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「変な英語教師」の日常

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「変」というと語弊があると思うのですが、インパクトをとって「変」という言葉を使っています。子どもたちからも「先生って変」って言われます。これは「変わってる」って意味だと思います。… もっと読む
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#子育て

波に乗れる子を育てるには

波に乗れる子を育てるには

 なんだか、子どもたちが毎日呪文を浴びせられている気がしてならない。

「もっとできるはず」
「お前ならこの学校に行ける」
「一体どうしたの」
「すぐ楽な方ばかりいっちゃうから」
「ちゃんと本も読まないと」

 言葉だけ見ると当然のアドバイスの様にも捉えられるし、激励の様にも見える。でも比べられ、過度にけなされ励まされする中で子どもたちの思考はストップして自分の価値はこの程度、って決めてしまう。う

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ひとり花見

ひとり花見

 我が子の入学式に出ることと、生活環境のサポートのために東京へ。まだついていなかった照明器具を取りつけたり、冷蔵庫や洗濯機の受け取りを一緒にしたり、近所の美味しそうなお店を探検したりして帰ってきた。

 大学も行って良かった。とても素敵な環境で、定番の「入学式」看板の前での写真撮影の時も前後の方々と写真の撮り合いっこをした。素敵な親子ばかりで、とりあえずホッ。

 それと共に出てくる感情。安心感ば

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子どもに自分の人生を被せない

子どもに自分の人生を被せない

 受験シーズン。私が絶対になりたくない大人の像がある。
それは、子どもに自分の夢を被せる親。先生。

 例えば「うちの生徒が○○高校(この辺りで一番偏差値が高いと言われる高校)に、○人受かりました」とか「うちの子の大学は...」とかを自慢気に語る様にはなりたくない、ということ。
でも、その行為自体を否定もしないし軽蔑もしない。
 親として、先生として、その気持ちは十分理解出来るから。そんな子を少し

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頭をぐるーんと

頭をぐるーんと

時々頭をぐるーんとひっくり返すことがある。
わざと。

特に腹が立った時。
頭をぐるーんとひっくり返して、
腹が立った相手に乗り移ってみる。

そういうつもりじゃなかったんだよ、
恥ずかしくてできなかったんだよ、
お腹が痛くてできなかったんだよ、
とても心にそんな余裕がなかったんだよ、
助けて…

そうしてる間に怒る気持ちはなくなって
自分が恥ずかしくなることが多々あって。
繰り返している間に、腹

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昔話のお隣さん

昔話のお隣さん

 イチローさんも警鐘を鳴らす、という見出しで「大人に叱ってもらえない」Z世代を描いた記事があった。ハラスメントなどで周りの目が「厳しい指導」に対して厳しくなってしまったという話だった。一方で、この記事の関連に大谷翔平さんや藤井聡太さんのお母さんが否定的な言葉を使わない、という記事もあった。子育て中の読者がそこから得るものはなんだろう、と考えた。

 教育業界に20年近く携わる中で、私は1000人以

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大人の悪知恵、脅しと比較

大人の悪知恵、脅しと比較

 教育業界の端っこにぶら下がってる。自作のブランコで。
ここから眺めていると、大人のいろいろな所業が目につく。私はどんな教育現場も尊いと思っているけど、子どもの目を通して見ると危険がいっぱい。

 皆さんもごぞんじの通り、子どもはいとも簡単に洗脳出来る。だって、最初は大人を信じているから。でも大人が子どもたちを洗脳出来たと思った時、子どもたちは本当は洗脳されたのではなく全部知った上で諦めているのだ

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慰めの言葉〜懺悔〜

慰めの言葉〜懺悔〜

 最近身内が亡くなった。今まで親族、友人、いろいろな人を天国に見送ってきたが、一番亡くなるまでずっと一緒にいた方だった。淋しさはあるけれど、ある意味この世と天国が地続きであるかの様な親しみが湧いたのも、今回初めてのこと。

 そんな風で、いろいろな感情で目の前が曇ることなく、意外と私の頭の中はクリアだった。そこで感じたのは「ことば」のこと。
基本的にどんな言葉もありがたかった。人それぞれの発する言

