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「変な英語教師」の日常

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「変」というと語弊があると思うのですが、インパクトをとって「変」という言葉を使っています。子どもたちからも「先生って変」って言われます。これは「変わってる」って意味だと思います。… もっと読む
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2019年10月の記事一覧

HSP/HSS先生の毎日②〜クラスの色が見える〜

 小学校で英語の補助講師をしていた時、計5つの小学校の百を超えるクラスで数十名の担任の先生とティームティーチングをした。私がすべきことは、自分の方法で授業を進めるのではなく、出来るだけ担任の先生やクラスの雰囲気、興味に合った内容で英語への楽しいアプローチを考えながら進めることだった。私にとっては、それは朝飯前。その人が何に不安を感じて、何を楽しいと思うのか、どんな方法が嫌いでどんな方法を好んでいる

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HSP+HSS先生の毎日①

 HSPという言葉を知ったのはこの一年以内。生まれて四十数年が経ったある日のこと。生徒のことが気になって、いろいろな性質を調べている中で知ったその言葉、その意味を読み解く間にそれは自分のことだと気付いたのだ。

 HSP(Highly sensitive person 〜高度な感覚処理感受性〜)とは、その言葉の通り、ザックリ言えば感性の強い人達のこと。人に起きた事件でも共感して落ち込んでしまったり

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HSP/HSS先生の毎日④〜言葉がけ〜

 不登校と言われる子どもたちへの対応のまずさに、呆れることが多々ある。先生方を責めるつもりはないけれど、最初は「子どもに携わるプロとして、なぜその言葉が出てきたんだろう」と不思議で仕方なかった。
 例えば、学校に数日来ていなかった子が久しぶりに来て、短時間で帰る時の声かけとして「もう帰るのか」は、わかりやすくNG。その言葉がきっかけでまた学校から足が遠のく、というのはよく聞く話だ。

 自分の特性

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HSP/HSS先生の毎日③〜レッスンの締めは大切に〜

 HSP(Highly Sensitive Person)の特徴の一つに「共感性」というものがあります。相手が何をしたいのか、何を求めているかを意識せずに考えてしまうのです。自分の感情よりまず人の感情に心を留めてしまうのが特徴。
なので、楽しく会話をしている時も「あの子が笑っていない」とか「この子が苦い顔をしてるから、この話題は苦手なのかも」と思うことがあります。
私が言葉がけに気をつけることや、

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ある間違った小学校英語

小学校英語が始まってから、授業の方法がいろいろ言われる中、楽しいばかりの授業でいいのか、またゲームばかりで終わってはいけない、などという意見が多かったのを覚えている。
 そういう方に問いたいのだが、あなたは学びの楽しさを知っているのか。funはinterestingに変わる可能性を十分に持っていて、素晴らしいのはfunやinterestingは自発的な学びに繋がるということをご存知か。楽しいこ

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AIに出来ない指導

AIに出来ない指導

 息子が家を出る時
「遅刻しても良いからとにかく気をつけて」
と言う、と言うと「いやいや遅刻はダメでしょ」と言う方がいるとすれば、そこが問題。ここではそんなわかりきった言葉はなく自分の身を守るのが最優先だと伝えたい親心にフォーカスして欲しい。

 彼は元々「遅刻を気にして慌てる子」なのだ。
「遅刻を良いと思っている」のとは正反対の子なのだ。

 指導の答えは一つじゃない。人によって、またタイミング

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アクティヴなレッスン

 英語教室低学年クラス。週に一度のレッスンに通い始めて5ヶ月目。アルファベットをゲームしながら覚えて、色や動物、挨拶など生活の中で使う語彙も増えてきた。フォニックスで文字を見当をつけながら読むことも少し始める子もチラホラ。私はそんなに慌てていないけれど、毎年秋くらいにこの定着振りと英語への親しみ振りに感動する。子どもたちは毎回ゲームをしている感覚だと思う。でもそれぞれのゲームや活動の中に英語が定着

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今早急に必要な力と、環境

 私が気が合う先生仲間と話しているといつも出てくるのは、「受け身の子が多い」という話。本当に今増えている。学力はさほど伸びていないけれど、更に自分で考え判断することが困難な子が増えている。否、どんなにクリエイティヴな子でもそれを発揮する場が全くなく、むしろそれを押さえ込まれる状況がある、ということに最近本当に疑問を感じている。日本の教育は一体どんな人を育て、どんな未来を描こうとしているのか。教育改

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幸せを運ぶ言葉

幸せを運ぶ言葉

 私自身、子どもを育てるまでの間にも塾や英語講師を経験していたので、自分が子育てをする時には「是非これをやってみたい」と思うことがいくつかありました。
一つは子ども達に急いで欲しい時に、「急いで!」「早く!」という代わりに『ゆっくりで良いからね』『待ってるからね』と声をかけること。面白い事に、「急いで」と言った時と同じスピードか、それよりも早いことが多かったのが興味深い結果でした。一番違うのは私自

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民間英語教師から見た日本の英語教育の失敗

 言葉やコミュニケーションを指導する立場で自分自身も言葉をとても大切に思っているので、日頃は言葉の使い方を丁寧にと思っているが、今回は敢えて「失敗」とタイトルをつけた。2019年秋のこの時点で、2020年からの大学入試改革に向けた英語教育改革の失敗は見えている。民間の一英語教師の目から見たその経過や原因、今後出来るであろう軌道修正について考えてみよう。

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摑み取れ。 〜日本で英語習得の難しさ〜

 ずっと頭の中にグルグル回っていることがある。いくら考えても答えは出ないし、解決法なんてもっと出ない。それは何かと言うと…

 なぜ日本人は英語が話せないんだろう。

 ということ。私自身、大学で英語学科を終えて教員免許もバッチリ取ったのに、卒業する頃「英語を話せる様になりたくて英語学科に来たのに、未だに挨拶程度だわ。」という絶望感に悩まされた。周りの人の「英語学科卒なら英語話せるよね」というプレ

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