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紅茶

この間、寺カフェを「アフタヌーンティ」をテーマにして開いた。私はもっぱらセッティングを担当し、食べ物類は裕美子さんが担当してくださる。彼女は夫さんと共にニューヨークで13年間もレストランを経営してきた人だ。テキパキといつもカッコいい。

今回、彼女がきゅうりのサンドウィッチとリンゴのムースを作ってくれた。私は粉物大好きなので、珍しくスコンを担当した。

このきゅうりのサンドウィッチが絶品で、パンにきゅうりを挟んだあと、硬く絞った濡れ布巾に包み一晩、冷蔵庫に入れ、次の日にオーブンで布巾ごと焼くとのこと。パンの表面がいい感じにしっとりパリっとする。

紅茶もすごくおいしかった。大き目のポットに人数分プラス1の茶葉を入れて、沸騰したお湯を注ぐ。茶葉が対流の中で動き回るのを楽しんでから、ティーカップに注ぐ。ミルクは直接温めないで、ミルクポットを熱湯で温めて、そこに注ぐのだとか。何回もお代わりして、みんなでおしゃべりしながら楽しい時間を過ごした。

初めてアフタヌーンティを体験したのはバンクーバーだった。思えば40年前だ! シアトルの母の知り合いのところに遊びに行ったときに「アフタヌーンティをしに行こう」と誘われパスポートを持つように言われた。一体、アフタヌーンティとはなんぞや、と思いながら結構な時間、車をぶっ飛ばして国境を越え、お城を改装したホテルまでたどり着きご馳走になった。3段重ねのお皿に見惚れ、初めて食べるスコンがむちゃくちゃ美味しくて、クロテッドクリームもそのとき初めて知った。

そうそう、お茶の時間の描写で思い出すのが一つは「鏡の国のアリス」だけれど、もう一つは「続・足ながおじさん」。孤児院を任されたサリーが仇敵(男子)をお茶に招き、膝の上にナフキンを広げカップとソーサーを置いて、さらにサンドウィッチだったかを渡されてすごく注意して飲んでいるのを描写するシーンがなんとも印象的。わかる、わかる、困るよね、あの状況って。

コーヒーがこんなに一般的になる前、もっぱら紅茶がケーキやクッキーと一緒に飲む飲み物だった。おやつに買ってきたお菓子というのが出てくることはほとんどなく、毎日、母親が作ったクッキーとかロールケーキとかプリンとかフルーツケーキとかピロシキとか。おいしかったなぁ。紅茶と合うんだよね、このお菓子たちが。

そういえば、ソーサーが無いとなんとなく落ち着きが悪い感じがしていたものだけど、いつの頃からかマグカップだけで気にならなくなったんだなぁ。

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