見出し画像

空恐ろしいお話ですが、日本の行政府には『紙様教』の信者がいるようです。【引用開始】●停止要請、一転撤回 国際線予約、在外邦人に配慮―手続き再開へ・オミクロン株

政府は2日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大に伴って国土交通省が(11月29日に)出した日本着の国際線の新規予約停止要請を撤回し、航空各社に通知した。今後は各社と調整した上で、1日当たり3500人とする入国者数の制限を超えない範囲で、旅客数が比較的少ない週や曜日を中心に在外邦人の帰国に関する予約の受け付けを認める方針だ。
 斉藤鉄夫国交相は記者団に対し、短期間の方針転換で年末年始の帰省などを希望していた在外邦人らの間に混乱を招いたとして「申し訳ない」と陳謝した。日本航空と全日本空輸は撤回を受け、1日に停止していた新規予約受け付けについて近く手続きを再開する。ただ、3500人の制限は新型コロナ流行前の需要水準を大きく下回っており、希望者全員が帰国できない恐れも依然残っている。
 政府はオミクロン株発生を受け、11月末から外国人の入国を原則停止するとともに、1日当たりの入国者数の上限を5000人から3500人に引き下げた。国交省は、12月が例年需要の多い時期に当たるため人数制限を超える懸念があると判断。12月中に日本に到着する国際便について新規予約受け付けを見合わせるよう11月29日に国内外の航空会社に要請していた。
 国交省によると、これらの対応を担った航空局は、予約停止要請を「事務的な連絡」(幹部)と判断し、1日午後まで首相官邸や国交相らに報告していなかったという。一方で、新規予約の一律停止が在外邦人らの生活や心情に与える影響への懸念も拡大。岸田文雄首相が2日までに同省に対し、邦人の帰国需要に十分に配慮するよう指示したことで、わずか3日での要請撤回に至った。
【引用終わり】
私は、昨日「岸田首相は、一日で自分が出した命令を取り消すのか…」とツイートしました。
よもや、このような重要な要請が、首相も大臣も知らぬ間に官僚の一存でなされるとは思ってもいなかったからです。夕方のニュースで、「首相も大臣も知らなかった」と報道されていたのを見た時には、???でした。
でも航空局の担当者は、『新規予約停止要請を「事務的な連絡」(幹部)と判断』したので、報告しなかったのだそうです。
即ち、この担当者は、「日本到着便の新規予約を停止して下さい」と航空会社に要請する事は、「テロが増えているので、気を付けて下さい」等々と同じ事務連絡なので、一々、「大臣に事務連絡すべきかどうか?」とお伺いを立てる必要もないし、「事務連絡しました」と報告する事もないと判断したのだそうです。
なんともはや。驚くべき現実感覚にかける判断能力です。
年末年始を控え、多くの日本人が帰国を計画しているだろう所で、航空機が新規予約停止をしたら、騒ぎになることが解らなかったのでしょうか?
また、時期的なモノばかりではありません。
今の日本には緊急事態宣言が出ていない、全くの平時です。一方海外では、コロナ感染の広がりにより段々暮しにくくなっている国も出てきています。だから、帰国を望む人も増えるでしょう。それなのに、海外にいる日本人は帰国させないと言わんばかりの決定をしたら、国がするべき国民の命を守るという、国家の義務を放棄でしかないので、やはり大騒ぎになると解らなかったのでしょうか?
私には、この担当者は自分が出す《紙の上の言葉》が、《現実社会でどんな行動を生む》のかを、自分の頭で理解していなかったとしか思えません。
ただ、要望という言葉の書かれた紙に、自分達のハンコだけ押せば正式な紙になるので、必要なハンコを押して航空会社に通知したというだけのこととしか考えなかった、だから大臣にも首相にも報告しようなどとは考えられなかったのだと、私は推測します。
これがもし、大臣のハンコが必要だと決められていけば、書類は大臣の所まで登って行ったのでしょうが、この案件には大臣のハンコは必要ではなかったので、大臣には知らされなかったのであります。
《書類の上の言葉》の「航空機の新規予約の停止」とは、《現実》には「帰国したい日本人が自由に帰国できなくなる事」です。しかし、《言葉》と《現実》を結び付けて考える思考が一部官僚の中に欠けているから、今度のような事態になったような気がします。即ち、日本の一部官僚には『紙様教』の信者がいるようです。
どうも、日本の多くのおかしなところの出発点は、そこにあると思えてなりません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?