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六車奈々、会心の一撃!

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タレント・女優の六車奈々によるエッセイ集。子育てをしながら働く、ハプニングと全力投球な日常をエッセイでお伝えします。
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2019年10月の記事一覧

レモンスカッシュ・ウグイス嬢

生まれて初めて、ナレーションの仕事をさせて頂いた。 これまでレギュラー出演番組でのナレーションは何度も経験しているが、出演しないで正味ナレーションだけというのは初めて。 これが、めちゃくちゃ面白い。 というのが、自分の出演番組だと番組内のキャラをそのまま生かしたナレーションになる。しかし出演しないでナレーションだけとなると、全く違 うのだ。 ナレーションを初体験させて頂いたのは、Amazon Prime Video の新番組『プロ野球そこそこ昔話』。1980年代から199

買う→シェア

仕事柄、これまで衣装代にどれほどお金をかけてきただろうか。 スタイリストさんが付く番組は良いのだが、低予算の番組は衣装が自前になる。すると、同じ服を毎週続けて着るわけにもいかず服を買うことになるのだが、好きな服ばかりを買うわけにはいかない。 私は白と黒が好きだが、まず仕事で黒はNGだし、白が好きだからと言って、毎回白ばかりも着られない。やはりTV映えを考えて、バランスよくカラフルな衣装を取り揃えることになるのである。 しかし、この衣装ストレスからようやく解放されることにな

信じるものは救われる!私の験担ぎ

ココ一番のとき、あなたは縁起を担ぐ派? それとも担がない派? 縁起担ぎとは、本来の物事の因果と関係がないにもかかわ らず、特定の行為を行うことで良い結果を期待すること。 吉兆の迷信にとらわれてすることもあれば、過去に自分がそれをやって成功したことからその行動を繰り返すこともある。 私は競馬が大好きだが、勝負の世界である競馬界には、面白い縁起担ぎがいくつもある。 たとえば『現役馬の写真を壁に飾らない』というものだ。壁に飾ると『地に脚がつかない』からだそうで、実際に厩舎を訪ね

特殊相対性理論とアンチエイジング

むかしむかし、あるところに双子の兄弟がいました。兄が高速のロケットに乗って宇宙旅行をし、数ヵ月後、地球に戻ってみると、双子の弟はお爺さんになっていましたとさ。 この浦島太郎のような話は、『時間の遅れ』と言われるもので、アインシュタインの特殊相対性理論『物体の時間の進み方は、その速度に応じて変化する』というものだ。 何やら難しい話に聞こえるかもしれないが、身近に感じる出来事があった。 先日、大きな被害をもたらした台風19号。 まさに台風が上陸した日、私は特番の収録で東京にい

はらぺこ花嫁

仕事の現場で、一度だけキレたことがある。 最初に言っておくが、私は現場で難しいタイプではない。気分屋ではないし、きちんと笑顔でご挨拶もするし、楽しい雰囲気になるように心掛けるし、NG事項だって何ひとつない。多少の腹立つことがあっても、いちいち目くじら立てて怒ったりすることもない。極めて扱い易いタレントのはずだ。 しかしだ。20代前半だったと思う。たった一度だけ、ブチ切れたことがある。16歳から約30年この業界にいて、後にも先にもこの一度だけだ。 その日は、モデルの仕事でブ