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【連載4】結婚したくてしょーがない20代女から、大恋愛を経て、結婚なんてどーでもいい30代女になったはなし

私は柄にもなく緊張して、彼も緊張していて、めちゃめちゃ気持ちいいって感じじゃなかったんだけど、とにかくほっとして、やっと一つになれたな、と思った。変だけど、この人と寝ることはすごく自然なことだった。

でもやっぱり私はそれでも(元?)恋人が好きで、完全な別れを選ぶ勇気はなかった。この後に及んでなんでだって感じだけれど、どうしても選べなかった。新しい彼には、次はいつ会えるだろうねとか話して、さよならの手紙かなんかを渡して、別れた。今思えば手紙とかだいぶキモいんだけど、泣きながら書いたのを覚えてる。

次の日、(元?)恋人がうちに荷物を取りに来た。元恋人はカンの鋭い人で、私と一緒にいる時間も長かったのもあって、何かがあったことを察していた。

私は誤魔化して、ヨリを戻そうとした。いろいろやり取りがあったあと、昨日何かあったでしょ、と問われて、嘘付けなくて、正直に告白した。同僚のなんとかさんと寝た、と。

同僚のなんとかさんも元恋人も私の同僚なので、なんとかさんと元恋人も同僚なわけで、それどころか隣の隣の席で、二人は同じプロジェクトに携わっていた。どう考えても私は最低だった。

でも、恋人は怒らなかった。私にも、同僚のなんとかさんにも。そうか、じゃあ終わりだね、と悲しそうに言った。

私は泣いてすがった。泣いてすがって、引っ越しが終わって空っぽになった部屋で泣きながらやった。痛いとか痛くないとかわからないけど、離れたくなくてとにかく必死だった。「この人がひとりぼっちになっちゃう」と、なぜか思った。

そのあとなんとかかんとか引っ越しをして新しい会社に入社した。しかし私は見る目がなくて、思ってた仕事と全然違って雰囲気も悪くて、全然よくなかった。恋人と別れた(?)苦しみと、浮気(?)をした自責感と罪悪感と、新しい彼に会いたい苦しみと、自分の本音がわからないストレスに加えて会社がイケてなくて、急速に精神を病んだ。

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