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対話⑥〜琵琶玲玖さん〜「一人の百歩より百人の一歩」

対話6人目は、91歳、琵琶玲玖さんです!
知り合い経由で、今回繋がることが出来ました。

これまでは、20歳以下の人との対話しかしていなかったので、初めて大人の方と話せて嬉しかったです😂(ちなみに、これまでお話してきた若者5人の年齢を足したら93歳になります。笑)

いつもは、1回の対話で3時間くらいお話をしているのですが、今回は2回に分けて、合計3時間お話させてもらいました。
2回目の時は、私の友達のSさんと一緒にお話を聞きに行きました。いつか、Sさんと対話もしたいな〜。

戦争を経験した方のお話を直接聞くことは、やはりとても貴重で私自身、深く考えさせられることがありました。
文章の組み立て方が下手くそで、載せ切れていない部分があるのは悔しいですが、この貴重なお話を一人でも多くの人に読んで欲しいと思っています。

以下対話です!

ーーー1回目ーーー

😊:今日はお忙しい中ありがとうございます。よろしくお願いします!

琵:こうやってお話を聞いてくれる若者がいて、ありがたいです。

琵:あなたが今朝、私にメッセンジャーで送ってくれた内容のことですが素晴らしいですね。学校でね。色々戦争の学習とかしていると、友達の感想によく「戦争はイヤです」とか「なくなってほしい」とか書かれてあるのを見るけれども、そもそも「どうしたら戦争が無くなるのか」「なぜ戦争は起きたのか」ということについては、誰も疑問に思わないと送ってくれてたよね。

😊:はい。そうなんですよ。

琵:そう。そこなんですよ。

😊:笑 そしてそれは、友達自身の問題というよりかは、教育のあり方に問題があるのだと思います。なんか、ビデオで戦争の光景を見ると「戦争は嫌だ」という感情にはみんななるじゃないですか。でも、それで終わってしまうというか。どうしても、ビデオだけでは戦争が遠く感じてしまう。

もっと「なぜ」を考えて、「自分事」として学ぶ空間が大事だと思うんですよね。

琵:うん。本当ねー。

私が中学一年生の頃に、戦争は始まりました。その当時は、「なぜ」戦争が起こったのか伝えられてもいないし、わからなかったんですよ。

中学校の入学試験は何かというと、太平洋の地図に印がついてあって、「ここで日本軍がどういう戦果をあげたか答えなさい」。それで、上手く説明することができたら合格でした。

後、小学四年生の時に、先生に「教育勅語を暗記しなさい」と言われました。中学生では、厚い「軍人勅語」を暗記させられました。暗記しなかったら、軍事教官にぶん殴られる。常に、「アメリカは悪いやつだ」と言われて、私達は「お国の為に命を捧げてまでも戦わなければならない」と徹底的に洗脳されました。

😊:そうなんですね…
戦争が終わってその洗脳が嘘だと分かった時、琵琶さんはどのように感じましたか?

琵:いきなり、今まで生徒を平気でぶん殴ってた先生が「俺は民主主義だ」とか言い出して、ポカンとしちゃってね。戦争に日本が勝つと思っていたのに負けるし、日本の戦争は正しいと教わられてきたのに間違ってたって言われる。信じていたものが一気に崩れて、登校拒否になりました。「先生の顔なんか見たくない、天皇様が嘘をついた…」って、一人で考えこんでしまってね。また、その時から「命とは何だろう」って思うようにもなりました。どうやって地球上に命が生まれて、今があるんだろう…と。その時の気持ちは、91歳になっても残っています。

で、1年間の登校拒否の後、翌年の11月3日に新しい憲法ができて、「今まで政治を決めるのは天皇様だ」とされていたものが、「主権は国民にある」と憲法の第一条に書かれるようになりました。私は、日本国憲法の中心は第一条にあると思っています。やっぱり、国民みんなが黙ってたらダメ。いつだって、感じたのなら「戦争反対」と言えばいいんです。

みんな人間は賢いとか言うけどね。自分の同族をこんなにも殺すなんて、人間だけですよ。昔、ある哲学者がね。「人間とは、戦争する動物だ」って言ってね。それで学位取ったんですよ。でも、本来はサルトルが言ったように「人間とは、考える葦である」でいるべきだ。結局、今はまだ、前者の考えが中心なんですよ。

何か質問ありますか?

😊:質問ではなく感想なんですが、入学式とかで国歌を歌うじゃないですか。あれって本来、歌っても歌わなくても良いはずじゃないですか。でも前に、ある学校の先生が国家斉唱の時に起立しないことで処分されたっていうニュースを見たんですよ。あれには驚きました。後、私の経験でも、起立しないと「何でお前立ってないの?」みたいな感じで見られるっていうのが、やっぱりあります。

でも、その生徒たちは私が「国歌を歌わない」ということに腹を立てているわけではなくて、「人と違うことをすること」に腹を立てていたと思うんです。今回琵琶さんとの対話をして、「自分は人と違ってもおかしくないんだぞ」っていうことや、「おかしいことはおかしいと言わなければならない」ということを改めて感じることが出来ました。ありがとうございます。

