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(続編)フットサルトップリーグ「#Fリーグ」会場を”観客満員”にするには?

以下の記事の続編でちょっと重めのテーマを考えてみようかと思います。
続編なので先に以下の記事を読んでもらえたら幸いです。

今回はもう一歩具体的に踏み込んでみます。

前回のnoteでは「じゃあ、Fリーグ人気になるためにはどうするの?」って部分については特に意見を述べていないので、今回のnoteでそこについて僕なりの意見を書いてみようかと思います。

中途半端に書いてもしょうもないので、
ちょっと重いテーマですが、しっかり腰据えて考えてみたいと思います。

前回のnoteで書いた通り、僕のFリーグに対する課題仮説は「認知度」ではなく、「再訪率」(リピート率)

まず、この課題設定を僕ならします。
理由は前回のnoteでも述べたとおり、どんだけ新しいお客さんを読んでも穴が空いているバケツでは水が一向にたまらないからです。

なので、水がたまるバケツ作りから始めます。

つまるところ、Fリーグならではの強み作りと、獲得すべき顧客は誰かを特定する作業です。
1回Fリーグにきたお客さんがもう1回来たいと思う仕組みづくりです。

「サービスとは穴の空いたバケツであり、マーケティングという蛇口から新規ユーザーを流し込んでいる」

今回の議論の目的・ゴールとしては、「Fリーグ会場満員にする」こと

今回の議論の目的・ゴールとしては、「Fリーグ会場満員にする」ことにします。
そして、今回の満員の数値的定義は2,000人とします。
Fリーグの会場の多くはこのくらいのキャパです。

会場が満員になることで、チケット収入は増えますし、スポンサーにとってのスポンサー価値は増えますし、基本的にはいいことですので、これをゴールに設定することは理にかなっているかなと思います。

「Fリーグ会場満員にする」ためには何ができるのか?を以下に考えていきます。

現状の入場者数の推移については高野さんが綺麗にまとめてくれてるので、こちらを参照ください。
だいたい現状の観客数は1試合あたり1,000人くらいでしょうか(無料観客数も含む)

「Fリーグってなんのために存在してるの?」

前回のnoteでも指摘した点ですが、
「Fリーグってなんのために存在してるの?」ってことに答えを持っていないのが今のFリーグだと思っています。

つまり、Fリーグは顧客のJOB(課題)を解決していない。

優れたブランドは、顧客の"Job (片付けるべき仕事)"を解決している、から
優れたブランドは、顧客のJobを解決するので、顧客から選ばれる。(ブランド選好される) そして、顧客にとってのJobの発見から解決までの一連のプロセスをマーケティングと呼ぶ。これがマーケティングの本質であり、マーケターの仕事の全てです。ということは、Job発見方法と、解決方法に至る思考法さえ手に入れば、立派としたマーケターとなることが出来るわけです。
https://note.com/141ishii/n/na578fec5ef84

ではFリーグが向き合うべき顧客のJOBはなんなのか?
このヒントは顧客の声にあります。

Jobは顧客との徹底的な会話の中で発見されなければなりません。会議室でブレインストーミングして出すものではないのです。ここで、顧客との会話に関して理解しておかなければならないことがあります。顧客が自らの抱えている真のJobを正しく語ることはまずない、ということです。

Fリーグの今の観客は、Fリーグに何を求めているのか?

これについては、
仮説を立てるに十分な量の情報を以前別の活動の中で収集していましたのでこちらを利用します。

こちらは僕自身がFリーグの現状のお客さんから聞いた「何でFリーグを見てるんですか?」に対する生の声です。
Twitter上で「#Fリーグあした会議」で検索してもらえるとたくさんの声が残っているのでぜひ見て見てください。


僕自身もFリーグの試合には何度も足を運んでいまして、
こういう声の中身を見る前に僕自身が感じるFリーグの強みを書いておきたいと思います。

中島の感じているFリーグの強み
⑴「フットサル」というスポーツ自体がそもそも認知度高い(と思う。小さいサッカーくらいの認識は多くの人があるはず。)
⑵会場が体育館で、天候に左右されない(=予定を立てやすい)
⑶都心からのアクセスも可能(フウガなどは特に。錦糸町からも抜群のアクセス)
⑷フィールドとの距離感がめちゃ近い
⑸選手の距離感が近い(試合終了後、イケメンとハイタッチとかできちゃう)
⑹会場が空いている(お客さんでいうとゆっくり見れる)

