今一番知りたいこと
卒業式シーズンが終わりとうとう4月に突入した。
毎年この時期に決まって思い出す人がいる。
それは私が高校生の時に出会った学習塾の先生、私の師匠である。
師匠のことを少し説明すると、英語の先生ではあるが、いわゆる英語の文法や読解を教える授業は決して行わないし、嫌っていた。
英語の文章でよく出てくる欧米の文化や歴史を英文読解を通して教えてくれる、社会の先生みたいな人だ。
だから、よく中学生の教科書の内容で「昨日、デパートに行って野菜やお肉をいっぱい買ったよ」などと言うような内容の英文を扱うのは師匠にとっては面白くない内容なのだ。
またなぜ師匠と呼んでいるくらい慕っているかを説明すると、大きな夢を見させてくれた人だからだ。
中学3年間吹奏楽一筋で、勉強を一切してこなかった私(偏差値35)に、
「新しい世界を見てみないか。」
「今の学力なんて関係ない。大学受験だけが下克上できるから面白いんだよ。」
と声をかけ、どんな学生にも可能性を見出し、届くはずのない夢のまた夢であるような大学を目標に掲げてくれた。
当時私が通っていた高校は、ほとんどの先生も生徒も一般入試で大学受験なんて受かるわけないと諦めていた。その為、毎年指定校推薦で専門学校や短大、私立大学に行く学生が9割を占めていた。
こうやって挑戦もせずに諦めてしまう風土や、「革命を起こしたる!」みたいな向上心が無い人を見るとがっかりして、そして悲しくなった。
だから、師匠と出会えた塾は本当に居心地が良かったし、師匠と話していると、もっと師匠みたいな面白い人と出会えるように勉強を頑張ろう!なんて思えた。
師匠との思い出話はたくさんあるが、師匠は読書をこよなく愛していることや、大学卒業後は広告代理店に勤めていた事もあったせいか、
「言葉」にとてつもなくパワーがある。
という思い出ばかり浮かぶ。
高校を卒業し、塾を辞める時に師匠からもらった言葉がある。
それは、
"Luck is a matter of preparation meeting opportunity."
"準備万端の人にチャンスが訪れることを幸運と呼ぶのだ。”
冷静な認識と明確な目的から最高の準備が整う。努力なくして希望なし。弛まぬ努力を。
休学をしていなければ卒業し社会人になる年である。
そんな私に、師匠はどんな言葉をかけるのだろうか。
”卒業”の季節になると、師匠の言葉を思い出し、そしてまた知りたくなる。
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