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「変な英語教師」の日常

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「変」というと語弊があると思うのですが、インパクトをとって「変」という言葉を使っています。子どもたちからも「先生って変」って言われます。これは「変わってる」って意味だと思います。… もっと読む
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2019年9月の記事一覧

笑って学んで

笑って学んで

 あぁ〜楽しかった。月に一度の中学生スピーキングレッスン。

 私の教室は、私自身がスピーキングに特化したいという理由で、幼児や小学生から通っている子どもたちが中学2年生になった時点で卒業をさせることにした。受験対策の英語レッスンを止めたということ。中学生になるとどうしても興味は「受験」に移ってしまう。それは当然のことだから私はなんの反論もない。だから、受験対応をしてくれる塾などは幸い私の教室の周

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手段の目的化〜教育あるある〜

「目的」を見失ってはいけない。
そう言われてもピンとこないので、例え話を。

 あなたは、ダイエットをしようと決めました。みんなが良いというから毎日5キロ走らないといけない、と思い込んで無理して走るけど、もちろん続かない。

 気がつくと「ダイエット」という目標は消えて、「5キロ走れなかったから、自分はダメだ」となる。
「みんな出来ているのに、自分だけできなかった」

 いやいや、目的に立ち返れば

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ひっくり返せ

 2020年度の大学入試改革のすったもんだを見ていて、ふと思い出した。

 私は日本生まれの日本育ちだけど、幼い頃からずっと違和感の中にいた。人が当たり前だと思っていることでも、いちいち「なんで?」と理由を知りたがった。黙って従うことが、気持ち悪いと感じていた。
でも、「黙って従う」のが当たり前の学校生活だったので、そのまま違和感まみれで十代を過ごした。

 大学を卒業する頃、私の違和感がムクムク

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想いの詰まった時間

想いの詰まった時間

 先日とても素敵な授業を見た。今年からご一緒している私の教室のスタッフの授業。彼女は小学校教師の経験を経て海外に渡り、英語教師としての新しい一歩を踏み出すことを意識して、私のところに来た。私のささやかなつぶやきに共感して、遠いところからご連絡をしてきた、という不思議な経緯。でもそれがあったので、この方は私と想いが同じ方なんだ、という安心感はあった。

 お会いして雑談の様にいろいろ話をする中で、そ

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賞, what?

賞, what?

 毎年恒例の合同英語暗唱大会も、今年で6回目。仲間たちと0から作ったイベントで、毎年子どもたちと一緒に成長し続けるとても愛おしい大会。一緒に作り上げてきた仲間も私が心から敬愛する方々。子どもたちを包む温度が一緒だから、こうして優しく温かく一緒に歩んでこられたんだと思う。

 大会だから、もちろん賞がある。各部門賞を設けて、プロの英語教師を審査員に迎え審査をお願いする。日頃は「自分のペースで学ぼう、

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テストに振り回されるな

 生徒がある程度の年齢(高学年)になったら、いろいろな話をする。

 私は子どもたちを「子ども」としてだけではなく、「自分の人生を創る一人の人」として扱うので、英語の学び方を一緒に考えるのだ。

 そこで話すのは「英検2級持っている=話せる人」は現状成り立っていないけれど「英語を使える人=英検2級取りやすい」は成り立っているということ。私の周りを見渡すと、そういう例は多い。

 今、大学入試制度で

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私の世界の広げ方

 私の仕事はフリーランスなので、人と交わることは自分の希望する範囲内に収まるのだけれど、時に大きな団体内で仕事をする時は、心がけていることがある。それは、自分がきっと苦手だろうなと思う自立した人と積極的に交わること。と言うのも、私が苦手だと直感する人はきっと私とは違う世界を持っている人だから。そしてなぜわざわざ「自立した」というかというと、群れをなすのが好きな人は私を群れに加えようとするから。

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今日の成果は、背中に見る

今日の成果は、背中に見る

 ある学校教育に携わった方に言われた言葉が、心に残っている。
私が「レッスンの帰り道の、子どもたちの様子を見てその日のレッスンがよかったかどうかがわかる」と言ったことが新鮮だった、という話だった。
私にとっては教室を始めてから十年間、それが当たり前の指標だったから改めてそう言われて、不思議な気持ちだった。

 レッスンが終わった後、子どもたちを教室の外で見送る。笑顔で何度も"See you!"とか

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アクティブ授業の作り方

アクティブ授業の作り方

 私の授業を受けている人たちは薄々感じていると思うけれど、私はすぐに答えを言わない。最近はそんな授業が増えてきているかも知れないが、私が受けてきた授業はそもそも質問自体が飛び出さないし、先生の問いかけも高圧的だったり抽象的だったりすることが多かった気がする。答えるのも怖いような。

 私の授業では、授業をいつでも止めて良いということにしている。ただそう伝えるだけでは、「授業の流れを止めてはいけない

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「普通」の授業

 今日は高学年クラスでちょっと遊んでみた。全員にミニホワイトボードを持たせ、いろいろ連想されるものを書いてもらう。
「6と言えばなに色?」「遠足のお菓子と言えば?」「土曜日のお昼ご飯と言えば?」 制限時間10秒。

 子どもたちは「え〜?」と言いながら最初は戸惑ったり、"No."と書く子もいたりしたが、段々頭の回転に拍車がかかって、書くスピードも早くなってくる。そこでどんな答えが出るか?私も想定し

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