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錬金術について簡単にまとめてみた(^^♪ その2

どうも。namihiroです。

本日は錬金術の歴史についてちょっと踏み込んで書きたいと思います。

前回は世界史と錬金術をからめて投稿しました。
古代ギリシャの”物質哲学”とメソポタミアの”冶金技術”がヘレニズム文化の誕生とともに融合し、錬金術が生まれたというお話をさせていただきました。
本日は少し踏み込んで、錬金術の誕生後から近代化学の入り口までをまとめていきたいと思います。

本日の記事は歴史に沿って書いていきたいと思います。
錬金術の歴史が古い順番に、エジプト錬金術、イスラム錬金術、西ヨーロッパ錬金術についてまとめていきたいと思います。

エジプト錬金術

冒頭でお伝えした通り、錬金術は古代ギリシャ文化とメソポタミア文化の交差点で生まれたヘレニズム文化とともに誕生します。
ヘレニズム文化の中心地は古代エジプトのアレクサンドリアだったと言われています。
余談ですが、都市アレクサンドリアの名称はヘレニズム文化誕生のきっかけとなったマケドニア王国のアレクサンドロス大王が由来だそうです。
古代エジプトでは冶金技術が発展していたため様々な金属を取り扱っていたと言われています。鉄や銅はもとより金や銀、白金などの貴金属も精錬し武器や装飾に使用していました。最初に古代エジプトで生まれた錬金術は、貴金属である金や銀に別の金属を加えて増量する方法や金属による染色法などが研究されていたそうです。
300年頃の古代エジプトの錬金術師であるゾーシモスやマリアは膨大な著作を残したとされます。面白いのは、この時点では錬金術には人体錬成や賢者の石などの単語は登場せず、ひたすらに新たな金属の錬成や金属の増量、染色などの研究を行っていたようです。

イスラム錬金術

7世紀頃、古代エジプトの錬金術は古代ギリシャの様残な哲学とともにイスラム世界に伝搬しました。
イスラム錬金術で有名なのは、8世紀頃にバクダードで活躍したジャービルです。ジャービルは化学、薬学など中心に様々な分野で400以上の著書があるそうです。
特にヤバいのは酸の発見です。
・塩酸、硝酸、硫酸の精製法と結晶化法
・金などの貴金属も溶かす王水
・有機酸であるクエン酸、酢酸、酒石酸
などめっちゃ発見してます。もう意味が分かりません(; ・`д・´)
しかも、蒸留装置やアルカリの概念も発見しています( ;∀;)
マジ天才ですよ(;´∀`)
イスラム錬金術では、9世紀に硫酸やエタノールを発見したラーゼスや10世紀に金属の原子の考え方を提唱したアウィケンナなど天才が何人もいます。
こうしたイスラム諸国の天才たちにより錬金術は発展していきます!
また、経緯は定かではないのですが、イスラム錬金術の中で賢者の石の存在や人体錬成に関する考え方も少しずつ生まれていきます。

西ヨーロッパの錬金術

西ヨーロッパが十字軍遠征の失敗によりキリスト教支配から解放されて以降、イスラム諸国の文献が徐々に西欧に紹介されていきます。12世紀には錬金術も西ヨーロッパでひろく知られるようになりました。
イスラム錬金術の発展により硫酸・硝酸・塩酸などの化学薬品や実験道具が多く発明されました。
イスラム錬金術で生まれた賢者の石の考え方は西ヨーロッパに伝わり、研究者がゴールドラッシュのごとく探し回ったそうです。
一方で、アルベルトゥス・マグヌスのように「錬金術をおこなったが金、銀に似たものができるにすぎない」と言って錬金術を批判する人物もいました。
17世紀後半になるとロバート・ボイルが四元素説を否定し、ラボアジエが33の元素や「質量保存の法則」を発見します。
これにより錬金術は科学的要素が強くなり、科学としての化学へ進化していきます。
ロバート・ボイルやラボアジエについては別に記事をしっかりと書いていきたいと思います。

錬金術はその辺の石から貴金属を生み出したり、永遠の命を作り出したり、賢者の石を追い求めたりなど、現代人から見るといかにも眉唾物っぽいものが多いです。
しかし、酸やアルカリ、化学の実験道具や実験の考え方などを発明したことも事実です。
歴史学者のフランシス・イェイツは16世紀の錬金術が17世紀の自然科学を生み出したと言っているそうですが、まさしくその通りだと思います。
錬金術が化学へ進化して以降、化学は急激に進化していきます!
次回以降はもう少し焦点を細かく当てて、化学技術についてまとめていきたいと思います。
僕は細かい現象の理解も大事ですが、その現象がどう世の中の役に立って、どういう歴史を経て発見されたのかということが重要だと思っています。
この記事で興味を持っていただけた方は是非、ご自分で詳細に調べていただければと思います。
質問やご指摘なども是非お願いいたします。ではでは(^^)/

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