【小説】 第六花 「ネリネ」
家に着くと角を生やした母が顔を真っ赤にして待っていた。先生が僕が学校から飛び出したと家に電話したのだ。母は厳しい人なので、僕は正座しながら説教が終わるのを待つしかなかった。
しかし今は花子の事で頭がいっぱいでそれどころじゃない。話は一切耳に入ってこず、気が付けば説教は終わっていた。
最後に母は僕に一通の封筒を渡した。表には蓮へと書いてある。僕宛に手紙なんて珍しいので誰だろうと見てみるとそこには「高嶺花子より」と書いてあった。
その瞬間、僕はどたばたと階段を登り急いで自分の部屋