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一体なんでまた北朝鮮は、深夜0時に軍事パレートを始めたのか?「夜襲をするぞ」という脅しなのか?「平壌市民は命令すれば深夜0時に集まるぞ」と、団結振りを見せつけたいのか?訳が分からない国である事だけは、確かです。 ●北朝鮮が異例の夜間軍事パレード、大陸間弾道ミサイルも披露


北朝鮮による軍事パレードは2年ぶり。アメリカ大統領選まで数週間というタイミングでの実施となった。韓国軍によると、このパレードは10日の夜明け前に始まった。なぜこの時間帯になったのかは、明らかになっていない。
北朝鮮は通常、新型ミサイルなどの兵器を世界に示す目的でパレードを行う。10日のパレードでは大陸間弾道ミサイル(ICBM)が展示されていた。ICBMが登場したのは、2018年に金委員長とドナルド・トランプ大統領が歴史的な会談を行って以来、初めてだという。
外国メディアや外国人は参加が禁止された。そのため専門家らは、北朝鮮の国営メディアが放送した編集済の映像から、今回のパレードを分析している。
映像では、金委員長はグレーの洋風スーツを着ており、子どもから花束を受け取っていた。
金氏は演説で、北朝鮮は引き続き「自衛と抑止」のために軍事力を「強化」していくと語った。
また、国内では新型コロナウイルスの感染者が1人も出ていないことを嬉しく思うと発言。「悪質なウイルスと戦う世界中の人々の健康を願っている」と述べた。
10日のパレード映像では、マスクを着用している人の姿は見られなかった。しかしAFP通信は、通常のパレードよりも関係者が少ないと指摘している。
(また)国内に感染者は出ていないと主張する一方、金委員長は高官会議を開き続け、国内に厳しい感染対策を敷いている。北朝鮮は1月、中国からの新型ウイルス流入を防ぐために国境を封鎖した。当局は国境に緩衝地帯を設けて入国者を阻んでおり、「見つけ次第射殺」という指令が出ていると報じられている。
韓国国防省は9月、海洋水産省の男性職員(47)が南北軍事境界線近くの延坪島沖で行方不明になった後、北朝鮮側の海域で北朝鮮の兵士に発見されて射殺されたと発表した。これについて、金委員長は文在寅(ムン・ジェイン)大統領に宛てた書簡で異例の謝罪を行っている。
今回のパレードをめぐっては、数週間前から数千人が訓練している様子が人工衛星写真で確認されていた。
一方、首都平壌にいる外国高官らにはこの日、市内を出歩いたり、パレード会場の近くで写真を撮ったりしないよう通達が出ていた。
<解説>懸念の種に ――アリスター・コールマン、BBCモニタリング
金正恩朝鮮労働党委員長は、演説の最後を「偉大な人民万歳!」と叫んで締めくくったものの、その一方で、北朝鮮が経済的に困窮していると認めた。
しかし、国営テレビの映像では、金日成広場に兵器がずらりと並んでいる。北朝鮮軍が金に糸目をつけていないことは明らかだ。
とことん演出されたこのパレードをインターネットで見ていた専門家たちも、兵士が最新の自動小銃などを持ち、新しい防空システムや装甲車のようなものが登場したことに気付いただろう。
しかし、各国政府にとっては、新しい弾道ミサイルの登場が何より気がかりな材料となるだろう。
最初に登場したのは潜水艦発射型の「北極星4A」。それから大型ICBMが、巨大な11基の車軸に支えられた発射台と共に登場した。このICBMはあまりに新しく、名前はまだ知られていない。
北朝鮮は昨年ごろから、核開発に力を入れると主張を繰り返してきた。10日のパレードにICBMを登場させたのは、この主張を補強するのが狙いだったはずだ。朝鮮半島の平和や外交の今後にこれがどう作用するのか、まだ誰にも分からない。
【引用終わり】
コールマン氏は「まだ誰にもわからない」で解説を終えましたが、実際北朝鮮が「(常識で考えると)訳の分からない国だ」という事は確かです。
今回も、深夜零時に軍事パレードを始めました。
一体なんでまた…。色々なテレビの解説によりますと、世界の軍事史的にも、前代未聞のことだそうです。
そりゃそうですよね。普通の軍事パレードは、国民の娯楽です。華々しく軍事パレードをするのを国民が視て、「ああー我が国は強い。凄い兵器がある。我が国の兵士は優秀だ。我が国は本当に素晴らしい」と国民が安心して笑顔になれるように、軍事パレードは行われます。
だから普通は、国民が気分よく観に来れる時間に始めます。中国などは、パレード広場には雨が降らないように、人口降雨で事前に雨を降らせたりもします。それもこれも、視ている人の気分を愛国的にするためであります。
だから「寝ている時間に、起きだして観に来い」と国民に命令する政府は、今まではなかったのです。
いつものことですが、北朝鮮は普通ではありません。
普通は、夜の軍隊の行動といえば《夜襲》です。とすると「夜襲をするぞ!」という警告なのか?
または、北朝鮮は軍事パレードを国民の娯楽としてではなくて、政府への忠誠の証として行っていると公表したかったのか?つまり「『深夜に観に来い』と国民に命令できるんだ」と、世界に誇示して見せたのか?
北朝鮮に少しでも普通の所があれば、深夜にパレードを行った理由は上記のどちらかだと思うのですが、しっくりしません。北朝鮮は普通ではありませんから…。
なぜなんだろう?
全く、訳が解りません。
それで日曜7時からのBS朝日 日曜スクープを視てみました。
すると解説者が、金委員長は映像効果を出したがるから、夜にしたのだろうという事です。金委員長は花火も好きだから…。と解説していました。
ホント?
夜やりたかっただけなら、7時からとか、もっと常識的な時間でも良かったのだろうに…。
この私の疑問に解説者は、北朝鮮の深夜0時はアメリカ時間の午前11時だから、深夜0時に始めればアメリカのイブニングニュースに間に合うと指摘しました。
えっ?アメリカのテレビ視聴者に視てもらいたいから…。
とすると、アメリカ人が気分よく夕方から夜に実況生中継で見れるように、深夜などの異常な時間に決勝を行うオリンピックと同じ理由ですか?北朝鮮は、広告費も貰わずに、アメリカのテレビ局に協力しているのですか?
にわかには、信じられない理由です。
しかし、もう一点指摘がありました。
深夜0時に初めてカメラに収めて、編集して当日7時から北朝鮮でテレビ中継されたのだと…。
成程。もし夜7時に始めてしまっては、(実況生中継をする気が無ければ)どんなに急いでも当日中に北朝鮮のテレビで放映することはできません。とすると、軍の創建記念日の当日にパレードをして、当日の夜に全国の北朝鮮人に夕ご飯を食べた夕べの団欒の時間に、北朝鮮軍の雄姿をみて喜んでもらいたければ、深夜0時から3時ごろに始めなければなりません。ならば「深夜3時に始めるよりは、0時に始めた方がよい」ので、深夜0時をパレードの開始時間に設定することに、合理性が出てきます。
普通の国家指導者の思考ではありませんが、「国家指導者として振舞う事を第一にする」劇場型国家指導者の思考では、こうなるのかもしれません。

ただ私は、現在の北朝鮮では、なごやかに夕べの団欒を過ごせなくなってしまっている人が、少なくないと思います。また、電力不足の停電の中ですので、国威高揚番組を流してもそもそもテレビが映っていたのか、疑問に思います。
でもまあ、北朝鮮には常識は通じません。
だから、彼らにとっては深夜0時のパレードが素晴らしいアイディアなのでありましょう。

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