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ななくま
2018年10月10日 21:03
ある日母とカフェに出かけ、そのお店で人気のある店員さんをこっそり紹介した。母はこう一言、「時代は変わったのね」と。きょとんとする私に母は続ける。「昔はみんなの憧れるかっこいい男の人といえば、筋肉を鍛えた強い人みたいな感じがあったのよ。でもほら彼って、違うじゃない?殴り合いの戦いはできないけれど、僕は、言葉で、歌で、あなたを愛して守ってみせます。ってそういうタイプじゃない?」その店員さんは、
2018年10月2日 00:58
子どものころ寝る前の日課に、「小さな幸せノート」を書く。というものがあった。もちろん私は話すばかりで、書き留めるのは母の役割だったけれど。たしか、母が何か書籍を参考に始めたはずだった。今日楽しかったこと、美味しかったもの、誰かに言われて嬉しかった言葉、そんなことをつらつらと話すと、ノートに書いてくれた。不思議だったのは、母と話すうち、つらかったはずの記憶の中にも小さな幸せが見つかったことだ
2018年9月21日 23:05
当時、庭の大きな木には1人乗りのハンモックがかかっていた。夏の朝、太陽が昇って暑くなる前のほんの少しの時間。夏休みのあいだ、ラジオ体操にいくことに決めていた母と私は、帰ってそのハンモックで少し休むことにした。「ねえお願いだから少し待ってて」その時、とてもいい考えが私に浮かんだ。母にハンモックの座を譲り、走って家に戻った。いそいそと準備をし、帰りはそーっと足を運んだ。「わあ、ミルクティ
2018年9月26日 08:58
「日記に書くこと、友達と話すこと、公に発表する文章、そのどれもが違うもので、どれもがかけがえのないものだから、どうかその全部を続けていってほしい」人が意見を発表する場は多くある。noteを含めて、どんどん新しい場も増えている。世間を賑わせている話題に、恩師からもらったこの言葉を思い返す。「そのどれもが違うもの。」書くということは、自分がいて、「そこ」に書いたものがあって、相手がいる。相
2018年9月25日 06:40
感情がかき乱される。涙が勝手に溢れ出てくる。心の不穏を怒りでしか表現できない。ただただ、どこまでも気分が落ち込んでいく。あのできごとのせいかな、というくらいには、原因はわかっていた。でも言葉にして認めるのが怖くて、それを端的に人に伝える良い言葉も知らなかった。でも、心を落ち着かせないとどうにもお勉強は進まないし、仕方がなかった。ボロボロの心でペンを握って手帳に書いた。思いつく限りに書いた。
2018年9月10日 23:51
こころの中に刻み込まれた大切な「ことば」がある。ぼやっと過ごしてきたこの24年間だけれど、いまも忘れない素敵な言葉に出会ってきた。その言葉は、家族、親友、先生、我が家のわんこ、小説、エッセイ、いろんなところから集められて、私の頭のどこかに収まっている。そして、ふとしたときにひょっと現れて、たいていの言葉は映像付きで感情付きだから、それはもう大きな力に支配されたようにこころがぐわんとなる。
2018年9月11日 17:46
かぎかっこに入れられた言葉は、ただのそのままの単語の意味とは違って、なにか特別な意味をもっている。どんなことを言いたくてかぎかっこをつけたのか、考えながら読むといい。ー文章を読むとき、覚えておきたいポイントを先生に教わった。そんな意識で見渡すと私の周りには誰かがいて、そして「かぎかっこ」があった。大切な誰かと共有できた特別な「かぎかっこ」は、いまでも、私にとってのその言葉の意味として
2018年9月13日 19:10
「未来に依存しすぎているように見えるよ、もっと今の気持ちを大切に生きてもいいんじゃない。」過去に依存する、過去にとらわれる…そんな言い方はよく耳にする。でもううん、過去じゃない、未来だ。こんなんじゃだめ。私はまだまだ、もっと頑張らなきゃ将来何にもできない人になっちゃう。それじゃいけない。そうやって自分を追い込む方法しか知らなかった高校生の私は、この言葉をすっとそのまま受け入れられなかった
2018年9月17日 14:52
半身浴と暗記の親和性の高さよ。覚えたいことを紙に書いて、それを完璧に覚えるまで、見て暗唱、見て暗唱を繰り返す。紙に書いたことが、そのまま頭の中に思い浮かぶようになったら、「ようし、これで完璧」とお風呂から上がる。半身浴しながら暗記すると、閉塞空間でそれしかすることがないという逼迫感と、じわじわ流れる汗と戦うという如何にも頑張っている感が、大いに私を味方してくれた。医学部の試験は基本的に暗