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特殊相対性理論とアンチエイジング

むかしむかし、あるところに双子の兄弟がいました。兄が高速のロケットに乗って宇宙旅行をし、数ヵ月後、地球に戻ってみると、双子の弟はお爺さんになっていましたとさ。

この浦島太郎のような話は、『時間の遅れ』と言われるもので、アインシュタインの特殊相対性理論『物体の時間の進み方は、その速度に応じて変化する』というものだ。
何やら難しい話に聞こえるかもしれないが、身近に感じる出来事があった。

先日、大きな被害をもたらした台風19号。
まさに台風が上陸した日、私は特番の収録で東京にいた。収録後は東京駅近くのホテルに泊まり、翌日は岩手だ。しかしこの時点で、午前中の東北新幹線は運休が決まっていた。
そこで本来なら8時台の東北新幹線に乗る予定を、12時44分に変更。翌日は12時に東京駅に着いたが、残念ながら復旧する様子は無かった。

どうしよう?
ここで、二つの選択肢が生まれた。

まずは八時間ほどかけて、車で向かうチーム。
もう一つは、新幹線が復旧するのを待つチーム。
さて、あなたならどちらを選ぶ?

番組で共演している矢部みほちゃんは、迷わず車移動を選んだ。いつ復旧するかわからないものを待てない。移動すると決めたなら、何が何でも移動したいとのことだ。八時間乗車することなど、全く苦にならないらしい。

一方、私は後者を選んだ。
車移動だと、車内で仕事ができない。
美人塾の台本も、エッセイも、やらねばならないことが盛りだくさんの私は、復旧までカフェで仕事をし、復旧したら新幹線に乗って車中でまた仕事ができる。しかも移動時間は圧倒的に短い。絶対に後者だった。

14時に東京駅から出発したみほちゃんの車移動チームは、約7時間ほどのドライブを経て21時に到着した。
同じ頃、私のチームは、ようやく新幹線に乗ったところだった。ここから二時間半ほどで到着する。

人それぞれ、ストレスや疲労の項目は違う。みほちゃんも私も、自分の選択した方法がベストで、ストレスなく現地に着いた。
違ったのは、到着した時刻ともう一つ、移動時間だ。

ここで話は冒頭に戻る。『時間の遅れ』の話だ。
『高速で移動している物の時間は、ゆっくりと進む』らしい。
ウソのような話だが、現に1組の原子時計の片方だけを宇宙飛行や航空機に乗せると、地球上の時計より僅かに遅れていることが、実験によって確認されているそうだ。

ということは、だ。
まず、私がカフェに留まって仕事をしているとき、みほちゃんは車に乗って高速移動をした。つまり私よりみほちゃんの方が、僅かながらも時間がゆっくり進んだことになり、ひいては私より老化スピードが遅くなったことになる。
ようやくみほちゃんが盛岡のホテルに到着した頃、今度は私が新幹線に乗り、高速移動を始めた。つまり私の方がゆっくり時間が進んだことになり、みほちゃんちゃんより老化スピードが遅くなったことになる。

二人は大体同じくらいの距離を移動したわけだが、みほちゃんは七時間かかって移動し、私は二時間半ほどで移動をしている。ということは理論上、私の方がみほちゃんよりも3倍ほど老化スピードが遅くなったということだ。

うーむ。
これは新たなアンチエイジング法か?
では仮に、リニアモーターカーができて毎日あちこち高速移動をしたとすれば、その人は老化スピードを遅らせることができるということなのだろうか。
では、睡眠中にベッドを高速移動させれば、効率良くアンチエイジングができるではないか!いや、しかし時間がゆっくり流れるわけだから、その場合は睡眠不足にならないのだろうか。

アホなことを考えているうちに、盛岡駅に着いた。
しかし、時空間とアンチエイジングは将来的にコラボできるかもしれないぞ。
近未来、奇想天外な時空美容法が生まれるやもしれないと感じた新幹線移動であった。

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渾身のエッセイ、始めました。
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