スポーツを "ビジネス" として、どう見るべきか?
今回のサイバーの藤田さんのゼルビアの一見を見ても、やはり、スポーツ(特にプロスポーツクラブ)をビジネス利用するのは好かん!という風潮があまりにも強いな・・・と感じました。
ゼルビアの一件について僕の意見はこちらに書いてありますので、
よければご参考ください。
プロスポーツクラブは綺麗ごと"だけ"では運営できない
ゼルビアの一件で藤田さんが「超悪党」のように扱われ、
叩かれ炎上する様子は正直何だろう・・・この違和感・・・と感じました。
先にゼルビアの直近の収支状況を見て見ます。
参考: https://www.jleague.jp/docs/aboutj/club-h30kaiji_4.pdf
ゼルビアの売上推移は以下の通りです。各年で微増。
2016年度の売上:6.2億円
2017年度の売上:7.1億円
2018年度の売上:7.6億円
ただ、売上を見てもしょうがないので、利益を見ます。
Jリーグの公表している「2018年度 J2 クラブ決算一覧」によると
2018年度の営業収益(=利益)でいうと、ゼルビア町田J2ワースト3の「-3300万円」で着地しています。
つまり、赤字です。
そして、いわゆる貸借対照表(B/S)を見ると、
J2クラブはB/Sでも軒並み赤字となっていますが、利益剰余金でゼルビアは2.7億円の赤字となっています。
つまり、経営的には相当ヤバイ状況です。
つまり、このタイミングでの
サイバー藤田さんの11億円の出資は救いの手でしかない。
というのが経営的な側面から見たときの状況です。
サポーターズMTGの中で、
ゼルビア経営陣が個人的な資金で今まで身銭を切って運営してきたという趣旨のことをおっしゃっていましたが、まさにこの経営状況が物語っています。
親会社がいるクラブであれば、一発10億円補填でポーンみたいなのもありますが、いわゆる親クラブのいないクラブにはそんなことはありえません。
それゆえ、「名前が・・・」とかは経営陣としては言ってられないよう状況だったと推測されますし、僕個人としても経営陣のその判断は正しいと思っています。
死ぬか、生きるかの瀬戸際の時に、名前が・・・とは言ってられません。
存在するか、なくなるか。クラブは存続することにまず大きな意義があります。
だとするとその火を絶やすことがまず第一優先としてあってはならないことだと判断したのだと思います。
スポーツをビジネスとして見て何が悪いのか?
このようなツイートが拡散されているところを見ると、
スポーツビジネス(特にプロクラブ)=悪というのがまだまだ大きい概念として存在しているんだとおもいます。
ただ、僕としてはスポーツビジネスこそしっかりお金を稼いで、
投資に回して欲しいと心から思います。
ビジネスとして成立していると言う意味は
「選手」
「スタッフ」
「サポーター」
と言う関係者が全員が幸せになっている状況のことを指しています。
例えば、
スタッフ給料は今J2クラブで言えばおそらく額面で20万前後だと思います。
これが低いか、高いかは個人の志向によるかと思いますが、僕は低いと思います。
参考: http://jobsoccer.club/archives/soccer_club_kyuryo.html
スポーツがビジネスとしてしっかり稼ぐことができると
何ができるか?というと
「選手」に給料を多く払える(=いい選手を取れる)
「スタッフ」に給料を多く払える
「サポーター」がより良い環境で応援できるようになる(環境への投資など)
ことを意味しています。(※儲かったお金を投資する前提)
お金を稼げば → 優秀な人材/選手が取れる → よりいい環境を実現できる
このサイクルを回す最初はやはりしっかりビジネスとして成立させていくことに他ならないですし、藤田さんはまさにそのことを指しています。
ビジネスとして成立していない状況というのは、
継続できないことを指しています。
つまり、今回のゼルビアでいうと、社内の運営スタッフ(特に経営陣)が身銭を切って、苦しみながら運営しているという点において幸せではないため、継続ができないことを意味しています。
そしてこれは僕自身がリクルートをやめた理由でもあります。
稼ぐ、ビジネスとして成立させていくことは
きっと基本的にはサポーターの皆さんにとってもいいことだらけになるんじゃないかなと思います。
なかなか難しいですね。
スポーツビジネスを一歩でも前に進められるように頑張ります! サポートいただいたお金は僕の仕事のカフェ代にさせていただきます!