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明暗別色補正(現カラーグレーディング)で映画のような雰囲気の写真を作ろう

こんにちは、Tetsu.Iです。
今日は色味について。私が映画のような写真にしたいとき、レタッチで何を重視して色を決定しているかをお話ししたいと思います。


なんでもない日常の特別な瞬間に合う色合い

私はある時期から「フィルムで撮られたような淡く、薄めで強調されてない色味」を好むようになり、映画で見られるような薄めで独特の色味を持たせようと試行錯誤を繰り返しました。
何事もなく過ぎていく、日々の喧騒に消されて意識されない日常の良さを表現するには、目を引くような鮮やかな色合いはとても似合いません。むしろ、人の目で注視しても気づかれないくらいがちょうど良いのです。
でも、ただ彩度やコントラストを下げるだけでは単なる色彩の薄い・眠たいだけの写真になってしまいます。そこには何も主張はありません。

ではどうやって映画のような独特の雰囲気を持つ色味になるのか?
私はLrの「明暗別色補正(現在はカラーグレーディング)」を使って調整をしています。

明暗別色補正とは、簡単に言えば写真の明部・暗部に色を足していく機能です。
これをうまく使うことでどこか雰囲気のある写真にすることが可能になります。
では、実際に私がどのように補正を使用しているかスクショで見ていきましょう。
(以下の画像は記事作成時点のLrを使ってスクショしています)



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今回はこちらの画像を使っていきます。
ご覧の通り色温度等はデフォルトのままです。
カメラはX100T(23mm)、f2.0、曇り時のjpeg撮影でfilm simulationはclassic chromeです。
特になんの変哲もない道端の花🌼ですが、こちらで色味の印象を左右させていきます。

画像2

「明暗別色補正」はこちらの場所にあります。
上から3番目のタブ内の一番下にプルダウンメニューで存在します。
下にある「ハイライト」「シャドー」のパレットから色の強弱と色相を調整できます。

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「ハイライト」を弄れば明るい部分に設定した色が乗ります。
画像左上ヒストグラムをご覧いただければわかる通り、この写真はハイライト部分がかなり少ないため、ほぼ草花の部分のみに設定した色が適応されます。
そのため、画像のように黄色い花弁に合わせて強調するような色相を設定すれば、より花の部分が際立つ写真になります。赤い色を設定すれば花弁が橙色になり、いつもと違う花の表情を見せることができます。

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一方こちらは「シャドー」に色を加えたものになります。
画面の暗部に適応されるため、ローキーな上の写真では全体的に色が乗っているのがわかるかと思います。暗めなのでしっとりとした絵面になるよう、青を少し加えています。写真全体が緑主体のため、青を加えることで青緑っぽくなり、映画調で暗めの独特な雰囲気になっています。

画像5

1枚にまとめてみました。
上からデフォルト、ハイライト、シャドーの順です。
こうしてみると、独特な雰囲気を持つのはやはり「シャドー」だと思います。
ただ、並べてみて違和感があるのも「シャドー」。ハイライト側では46とかなり色を乗せてもデフォルトと大して変化がないように見えますが、シャドー側では18でもかなり表情を変えているのがお分かりかと思います。

このことから、ぱっと見で独特な色味を出したいときは
「写真全体が明暗どちらが強いかを加味して、強い方にアクセントカラーを加える」
ことで特徴的な色味を出すことができる、と考えます。

画像6

ちなみに私ならこういう色合いにします。
全体として違和感なくしっとりした雰囲気を残すためにシャドー部はほんの少量青緑を加え、ハイライトで花の色合いを強調。花の存在感を引き立てるように調整しました。

いかがだったでしょうか。
今回のように明暗部の強弱がきっちり分かれる場合は「強い方で全体の雰囲気を出し、弱めの方で部分的に調整」などもできるので、両方を上手に使って他の人には出せない自分だけの色を作り上げてみましょう。
では、また。
                                 Tetsu.I

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