて忘れていく気がして、書き留めておこうと思います。
ちょっと長くなりましたが、記事を読んで少しでも西粟倉とamocaについて興味を持ってもらえたらとっても嬉しいです!

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写真はamocaの最寄り駅「あわくら温泉」駅から見た村の景色です。
山と空と田畑のシンプルな景色が西粟倉らしいと思ってます。

1.西粟倉はどんな村?そこにあるコワーキングamocaとは

岡山県英田郡西粟倉村は、人口約1450人の小さな村です。
村には異名があります。それは「起業家の村」
この小さな村に毎年多くの人が起業のフィールドを求めて移住してきます。そこには「百年の森林構想」を中心にして、森林を主にした資源と人のアイディアで地域経済を自立させていこうという村の姿勢や取組があるからです。
鹿革でカバンを作る革職人や、林業と家具製作を一貫して行う工房、森の中でバイオマスを利用してウナギを養殖・加工するチームなど、魅力的な事業を行う企業や職人、プレーヤーがたくさんいます。

amocaは西粟倉の真ん中らへん。小高い森の中の、かつての民芸館を改修して作られたコワーキングスペースです。11月にオープンしたばかりで利用者はまだ少ないですが、写真のように焚火でリラックスもできますし、村内には温泉もありますよ♪
ワーケーションやリモートワーカー、インターンの学生や起業家が村内のプレイヤーとamocaでつながっていく「森の中の秘密基地」になることを目標に今日もオープンしています!

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2.新潟人、岡山の山村へ移住する

今年の春に移住をしました。
生まれも育ちも新潟です。だだっ広い平野から山の中の村へ来ました。
まさか、遠い遠い岡山県に移住するなんて数年前の私には想像もできないことでした。

3年ほど前のことです。
新潟の大学で建築を学びましたが、ピンとくる目標もできず、自分の将来に不安をもったまま三回生になっていました。そのうち講義にも身が入らなくなり、相当な単位を落としてしまいました。無力感と就活の焦燥感が重なってほぼ衝動的に、大学を休学しました。

そんな時、西粟倉にインターンシップに行った友人の勧めで私も二週間のインターンシップに参加したのです。
緊張しながら夜8時頃あわくら温泉駅に着きました。

「何も見えない・・・」

街灯はほぼなく、ホームの階段を降りようにも暗くて本当に何も見えませんでした。道路に出て側溝に落ちそうになり、本当にここに人が住んでるのか・・・と思って顔を上げると、見たことないような無数の星が見えました。天の川の一粒一粒まで輝いていてその場に立ちすくみました。

西粟倉は林業が一番の産業です。ご先祖様が子や孫の為に手をかけた山の木を村全体で育て、製材し加工・流通まで村内で行います。
私は森の学校の製材所を見学して山から下りた木を初めて見たり、移住者向け住宅の企画会議に参加したり、地元の方とカラオケを歌ったりしました。新潟で引きこもりだった私は、目のまえの物事が何もかもリアルに感じて水を得た魚のようにはしゃいでいました。

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大きな資本や仕組みに負けるまいと努力する現場の人を初めて見て、強烈に憧れました。
私も、無力という思い込みや目の前の現実に負けてなんていられない、と。
西粟倉の純度の高い自然と人の素直な思いに触れて、大げさではなく心が洗われたように、気分が一新していました。
(と言いつつ、現在これを書きながら西粟倉でだらだらこたつで堅あげポテトを食べている私、反省ですww)

そんな中、村でやりたい企画をプレゼンすることが二週間中の課題として出されていました。私が発表したのは「人生本棚」。人生とつけるところがその当時の生き方の苦悩を反映してますが(笑)。移住者が多い村で、村人と移住者がお互いを理解して気軽に打ち解け合えるように。という願いを込めてなんでも好きな本や自分を表現するものを置ける一人1ブースの本棚を提案しました。この時から境遇関係なく人が混ざり合って新たなものが生まれる場やツールに興味を持ち始めたと思います。

そんなこんなで新鮮で強烈な二週間を過ごし、隣県の鳥取県で半年過ごした後大学に復帰しました。この間たくさんの人の価値観に触れたおかげで将来の不安はだんだんとどうでもよくなり、就活の時期になりました。思ったことは、また西粟倉で過ごしたい。あの人達と働きたい。ということでした。
私はまた西粟倉に来て、今度は滞在ではなく移住・就職することとなりました。

3.コワーキングスペースを作る?