琵:その通りですね。君が代の「君」とは「君主」。天皇の治世を意味して国民に歌わせるのを押しつけました。戦争が終わった今でも、みんな、形だけでも立って歌わなければならない。おかしいんですよ。やっぱりみんな違って当たり前だし、声を上げ続けるということが大切ですね。

ーーー2回目ーーー withSさん(19)

琵:(Sさんに1回目の対話の説明をした後)

小学校五年生の時だったと思うんだけどね。理科の先生が新陳代謝について授業で教えていてね。「人間はご飯食べて、💩するんだよ」ということを、喋っていて、ヘェ〜ってそれを聞いていて。

その後、学校帰りにね。同級生6人と一緒に歩いてたんだ。「今日の先生の話、面白かったな〜」って話になってね。その時に私が「天皇様は人間の顔をしているよね。神様って言われているけど、ちゃんと人間の顔して二足歩行で歩いているよね。ということは、天皇様でも💩するのかな?」って言ったんだよね。そしたら、他の人たちが「とんでもない!」って。「神様なんだから、💩するわけない!」って。

😊・S:えええーー!

琵:「でも、俺はすると思うよ」って言ったんだ。そしたら、その後、その同級生6人は全く口を聞いてくれなくなりました。やっぱり、「天皇様は神様だ」って教え込まれていたからね。無視が加速して虐められるようにもなりました。

話は変わりますが、前にもお話した通り、戦争が終わったたき、天皇が神様ではないと知って登校拒否になりました。その一年後、再び登校するようになったのですが、その年に新しい憲法が施行されました。「これからの国民は、天皇や国家権力にただ従うのではなくて、もっと勉強して正しい判断をしないといけないんだ」って親に言われ、それから勉強に励むようになりましたよ。

😊:そうですよね。ただ、今の自民党の憲法改正案には「天皇の元首化」とありました。憲法を改正したら、国民主権はなくなる可能性があります。

琵:その通りです。だから、今ね。次の総理大臣は誰だってテレビで報道されていますけどね。もっと大事なことは「憲法改正」についてなんですよ。
戦時中の時は、今から考えたらテレビもラジオも嘘ばっかりでした。毎日、「今日はアメリカの軍艦いくつ沈めました。」とか。でも、それをみんな信じていたんだよ。

今は、全部が全部嘘だとは言わないけども、「本当に知らせなければいけないことは何なのか」って思いますよ。

S:ここまでお話を聞いて感じたことがあります。昔、はだしのゲンをよく見ていたんだけど、「お父さんもお母さんも戦争を反対していたら、秘密警察に捕まえられて、拷問されて」みたいな場面が衝撃的でよく覚えています。後は、近所の人からハブられたり虐められたり…。正しいことを言っているのに、多数派の人達によって悪者扱いされて…って。それは、今も日本で戦争はないとは言えども、やっぱり未だに通じるところがあると思いますね。

琵:その通り。

😊:毎回、好きな〇〇について聞いています。好きな言葉や本について、教えてください。

琵:好きな言葉は「一人の百歩より百人の一歩」。一人がガムシャラに頑張るのではなくて、みんなが少しの勇気で、少しの行動をすることが大事だ。あなたも一人で頑張りすぎたらダメだよ。

😊:はい!

琵:好きな本はイソップ物語の中の「ヒバリと農夫」。
お母さんヒバリが麦畑に巣を作ってヒナ達と暮らしていました。ある時、農夫が黄色くなった麦を見て、「明日にでも刈り入れをやらないと」って呟きました。それを聞いていた1匹のヒナが、慌ててお母さんに「早く避難しよう」と訴えます。でも、何回言ってもお母さんは「まだ大丈夫だ」って言ってききません。
それでも、ヒナは毎日諦めず言い続け、ある日、やっとお母さんを動かすことに成功しました。
そしたら避難したその日に、ちょうど農夫が刈り入れを行ったのです。後ちょっと逃げるのが遅かったら、命はなくなってたかもしれません。

やっぱり、「誰かが言ってくれるだろう」じゃダメなんですよ。自分が気づいたのなら、声を上げなければならない。今はその「声を上げる」という行動ができることに、希望があると私は思っています。

ーーーおしまいーーー

琵琶さんのお話は、かなりショックなお話からクスッと笑えるようなお話まで様々で、なにより深く考えさせられました。

私は、「声を上げる」ことが怖いです。このような活動をしたり、普段友達に政治のことを話したりはしていますが、心のどこかで「誰かに何やってるんだこいつ」って思われていたらどうしようって思う自分もいますし、
普段の生活の大半は、意見を言わずに、自分の心に負けてしまうことばかりです。
(超しょうもないですが、今日は授業中に💩がしたくなって、先生にトイレ行きたいですって言うのに時間がかかりました。)

でも、今回の琵琶さんとの対話で「声を上げる」というのは、決して自分を傷つけることではない。と思うことが出来ました。

きっと、それは「自分を大切にすること」なんだと思います。

日本は自殺率が異常なほど、高い国です。

おかしい時は、「おかしい」と言って、周りに逆らう勇気を。苦しい時は、「苦しい。」と言って、誰かの力を借りる勇気を持ちたい。
みんなの少しの勇気が、誰かを救うことに繋がる。私もその、一人でありたいです。

「一人の百歩より、百人の一歩」ですね。

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