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誰だって甘えたい

誰だって甘えたい

 たまたま時間があったので、最寄りの大きな駅のたくさん電車が見える展望デッキの一角でパソコンを広げて仕事をしていた。土曜日ということもあってか、小さい子どもの手を引いた家族や親子が電車を眺めたり、そこに設置されている電車の模型などを眺めている。この人たち、みんな電車が好きなのかな…否、わざわざ土曜日に駅で電車の模型観るより家で寝ていたい大人なんていっぱいいると思う。敢えてよそ行きの服を来てわざわざ

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大人こそアップデート

大人こそアップデート

 教育に携わっていると、子どもたちのみならずおうちの方、先生方などいろいろな方と交わる機会がある。その中で感じるのは、子育てや教育に携わる大人がいつも抱えている不安が大きいこと。大人はその不安で動かされていると言っても過言ではない。

 私は小さな英語教室を運営する、一英語講師。私にもかつては不安があった。「生徒の成績が上がらなかったら、私の責任」「ちゃんと出来る様にしてあげなきゃ」「他の英語教室

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あだ名禁止。匂いのする消しゴム禁止。

 あだ名が良いか悪いかは、知らない。
他の道具と一緒で、使い方によっては良い使い効果にもなるし、悪い効果にもなる。それだけのことって気がする。全部。

 だから、知るべきは「禁止して終わり」じゃなくて「どうやって使うか」だと思う。

 この文章の中にあった「極端なリスク回避志向」はそこかしこで感じていること。匂いのする消しゴム禁止。色のついた消しゴム禁止。キャラクターの筆箱禁止。授業中のお茶、トイ

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"ありのままに今を輝く"

"ありのままに今を輝く"

 尾木ママこと尾木直樹氏の講演会に出かけてきたので、メモを残しておこう。

 テレビで活躍している様子を拝見していて、言葉の強さがあるのに柔らかくきちんと届く様に伝える方だな、と思っていた。先日観た映画 "夢みる学校"の中で語られていたことも心に響いたので、隣町に尾木さんが見えるという情報を得てすぐにチケットを購入した。

 講演は市の"男女平等推進センター"主催行事の一環として行われた。タイトル

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子どものことは子どもに聞け

子どものことは子どもに聞け

 英語教室で、私は下は0歳から上は一応中学生で送り出す様にしている。(その後ご要望があったら、その先もう少し続く…) だから、同じお子さんの成長の根っこの時期を十数年、かなり長い間一緒に見守らせていただくことになるのだ。

カオスの中の英語はリアル

 幼児でやってきて、教室の中を歩き回ったり突如ゴミ箱の上に立っていたり。トイレに行ったかと思ったら全然出てこない…水道がいつの間にか出しっぱなし…英

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先生だけど"勉強"嫌い!

先生だけど"勉強"嫌い!

 私は"勉強"が嫌い。英語の先生を20年していても、断言出来る。
「勉強キライ!」

 でもそれを言い続けてたら、考えることを忘れてた。
"勉強"ってなんやったっけ?

言葉って意外と大事

 20年の間にたくさんの子どもたちと出会って、観察して、我が子を育てて…その間に単純にみんなが唱える「勉強」って言葉ってなんやろ、って思い始めた。そういう言葉ってないですか。「思いやり」とか「仲間」とか「絆」

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「失敗させない」んじゃなくて、「した時どうするか」じゃない?

「失敗させない」んじゃなくて、「した時どうするか」じゃない?

子どもたちが小さい頃、時々「学校のプリントが無くなっちゃった〜!」と泣いていた。「ノープロブレーム、こうすれば大丈夫」と、元のプリントを真似て一緒にせっせとプリントに似た物を作っていた…

 …そして数年後。「あ〜!〜の申込書が無い〜!」と言う私に子どもたちが冷静に「作ればいいじゃんっ!」うむ、なるほど。ブーメランみたいに返ってくるもんだな。

 お茶碗割るのも、お味噌汁こぼすのも、仕方ない。でも

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