就職してからすぐ、上司に「実はコワーキングスペースと貸オフィスの施設を今年中にオープンさせたいんだよね。」と言われました。
私はちょっとびっくりしました。コワーキングスペースって、そこそこ人がいる都市の駅前におしゃれあるものだ、と思っていました。西粟倉は正直…真反対にいる気がします。

しかし建物はもうすでにありました。白と黒の二つの建物。そして、その周りは全部不格好な砂利でした。私は最初の仕事として駐車場含む外溝デザインの設計をすることになりました。

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初めての仕事の設計で完全に手探り状態でした。
仕事終わりにうっかり車で鹿にぶつかってしまいました。(幸い車も軽く凹んだ程度で鹿は逃げ去っていきました。)
西粟倉はいたるところに鹿がいます。うっかり轢いて車が大破するなんてことも。
ちなみに、私の会社では漁師さんが獲った鹿をジビエ肉として加工販売しています。犠牲になった鹿を廃棄せず、命の恵みとしていただくことも大切な循環の一部だと考えているからです。

そして、外溝設計と同時並行で、今度はコンセプトデザインが必要だね、と。そして星さんが考えていいんだよ。と。
気が付いたら、と言いますか。
いつの間にかamoca全体のプロジェクトリーダーになっていました。笑
外溝設計から建物のデザインの取りまとめ、そして運用のデザイン…この時、プレッシャーから見えないものを無理に見ようとする泥沼に入ってました。
都会の魅力的なコワ―キングに少しでも近づけたいと、いつも他のコワーキングを調べていました。

4.田舎の僻地の、西粟倉らしいコワーキングを目指して

そんな中、上司がグランピング施設のような豪華な焚火台を設置したい!と提案しました。外溝設計にも取り入れ、実際に焚火台は形になっていきました。
私は焚火台で村内の起業家やプレイヤー、村外から来た事業主や起業家、インターン生が火を囲んでいるところを想像しました。赤々と燃える火を前に、初めて会った彼らは何か話をしている、今まで感動したことを話してるのかな、夢を語っているのかな…

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その時に
私がインターンに来た時、大自然の中で熱い人達に会って不思議に前向きに頑張ろうと思ったこと
焚火を囲んだ人々にも体感してほしいな・・・
そうはっきりと思いました。それは、西粟倉だからできることなんじゃないかと思います。
起業家の村と呼ばれるほど魅力的な人達がいる村で、そして、都市から隔離された大自然がある中で感じられたことだったからです。

そして、自分の役割はここに来る人々をつないでいくことだと。
かつてインターンで提案した人生本棚のような仕掛け、さらにコミュニケーションを通して、境遇の異なる人同士の出会いを作っていきたいと思っています。

amocaはこの施設だけで完結せず、amocaを拠点に西粟倉の魅力を存分に感じて、元気にまた頑張ろう!と訪れた方に感じてほしいです。

そのためにはまだまだ村内の色々な人やコトを巻き込みながら頑張らないとなりません!笑
これから、一コワーキング施設として、そして西粟倉に関わる入り口として、amocaをよろしくお願いします^^

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
明日のアドベントカレンダーは
【札幌で託児付きコワーキングスペースを始めて思うこと】新岡唯さんです。お楽しみに(^▽^)/

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ほしななみ
岡山県の西粟倉村という山に囲まれた村で暮らしています。 コワーキングスペースamoca運営中