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親の役割をはみ出すな


 子どもの幸せを思う気持ち、なんだろうけど。

 私は子どもを預かりものだと思ってる。
子どもが自分の人生を歩み始める時、まだ生物的に未熟で自分で栄養補給が出来ないから、私たちが生きるためのサポートをする。

 歩き始めて、言葉を話し始めると、今度は何かしらの能力を身に付けさせたいと願う。いろいろな情報のせいでもっともっとが膨らんで、こうすればもっといいはず、ああすればきっと...と自分の知っている限りの情報で、その子に良いであろうと思うことを、ひたすら与えようとする。

 そこで、ふと立ち止まる。
いや、この子はいずれ私の元を離れて自分の道を歩む人。
「あなたは寮母だ」と自分に言い聞かせる。
しっかり食べさせて、挨拶して、落ち込んだら話を聞いて、その子が自分で踏み出せる心の栄養をつけて。それがあなたの仕事。
そこから先は、子どもの興味。したいことがあったら、出来るだけさせられる様にサポートしよう、それくらいの気持ちで。

 あとは「さぁ、お行きなさい」とその子が選んだ道へ送り出す。その先の苦労はその子のもの。泣いて帰って来たら、背中をさすって美味しいもの食べさせて。心と体に栄養をつけてまた送り出せば良い。

 そういう気持ちでいないと、私たちは自分の役割をはみ出してしまう。「親ならこうすべき、あれをさせるべき」そういう情報が氾濫しているから。でも、そしてその情報は何のためにあるかというと、あなたの子のためではなく、その情報を発信する会社や塾、学校のためのもの。

 私たちは目の前の子どもにフォーカスしながら歩むべき。誰かのための情報に振り回されてはいけない。したいことよりも、誰かが決めた「こうあるべき」に決めさせるなんて。淋しすぎる人生だ。

 そして私たち自身も、自分の人生を見つめるべき。
子どもの人生を乗っ取ってはいけない。自分のものにしてはいけない。

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