生きがいって何だろう

皆さんは、筋ジストロフィーという疾患をご存知でしょうか?

筋ジストロフィーとは筋肉が徐々に弱っていく疾患です。
呼吸する筋肉や心臓の筋肉も侵されると死に至ることもあります。

そんな筋ジストロフィーの患者様が入院される病棟で働くと
いろんなことを考えるきっかけがあります。
今回はその中から1つだけ紹介します。

* * *

入院生活においてQOL(生活の質)を上げることはとても大切です。
そのために私は患者さんの話を聞かせてもらい、どんなことがお好きか、そのお手伝いできそうなことは何かを考えます。

ある時、「先生は趣味とか生きがいってありますか?」と聞かれたことがあります。

趣味はあっても生きがいって何だろう…。
今まで考えたことが無いなぁと思い、考えてみました。

生きがいについて実は色々な研究がされていますが
そのうちの一つに下記のようなものがあります。


長谷川ら(2001)は「(生きがいの)対象」を心に思い浮かべ、同時に伴って湧いてくる自己実現と意欲、生活充実感、生きる意欲、存在感、主動感といった種々の感情、つまり「(生きがいの対象に)伴う感情」を統合した自己の心の働きであるとしました。

皆さん、「生きがいはあるか?」と聞かれたらどんな事を頭に浮かべますか・・・?

家族、仕事、遊び、趣味…色々あると思います。
生きがいを考えてみて、ワクワクしますか?
それとも、ずしんと重みを感じますか?

生きがいの捉え方も人それぞれだと思います。生きがいを考える機会ってなかなか無いと思います。この記事を読んでくださった皆さん、良ければこの機会に「生きがい」について考えてみてください。自分でも想像できなかった気持ちや心の動きがあるかもしれません。


参考文献
長谷川明弘,藤原佳典,星旦二:「生きがい」の構造:「生きがい」の対象と伴う感情の共分散構造分析.日本ケアマネージャー学会誌 2003;2:65-79.


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