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【りんご×デザイン】前掛け

りんごの農作業で使うもののひとつに、「前掛け」(≒エプロン)がある。これが、集めれば色んな歴史を持っていそうなのです。

りんご農家さんの年間の作業内容については、ざっくり以下の通りです。

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この中の、「花摘み、実すぐり」、「袋かけ」、「葉取り・玉回し」、「収穫」で「前掛け」を使います。少し丁寧に作業内容を説明します。

☑︎花摘み、実すぐり:大きくて甘いりんごを育てるために、いいりんごになる候補生を残し、それ以外は摘み取ってしまう作業。収穫に残れるのは全体の2割程度。時折、すでに病気になってしまっている花や実があり、それを「前掛け」のポッケに入れ、ある程度たまったら処分する。菌に侵されているものもあるので、安易に木のそばに捨てず、適切な処分をする必要がある。

☑︎袋かけ:りんごの実に袋を被せる作業。針金付きの防水加工が施されている紙の袋を、りんごの実ひとつひとつに被せていく。袋は100枚単位で束になっていて、それが数十セットダンボールに入っている状態で購入する。作業効率を良くするため、「前掛け」のポッケに何セットか入れておいて作業にあたる。あまりたくさんの束を持っていると、「前掛け」が重くなって足にガシガシあたり邪魔なので、自分にちょうど良い束数を把握して作業できるといい。

☑︎葉取り・玉回し:りんごの色付きを良くするために、実に光があたるように葉をとったり、実を回してムラをなくしたりする作業。実がくるくる回らないように輪ゴムを使ったりする。輪ゴムが取りやすいように、首から紐を下げてまとめておくことも可能だが、私の場合はそれが枝に絡まったりして煩わしかったので、「前掛け」のポッケに入れていた。

☑︎収穫:りんごを枝からもぎ取って、りんごの木箱やコンテナにまとめていく作業。「前掛け」をしていると、20kg以上ある重たいりんごの木箱を持つときに、衣服が擦れるのを防いでくれたりする。

他の使い方をしている人はたくさんいそうですが、昨年自分が経験したところから考えるとこんなもんかな、と思います。

長くなりましたが、りんご農家さんに欠かせないアイテムである「前掛け」は、年末の挨拶などでりんご農家さんに配られていたようです。今もカレンダーを取引先へ配る風習はあるかと思いますが、そのイメージらしい。りんご関連の企業が作っていた前掛けを探せば、当時の歴史やエピソードなどを深ぼっていくことが可能なのではないかと考えました。

新品の前掛けが売られている場合もあるため、少しずつ屋号入りの前掛けは減っているかもしれない。少しずつもの自体を集めつつ、それができた時のエピソードなども取材活動を通じて集めていこうと思います。

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今回の写真は、「キタエアップル」さんの「前掛け」です。ほぼエプロンの形ですね。今でもある大きな会社さんで、車の運転をしているとりんごのキャラクターがとても目立ちます。取材ができたら改めてnoteにあげようと思います。

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