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なみある?塩田気象予報士の波や天気のお話。【天気は西から東へ変わる】

冬の間くっきりと見えていた水平線も、暖かい日には少しぼやけたり、見えていた山々が見えなくなったりと、春を感じられるようになりました。「春がすみ」ですね。


うちの辺りではウグイスが鳴き始めました。カエルの声はまだ聞こえませんが、そろそろ眠りから覚める頃です。心の準備をしておかないとなりません。
地球上の生物の中でカエルが最も苦手なのに、3月になると意識しすぎて、どうしてもカエルのお話から入ってしまうクセがある気象予報士の塩田久実です。こんにちは。

3月も半ば近くになりましたが、冬将軍の勢力の弱まりとともに、繰り返しやってくる高気圧と低気圧が日本の周囲の空気を引っかき回しながら、だんだんと暖かくなってきました。

今回は、波のお話は薄めですが、天気は西からくるもんだ。(台風を除く)というお話をしたいと思います。

天気が西から東へ変わる、というのはよく知られた話ですが、これは北半球では日本やヨーロッパ、アメリカなど中緯度(30~60度)地域でのこと。

中緯度の上空では「偏西風」という、西から東へ向かって強く吹いている風が存在します。
例えば、日本からカリフォルニアなど東へ飛行機で行く(中緯度を西から東へ移動する)際に、偏西風が追い風となる往路に比べ、向かい風となる復路はフライト時間が長くなる、なんていうことがありますが、、、
この偏西風は、上空5000~10000メートル付近を地球規模の大きなスケールで年がら年中吹いており、特に冬には平均80m/hにも達します。
この風が、低気圧や高気圧が西から東へ流される力になったり、日本付近に高緯度からの寒気を流入させて低気圧が発達する力になったりする、など、日本の天気におおいに関わっており、天気は西から東へ流れるように変化していきます。
ちなみに、偏西風はざっくりいうと地球の自転によって作り出されています。

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↑は3月に入ったここ最近の天気図です。
低気圧や高気圧は、偏西風に流されて大体30~40km/hぐらいの速度で、1日に1000kmほど進む場合が多いのですが、この天気図を見てみると65km/hでも進む低気圧もありますね。

低気圧も高気圧もいつも同じとくらいのスピードで進んでいるわけではなく、偏西風を含め、地球上の様々な大気のその時の状態によって、ゆーっくりと移動する高気圧もあれば、エッ!?というぐらい予想外に早く通過していく低気圧もありますが。
天気が崩れるのも回復するのも西から始まり、徐々に東へ移っていくというパターンは、ほぼほぼ通常の流れです。
天気予報を見ても、雨マークが日毎に西へ移動しているのがわかります。

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日本付近は、大陸や東シナ海で発生した低気圧が通過する際に発達していくことが多いため、雨(雪)風が予想以上に強まることがあります。その風が海上で吹いた場合には、思ったより波が上がる!なんていうこともあるわけですね。
(ただし、必ず発達するわけでもないので、逆に風も波も予想より弱い、なんていうことも。)

春や秋は「〇心と秋の空 (春の空)」なんていう言葉もあるように、変わりやすい天気が特徴です。
天気が周期的に変わる(低気圧や高気圧が通過する)ことによって日々波も変わります。

また、一年を通して、台風以外の天気の変化は西から順に変わる動く流れはありますが、春秋に比べると、他の季節はころころと天気が変わることが少なくなります。
暑夏や寒冬、また梅雨や秋雨の時期にオホーツク海高気圧の勢力が強い場合など、同じような天気模様が居座ることもあるからです。
また、ゲリラ豪雨などの小さなスケールでの天気の変化は偏西風とは関係がありませんので、これも当てはまらなくなります。

いずれにしても、波に関連する「天気の変化」は西からやってくる (台風は除く)というお話でした。

それから、ここ最近日本のみならず南太平洋や地球のその他の地域でも大きな地震が起きています。
いつどこで大きな地震が起きるかわかりません。
海に入っている時やその前後に地震が起きた際の行動を、日頃から想定しておくことも大切なのではないかと思います。