見出し画像

麻生氏、韓日通貨スワップに言及 「誰が頭を下げて金を貸すか」

麻生太郎副首相兼財務相
新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の拡散で、その必要性が提起されている韓日通貨スワップ協定の締結に対し、日本側の担当閣僚である麻生太郎副首相兼財務相が否定的な反応を示した。
韓国の丁世均首相が今月27日、外信記者懇談会で「(米国に続き)日本との通貨スワップの締結は正しいと考える」と明らかにした直後だった。麻生氏の関連発言は、この日午後4時50分から行われた記者懇談会だった。
麻生氏は、実際に提案が今年のような場合にはどのように対応すべきかについてはひとまず言葉を控えた。だが、過去の韓国との交渉経験を紹介しながら「日本としては残念に思う部分はない」という趣旨で、否定的な内心を表わした。
懇談会の末尾に記者から「日韓通貨スワップ協定再開を要求する声が韓国から出ているが、どう思うか」との質問を受けた麻生氏は、まず「今から6~7年前の話」と話を切り出した。
「6~7年前ぐらいに(スワップ協定の残額が)日本銀行に50(億ドル)、財務省に100(億ドル)ほど残っていたが、(韓国に)『大丈夫か』と確認したところ、『大丈夫だ』との返事が返ってきた。だからそれ(通貨協力の規模が)が減った。
その時、『本当にいいのか』と聞いたら、韓国は『(どうか)借りてくださいと(日本が)言うなら、借りることもやぶさかではない』と答えた。(金を貸す側が)頭を下げて『借りてほしい』などという話は聞いたことがない。(それで)交渉テーブルを蹴って(交渉から)撤収した。それで終わりだ。スワップに対して韓国との間にあったのはそれが最後だった。今はどうなっているのかよく知らない」
記者が再度、「協定を求める声があるが、どうする考えか」と質問したが、麻生氏は「仮定の質問には答えられない」と述べるにとどまった。韓国からの公式な要請がないので答えられないというニュアンスだった。
【引用中断】
麻生さんが財務大臣でいる限りは、日韓通貨スワップが結ばれる危険は少ないようです。
朝生財務大臣のうまい所は、韓国人の常套手段は【その必要性が提起されている】などという言葉を使って、まるで「日本にとっても必要だ」という振りをすることで、「コロナ危機に襲われているこの時には、仕方がないから日本とも助け合っていかねばならないという世論を盛り上げて、『自分達が恩恵を受ける立場ではない』という芝居ができるようにする」ことです。
以前は、日本側がこの芝居に付き合っていました。
しかし 麻生財務大臣は、すかさず【金を貸す側が)頭を下げて『借りてほしい』などという話は聞いたことがない】と一言で冷や水を浴びせてしまう事です。
そうすると 韓国側では「仕方がないから 日本と手を組む」という芝居ができません。「日本に土下座して頼まないと無理だ。しかし そんなことをしたら 政権が吹っ飛ぶ。だから、韓国から外貨が逃げ出しても仕方がない」という方向に、韓国国内の話が進んでゆく訳です。
つまりうまい具合に、韓国国内に「そんな無礼な日本とは交渉するな」という世論をつくってしまって、韓国側から交渉できなくしているのです。
こうして 日本側では必要がないスワップの為に無駄な交渉をせずに済むようにしている訳です。
韓国を応援したい日本の一部のマスコミでも、麻生大臣が好きな事を発言するのは昔からなので、今更批判しても世論が動かない事を知っています。ましてや現状日本の一般世論は嫌韓ですから「日韓スワップは日本にとっても良い事だ」という世論はどうしても作れない事も知っているので、「韓国とスワップすべし」と論陣を張る新聞はありません。
要は 韓国の自業自得なのですが、それにしても麻生大臣はなかなか芸達者です。
最も韓国人の方も 自分達がやりすぎたからスワップ拒否まで日本人の嫌韓をすすめてしまったとは解っているようです。ですから中央日報でも 後半記事でご丁寧にスワップの経緯を説明しています。
しかしそれでも【27日の記者懇談会で言及した「金を貸すほうが頭を下げるという話は聞いたことない」という(麻生大臣の)発言も、今後物議をかもす見通しだ。両国間協定で、韓国だけに恩恵があり、まるで日本は一方的に恩恵を与えるような侮辱的な言葉に映りかねないためだ】と記事が結ばれているので、韓国で燃え始めたスワップ待望論はあっさり消火できたようです。
 【追伸として これより 記事後半を引用します】
両国が必要な時に通貨を互いに交換する韓日通貨スワップは、2001年に20億ドル(現レートで約2153億円)規模でスタートした。その後、外為市場の動向や両国関係の推移によって規模に増減がありながらも、2011年には一時は700億ドル以上まで規模が拡大した。
だが、2012年に李明博元大統領の独島(トクド、日本名・竹島)訪問などの余波でその後は増額分が更新されず、2013年7月には両国中央銀行間の協定が満了した。
ASEAN+韓日中が締結した「チェンマイ・イニシアチブ」体制の中で、なんとか命脈を維持した両国間の100億ドル規模の通貨スワップ協定も2015年2月に満了し、両国間の通貨協力はここで完全に切れた。
麻生氏が触れた6~7年前が正確にはどの時点なのかは確認されていない。だが、おおよそでは協定満了を控えた2013-2014年に両国の間でやり取りされた対話を指していると思われる。
麻生氏の主張通りなら、日本が「協定を延長しなくてもいいのか」と繰り返しその意志を打診してきたものの、韓国が「日本がお願いするならしてもいい」と硬直した態度を示したため延長交渉が決裂したということだ。
だが「韓国とのことはそれで終わりだった」という麻生氏の発言は明らかに間違っている。両国は2016年8月に通貨スワップ協定締結再推進にひとまず合意した。
朴槿恵(パク・クネ)政府時期、当時の柳一鎬(ユ・イルホ)副首相兼企画財政副長官との会談で、協議開始に意気投合したのは麻生氏自身だった。
だが、釜山(プサン)日本領事館前の慰安婦少女像設置問題が発生して、2017年1月に日本政府は進んでいたスワップ協議を一方的に中断した。
当時、麻生氏は少女像の設置が「2015年韓日慰安婦合意違反」としながら「約束した話が守られないなら、貸した金も返ってくる可能性もない」と主張した。
突き詰めてみると、直近で韓日スワップ協定再開のテーブルを蹴飛ばしたのは、日本政府、特に麻生氏自身だったということだ。それでも麻生氏はこの直近の交渉には全く言及せず、スワップ協定延長不発のすべての責任を韓国側に転嫁したのだ。
27日の記者懇談会で言及した「金を貸すほうが頭を下げるという話は聞いたことない」という発言も、今後物議をかもす見通しだ。両国間協定で、韓国だけに恩恵があり、まるで日本は一方的に恩恵を与えるような侮辱的な言葉に映りかねないためだ。【引用 終わり】

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?