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【小説】月の糸(全12話)

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「何一つ、一秒後に自分がこの世界にいるってことを保証されている命はないだろ。それが現実だ。わかってるふりして、みんな本当はわかってないんだ、自分自身の命だって例外じゃない。自分の…
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#時間

【小説】月の糸(第9話)

【小説】月の糸(第9話)

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 気が付くと、駅の近くまで来ていた。なんとなく立ち止まったのは風太郎がアルバイトをしている店の前だった。店内にはオレンジ色の灯りがついていて、ドアには〈OPEN〉の札がかかっている。しばらくの間そこに立ち尽くし、ドアを眺めていた。自分が何をしたくてここに立っているのか分からなかった。
 身動きがとれずにいると突然、目の前の扉が開いた。ジャズらしき店内BGMと客の話し声が雪崩出て

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