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丁寧に食べてみる palittte(パリッテ)

そうめん専用のつゆが切れたため、スーパーに行った。

毎度冷房が効いて肌寒いくらいの店内は、33度を記録する今日に限って弱い。
お目当ての「ヤマサ 青じそそうめんつゆ」がなかったため、スタンダードのそうめんのつゆを手に取り、野菜コーナーの大葉も手にする。

レジはそこそこ混んでいた。日曜の昼過ぎ、昼食を食べ終えてから来たのか、遅めの昼食を買いに来たのか。

レジの傍にはアイスコーナーがあった。私は普段アイスを食べない。食べても「あずきバー」くらいで、そもそも甘いものが苦手である。

しかし体調とスーパー内の温度から、アイスコーナーを通ろうとした時「こんなに暑いんだから、今は生きているだけで結構エネルギーを消費しているのでは。糖分を欲しているのでは」という思考に切り替わった。
少し吟味して1つ手に取る。

グリコから発売される「palitte(パリッテ)」は、セールで126円(税抜き)だった。100円のアイスが並ぶ中でこの金額は少し強気だと感じたが、なにより量が多いのである。チョコモナカジャンボより多い。170ml。

まだ子供舌を抜け出せないでいるため、ハーゲンダッツのような良質さは求めていない。最後に食べたのはいつだったか、食べたことがあるのかすらも覚えていないが、興味もない。

会計を済ませ、バッグに購入品を入れ、足早にスーパーを出た。
自宅まで徒歩5分、ありがたいことに、今日は蒸してはいなかった。しかし地中海性気候のようなカラッとしてもいない。多分。歩いていると早く食べたい気持ちが強まってきた。
道中、アイスは普段冷たい感覚を得るためにしか食べないが、逆にとことん味わってやろうと思った。



アパートに着いて帰宅後の儀式を済ませた後、椅子に座り正しい姿勢を取る。
自分の家はクーラーでそこそこ涼しい。早くしないと食べる気が失せてしまう。

袋を開け、カバーを外す。
パッケージには「バニラ&ショコラ」と記してあり、ソフトクリーム屋で売られるミックスソフトを想像していたが、palitteはバニラソフトにチョコで陰影を付け、固めたようであった。


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上から一口食べてみる。冷たい。慣れるまでは味わえないだろう。なんとか口の中で輪郭を探ると、バニラソフトよりも固まったチョコレートを多く感じた。

次に一口、まだ味わうまでには至らない。しかしバニラソフトを舌と歯茎で潰してわかった。思っていたより滑らかだ。
パッケージを一つ一つ見ると、種類別のところに「アイスミルク」とあった。乳脂肪分の量はアイスクリームとラクトアイスの中間。ソフトクリームほどは滑らかではない、爽やかな舌触りである。

そしてコーンから出ている部分の2/3を食べ終えた。
ここにきてバニラソフトの味がわかる。滑らかさと同様、絶妙な濃厚さを保っていた。専門店で売られるソフトクリームのような濃厚さだと完食できないだろうなと思っていた。これは丁度いい。

コーンに差し掛かる前に、ようやくチョコレートの味を感じた。甘くない。
パッケージには「カカオポリフェノール170mg入り」と表記されている。170mgが平均からどれぐらい多いのかわからないが、わざわざそう謳っているくらいだから、単体で食べてみるとさぞかし苦いのであろう。
バニラソフトの濃厚な甘みをカカオ成分豊富なチョコレートでバランスを取る。ここが一番味わうポイントだ。


コーンの中は空洞という、安いコーンソフトにありがちな詐欺まがいのことはされていなかった。
コーンは色んな環境変化に耐え、少し湿っている。
しかしモナカのように柔らかすぎず、食べているとパラパラと破片が落ちそうになる。
飽き防止のためのコーンだと思うが、この時私はかなり飽きていた。
脳が「糖分を十分に摂取した」と、信号を送ってきたのである。私はバニラソフトの甘さを裏で感じつつ、コーンのパリパリ感に神経を集中させた。

最後の一口は大きかった。
「最後までチョコたっぷり」よろしくコーンの中に詰まったバニラソフトが、私の食べる「少しずつ」に耐えられなくなり、齧ろうとしたコーンから飛び出してきた。
垂れないように急いで全部を口に入れる。コーンの先端が一番硬かった。

ごちそうさまでした。



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