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あしながおじさんのような存在

話題のNetflix新作『Followers』を早速観てみたら、素敵な台詞に出会った。 若い時から無理をしてでもいい物を着る。ブランドものを着て、いい化粧品を使っているからいい女なんじゃない。一流の人たちが作った本物を飼いならせるからいい女なの。目一杯背伸びして…ん?服をまとえる女になりなさい。(『Followers』第二話より) いい服やいい化粧品。それを欲しいと思うとき、わたしも『Followers』の主人公なつめのように、「自分にはまだ早い」と思ってしまう。だから、

    • 女子大生でもベビーシッターになれた

      #わたしが応援する会社 「ベビーシッターしてました」と言うと、たいてい驚かれる。 「海外で?」と聞かれることもある。それが違うんです。日本でなんです。 *** わたしは、大学生の頃にキッズラインに登録してベビーシッターをしていました。「日本にベビーシッターの文化を」の想いで会社を立ち上げられた経沢香保子さんの記事を読んで、(彼女の作った会社を見てみたい!という思いから)早速無料登録会に申し込んだ。 登録会当日は、テキパキと進む手続きの流れに乗り、登録だけは済ませた。そ

      • 必要じゃない別れはもういらない

        世の中には、ほんとうは必要なかった別れがあると思う。恋人との別れ、大切にしていた部下の退職、一人でこの世を去ってしまった友。「早く本音で話せていたら」「あのとき話を聞いてあげられていたら」と後悔しても、もうその人は戻ってこない。対話の遅延証明書はまったく役に立たないんだ。悲しいけど。そのことに最近気がついた。 *** フランス文学の授業で『クレーヴの奥方』を読んだ。16世紀半ばの宮廷のお話。シャルトル姫(クレーヴ夫人)は、特別な愛情を感じることができないままクレーヴ公と結

        • マイナスをゼロにする気持ちよさ

          広告の仕事はプラスをさらにプラスにする仕事だと感じている。もう既に、立派に経済を回している商品がさらに売れるように企画をする。それはそれで楽しいのだけれど、「マイナス」を「ゼロ〜ちょっとプラス」にする快感を超えることは難しいなあと思う。 例えば、汚部屋を普通に暮らせる程度の部屋にするのは楽しい。目に見える大きなゴミをビニール袋に詰め、ホコリまみれの床に掃除機をかける。ゴチャゴチャになった書類や本を分類して棚に並べ、服をハンガーにかける。混沌としていた世界に、徐々に秩序が生ま

        あしながおじさんのような存在

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        • #胸に刺さるエッセイ
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          何かが降ってるシーンは幸せな感じがする

          映画を見ていると、たまに、「人生でいちばん幸福かもしれない」と感じる瞬間がある。 渋谷のUPLINKでグザヴィエ・ドラン監督『わたしはロランス』を見たとき、まさにそういう気持ちになった。それは、空からカラフルな洗濯物が降るシーン。ものすごい幸福感につつまれ、真っ暗な映画館でニンマリとした。 同監督の『胸騒ぎの恋人』で、美青年にマシュマロが降りかかる場面もたまらない。 思えば、結婚式のフラワーシャワーやパーティーのクラッカーは共通して人に何かが降っている状態をつくる。小さ

          何かが降ってるシーンは幸せな感じがする

          【まとめ】2019年の美術館日記

          ソフィ・カル 『Voir la mer(海を見る)』 – Shibuya Crossing by Sophie Calle深夜の渋谷スクランブル交差点が美術館になった。昼間は動画広告で彩られる街頭ビジョンに静かな海と後ろ姿の人が一人映し出される光景は異様で美しかった。こんな渋谷をもう一度過ごしたいから、アート作品を見る企画してみたいな。 ソフィ ・カル ─ 限局性激痛大学生の頃からソフィ・カルに憧れていた。ノートやレシートから個人の生活を探ったり、男をつけていったり。日常で

          【まとめ】2019年の美術館日記

          「都会に住んで、元気になろう。」を信じてよかった3つのこと

          『都会に住んで、元気になろう』(PHP研究所)という本がお家探しの指針となった。都会のど真ん中に住むか、それとも電車で数駅行ったところに住むか。結果、ど真ん中に住むことにしたわたしが「都会に住んで、元気になったこと。」をまとめてみました。 ①電車に乗る時間が10分の1になった何駅も電車に揺られて通勤していたころは、どこかイライラしていた。運転見合わせのアナウンスが入ると、せっかく早起きしたのにと落胆して何度もため息をついた。朝が極端に苦手なせいもあるだろうけれど。 お引越

          「都会に住んで、元気になろう。」を信じてよかった3つのこと

          異国にひとは母国の風景を重ね合わせる

          『北京の日曜日』(1955年)/パリと北京、記憶の中で交差する都市 マルケルは夢だった中国行きを、1955年、中国友好使節団旅行への参加で実現。その際に撮影した映像をもとに、ある日曜日のスケッチとして革命後の北京の人々や風景を鮮やかに描いた初期短編。本作ではマルケルは撮影も自分で担っている。 異国を見つめるとき、自国の風景を重ね合わせたことはないだろうか。観光中にたまたま立ち寄ったレストランで食べた料理でなつかしい味に出会ったとき、ホテルに戻る帰り道に夕暮れ時の小川を見た

          異国にひとは母国の風景を重ね合わせる

          プラハの美術館とカフェ

          交換留学でパリに行っていた頃のヨーロッパ旅行シリーズ。最後の目的地、プラハです。雪景色の中、カフェであったまりながら観光しました。 Day 3 ドレスデン→プラハプラハに到着。2000コルナを引き出し、ベルリンのときと同じように、空港で宿探しから。中心地へはメトロを使う必要はあったが、感じのいいホテルに宿泊することを決めた。到着するやいなや、目の前の商店へ買いものへ。フォーを2つと水、紅茶を購入。水がやけに高かった。全部で134コルナ。ホテルに戻り、フォーを食べる。 D

          プラハの美術館とカフェ

          ベルリンからドレスデンへバスで行く

          交換留学でパリに行っていた頃のヨーロッパ旅行シリーズ。最初の目的地はドイツのベルリン。そこから、バスで南下しドレスデンへ入ります。 Day 1 パリ→ベルリン旅の出発点はベルリン。留学先のパリからほど近いオルリー空港から飛行機で向かった。ベルリン空港に到着し、まずその日のホステルを探す。空港のWi-fiを手に入れるとすぐにBooking.comで宿を検索する。見つけた宿は一人12.5€。ベルリンでも最安値だ。 7€で乗車券を購入し、ホステルへ向かう。お腹が空いていたことに

          ベルリンからドレスデンへバスで行く

          雨の日に永遠の愛は始まる/『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)

          1962年、アメリカ。政府の極秘研究所で清掃員として働くイライザはある日、施設に運び込まれた不思議な生きものを清掃の合間に盗み見てしまう。“彼”の奇妙だが、どこか魅惑的な姿に心を奪われた彼女は、周囲の目を盗んで会いに行くようになる。幼い頃のトラウマからイライザは声が出せないが、“彼”とのコミュニケーションに言葉は必要なかった。次第に二人は心を通わせ始めるが、イライザは間もなく“彼”が実験の犠牲になることを知ってしまう。“彼”を救うため、彼女は国を相手に立ち上がるのだが——。

          雨の日に永遠の愛は始まる/『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)