見出し画像

香港デモで180人以上を逮捕 国家安全法に抗議 市民からは怒り、不安、不満

香港の繁華街で24日、(藤本欣也撮影)
香港で24日、中国の全国人民代表大会(全人代)が香港に導入するため審議・可決予定の国家安全法に対する初の抗議デモが行われ、香港メディアによると数千人が参加した。香港で新型コロナウイルスの感染拡大が始まった1月下旬以降、最大規模のデモとなり、警官隊は催涙弾を発射して180人以上を逮捕した。抗議者たちは中国共産党の滅亡を願う「天滅中共」のポスターを掲げてデモ行進したが、国家安全法が導入されると「政権転覆」行為として罪に問われる可能性が高い。
 香港の繁華街で24日行われた国家安全法導入に対する抗議デモでは、参加した市民から不安や不満、怒りの声が上がった。昨年のようにデモが続発しかねない社会不安を前に、新型コロナウイルスの打撃を受ける商店からは悲鳴がもれていた。  
「今日のように集会が自由にできなくなるのです」  
「怒りが収まらない。もはや、逮捕されるのが怖いとか言っていられない」 デモに参加した19歳の男子大学生は強制排除を進める警官隊を前にこう話す。
香港に国家安全法が導入されると、国家分裂や政権転覆、組織的なテロ行為、外国や国外勢力による香港への干渉-が禁止される。  
この日のデモでは「香港独立が唯一の道」などのスローガンが何度も叫ばれていたが、同法の公布後は「国家分裂」行為として罰せられる可能性が高い。  
16歳の女子高生は「中国は香港の一国二制度を(1997年の)返還から50年間約束したはず。たった23年で自由が剥奪されてしまう」と不安げに語る。  
8歳の長男を連れて買い物をしていた40代の男性医師は、「この子の将来を考えると恐ろしくなる。できるだけ中国から離れた、自由のある国に移民しようと考えている」という。  警官隊とデモ参加者の衝突が始まると、あわててシャッターを下ろす店も。食料品店の男性従業員は「今日はもう営業できない。(昨年のように)デモが続けば、倒産するのを待つほかない」と吐き捨てた。
【引用終わり】
 中国共産党(中でも習近平主席)は、香港の人々の深層心理を理解できずに、彼らを追い詰めてしまう方向に進んでいます。
香港デモの発端は「引き渡し条約」でした。これが中国との間で結ばれてしまうと、中国は香港政庁に○○を引き渡せと要請=命令する事が出来るようになります。
これでは香港市民は大変です。中国政府に目を付けられたら、香港で逮捕されて中国に送られてしまうようになったら、安心して暮らせなくなってしまいます。
それまでも、北京・共産党に批判的な書店の関係者や企業人などが「誘拐されて北京に連れていかれている」様子はありましたので、香港市民は立ち上がったのです。
デモをすれば香港で逮捕されるかもしれない。けれどデモをしないで「引き渡し条約」が成立すれば、いつ何の理由で北京に送られるかわからない。香港の刑務所に行くかと、北京の刑務所に行くかの選択になれば、「香港で刑務所に行く危険を冒す方がよい」という結論になっても不思議はありません。
つまり香港市民は「危険を冒した方がよい」という処まで追い詰められてしまったからデモをしていたので、弾圧にも負けなかったのです。
そしてこの経緯の中で、中国共産党は完全に信用を失いました。だから「引き渡し条約」が撤回されても、デモは続いたのです。
それが今度は「国家安全法」とは…。せっかくコロナ騒動でデモまで自粛されていたのに、寝た子を起しただけではなく火のついた薪を投げつけてしまっては、皆が火を消そうとして大騒ぎするのは当然です。
そしてついに、中国共産党の滅亡を願う「天滅中共」のポスターまで登場しました。こうなるとアメリカも大喜びでデモ隊を援助するでしょうから、米中宣伝合戦の一大テーマに急浮上します。
 本来なら、形勢が不利なので香港のことは忘れた振りをして統制を緩めて香港市民の機嫌を取って、中国は人権侵害をしていないと国際社会にアピールすべきなのですが、北京政府は全く逆のことをしています。
 最も台湾問題でも、コロナ騒動を口実にして、WHOへのオブザーバー参加を中国の方から要請すれば、状況は全く変わったものになっていたはずです。「おしてもダメなら引いてみろ」というやつです。
 ところが、あちらこちらで不利になったら一層攻撃的になってしまう今の中国共産党政権は、撤退すべき所で撤退せずに玉砕と発表していた第二次大戦後期の日本の大本営に似ています。
 どうすればいいか解らなくてパニックになって、批判されれば条件反射でただただ怒って相手に噛みついている。私は今の中国共産党からはそんな印象をうけています。それだけに、香港はとても危険な気がします。
即ち、もし香港で天安門のような武力弾圧を行えば、欧米諸国はその後中国と断交して、自国の中の中国の資産を凍結没収する可能性がある。だから中国を破滅させたくなければ、香港デモへの武力弾圧をしてはいけない。
習近平主席にそれが解っているのかどうか とても心配です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?