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憧れの絵師さんに自作小説の表紙を依頼した話

1.電子書籍をつくることにしたはじめて書いた長編小説が新人賞の最終選考で落選し、これでこの作品は終わりだなーと思っていたときのこと。 一緒に読書会をしてるお仲間から、「自作を電子書籍にするの楽しいよ」という情報を得ました。 「えーでも個人出版なんて売れないでしょ」 そう口ではいいつつ、もう一押しくれ、と内心では欲しがるわたし。 「まあね。でも、絵師さんに表紙の依頼かけるの、めっちゃ楽しいよ」 「あー! それ絶対楽しいやつ!」 そんな感じで電子書籍を作ろうと決めました。 この作

    • 雲梯の神様

      ※短編小説です。7,800字くらい。 昼子はできそこないの神だった。 力は大きかったが手も足もなく、頭すら持っていなかった。胴だけがぶよぶよと不安定に存在し、眠たげな眼がひとつだけくっついていた。 昼子のいる世界には地面が広がり、多くの神と生き物と、おびただしい数の人がいた。 何物にも縛られない昼子は世界を漂った。人が甑で米を蒸すのを眺めたり、似合わない烏帽子を風で飛ばしてやったり、内乱や飢饉で苦しむ者の命をきまぐれに吸い取ったりした。神をも超える力が世界をめちゃくち

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