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【決算を読む習慣】

この本を読むと、決算書のすべての数字を拾い上げる必要はないことがわかる。ビジネスモデルごとの主要な指標にフォーカスすれば、その事業の好不調を明らかにすることは簡単。どの指標が重要で、その数字を決算書からどのように拾い上げるのかについてがわかる。

1.はじめに

『素人でも読める、決算書の読み方』

決算書類の中でも「決算短信」は専門的で読みにくいため、「決算説明会資料」から読んでみるのがおすすめだ。図やグラフが豊富で文字数も少なく、読みやすくまとまっている。

決算書を読むうえでは、最初にビジネスモデルごとの収益構造を理解しておく。売上に貢献する指標を押さえておくと、その推移を見ることで会社の動向がわかるようになる。業界平均など主要な数値を覚えておけば、競合他社との比較も簡単である。

決算書に慣れるために重要なのは、とにかく読む「量」を増やすことだ。いろんな会社の決算書を読むより、同じ会社の決算書を四半期ごとに順を追って読み続けるのがいいだろう。そうするうちに、その会社のビジネスの行く末が、自分なりに予測できるようになっていく。

2.ECビジネスの決算書の読み方

『eコマースのビジネスモデル』

eコマース(EC)ビジネスには、「直販型」と「マーケットプレイス型」がある。

『直販型』→Amazon 

『マーケットプレイス型』

→楽天市場(店舗出店型)やメルカリ(フリマ型)

ECビジネスの収益構造を公式で表すと、「ネット売上=取扱高×テイクレート」となる。「ネット売上」はEC取引におけるサービス運営側の取り分で、「取扱高」はグロス売上のことだ。「テイクレート」は取扱高100に対する売上の割合を指す。

「直販型」は、取扱高が大きくなるほど仕入れの際にボリュームディスカウントがきくため、スケールメリットのあるビジネスモデルだ。前述のとおり、Amazonはまさにこのパターンで成功した。

一方、「マーケットプレイス型」の特徴は、出品者の増加→出品数の増加→「場の魅力」の増大→購買者の増加という流れをたどることだ。これを「ネットワーク外部性(ネットワーク効果)」という。初期段階では出品者数を増やすために出品者側の費用を抑えた価格設定をとり、会員数が増えて「場の魅力」が十分に高まったところで、値上げをするという戦略だ。

『Yahooショッピングのポテンシャル

「マーケットプレイス型」のネット売上は、「出店料」「売上手数料」「広告掲載料」の3つで構成される。楽天市場の決算を見ても、それぞれバランス良く収益を上げていることがわかる。

Yahoo!ショッピングも当初、これと同じ料金体系でやっていたのだが、後発であったため、規模を大きくすることができないでいた。そこで2013年に打ち出したのが「eコマース革命」である。出店料と売上手数料の無料化に踏み切ることで、出品者と出品数を増やし、「場の魅力」を高めて広告で稼ぐビジネスモデルにシフトしたのだ。

なお、ヤフーの2015年10‐12月期決算におけるショッピング関連の取扱高は1453億円だった。テイクレートを楽天市場と同程度の7.1%と仮定すると、ネット売上は103億円になる。これは、Yahoo!ショッピングの広告収入が103億円くらいあってもおかしくないことを意味する。

3.fintechビジネスの決算の読み方

『fintechのビジネスモデル』

FinTech(FinanceとTechnologyをかけ合わせた造語)のビジネスモデルは多岐にわたるため、その収益構造をひとつの公式で表すことはできない。そこで、FinTechビジネスの機能別に、収益が「ストック」と「フロー」のどちらから得られるかという視点で整理したい。

たとえば、「お金を預かる機能」を提供する場合は「売上収益=預金残高×金利」と表すことができる。この公式から、預金残高という「ストック」が重要な指標だとわかる。

同様に、「お金を貸す機能」を提供する場合は「売上収益=貸付残高×金利」と表すことができる。つまり、貸付残高という「ストック」が重要な指標になる。

また、「決済・送金をする機能」を提供する場合は、「売上収益=取扱高×手数料パーセント」となり、取扱高という「フロー」が重要指標となってくる。

『ZOZOのツケ払いの実態』

「EC×FinTech」の興味深い事例。それはファッションECサイトZOZOTOWNが2016年11月にリリースした「ツケ払い」サービスだ。

これは、ZOZOTOWNの商品代金(一人あたり与信限度額5万4000円)を最大2カ月延長して支払うことができるサービスで、クレジットカードを持っていない若いユーザーをターゲットとしている。

最大の特徴は、クレジットカードのリボ払い手数料が「年利」で定められているのに対して、ZOZOTOWNは「1回あたり324円」と固定にしていることだ。比較しやすいように年利換算すると、次のようになる。

2016年10-12月期決算からZOZOTOWNの出荷単価を1万143円と割り出し、「ツケ払い」の出荷単価も同程度だと仮定して、買い物代金に設定する。この支払いを2カ月後にすると、手数料は一律324円なので、金利は「2カ月あたり3.19%」である。

これを複利で年利換算すると、なんと「20.76%」という非常に高い金利だ。換言すれば、「ツケ払い」は「年利20.76%のリボ払い」とほぼ同じ金融商品というのが実態なのである。

しかも、ZOZOTOWNはファッションECサイトなので、商品配送に必要となる住所や氏名を偽ることがほぼないと考えられ、貸し倒れリスクをより正確に見積もることが可能だ。すでに述べたとおり、貸し倒れリスクをコントロールできている範囲内では、短期間に高い金利でお金を貸すビジネスは高収益事業となる。



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