僕の考えるFリーグの強み仮説は以上の通りです。

では早速今のFリーグの他のお客さんの声を見ていきます。
質問は3点以下です。

①Fリーグ知ったきっかけ
②実際に会場を訪れての感想(良いこと、悪いこと)
③また行きたいと思えたか、思えなかったか。その理由

たくさんありすぎるので一旦こんな具合にしておきますが、
他にもたくさんの声があるので、ぜひTwitterで「#Fリーグあした会議」で検索して見てください。

結論、Fリーグを今見ているお客さんも大枠僕の思っている仮説とずれない部分をFリーグの良い部分と定義しているように思えます。

再掲👇

中島の感じているFリーグの強み
⑴「フットサル」というスポーツ自体がそもそも認知度高い(と思う。小さいサッカーくらいの認識は多くの人があるはず。)
⑵会場が体育館で、天候に左右されない(=予定を立てやすい)
⑶都心からのアクセスも可能(フウガなどは特に。錦糸町からも抜群のアクセス)
⑷フィールドとの距離感がめちゃ近い
⑸選手の距離感が近い(試合終了後、イケメンとハイタッチとかできちゃう)
⑹会場が空いている(お客さんでいうとゆっくり見れる)

さらに深掘っていきます。

その前に、ゴール感を整理、ゴールは平均観客数をたった1,000人増やすだけ

まずゴールの前提だけ整理しておきたいですが、
前述の通り現状平均観客数は1000名。会場のキャパは多くの場合、2000名。
よって、増やすべき観客数はたったの1000名です。

Fリーグの場合、会場のキャパが幸か不幸かアッパーがあるので、まずは個人的にはこれは大きなアドバンテージ。(Jクラブだと2万、3万を埋めないといけないわけですから・・・泣)

よって、1000人を増やす施策を考えればいいわけです。

Fリーグならではの価値。顧客は誰か?PODは何か?

では改めて、ここからFリーグならではの価値を深掘りしていきます。

特に製品を開発する際に最も重要となるのが、このPODです。直訳は、"異なる点"ですが、意味合いとしては、顧客が求めており、かつ競合に対して自社だけが持つ優位な点、となります。
なぜPODが重要かといえば、消費者があまた存在する競合製品ではなく、自社の製品をわざわざ選んでまでJobの解決を図ろうとする直接的な理由となるからです

ではFリーグがもっとも得意とするお客さんはどの層なのか?(=解決すべき顧客のJOBはなんなのか?)

上記の通り、
おそらくいくつかの強みがFリーグには考えられるので顧客獲得仮説はいくつか立てられますが、僕自身の体験から今回はFリーグは以下の顧客の課題を解決すべきだと僕はおくことにします。
(今回は墨田区・錦糸町をホームとするフウガドールすみだを想定します)

ターゲット設定のポイントは 以下の通りですが、
ターゲット設定はデモグラ的な情報ではなく、具体的に顧客のJOBを想像できないとNG。

衣料用洗剤ブランドAの、社内で想定しているWHO
38歳の女性。東京都杉並区のマンションに在住。夫と小学生の子供2人と暮らしている。平日はパートタイマーとして週3日4時間ほど、近くのスーパーでレジ打ちしている。ほぼ毎日洗濯は欠かさない、午前中にやって干してから仕事に出かけるというルーティーン。家族の為にちょっと高いけれど抗菌効果の高いものを使っている。夫は公務員で、世帯収入は800万円。
上記は、典型的なデモグラフィックに基づくWHO設定ですが、残念ながらこれではダメです。理由は単純明快で、このWHO設定は、Who is her?にしか答えておらず、肝心要のWhat is her job?に対して答えていないからです。もちろん、デモグラフィックの偏りを理解することで抱えているJobに近づくので、WHO設定のスタートポイントとしては悪いことではありません。しかし、不完全なのです。

今回僕が狙いたいターゲットは以下に設定します。
今回このターゲットに設定した理由は僕自身がそういう経験を間近で見てイメージがしやすかったからです。

▼中島の設定するFリーグのターゲット像
都内勤務女性、20代〜30代前半のビジネスパーソンで、イケメン好き。普段は忙しく、たまの休みにJリーグを見に行く。Jリーグに足を運んだきっかけはもともと自分がスポーツをしていたこともあって、スポーツを見たいなと思っていたところ会社の同僚に誘いを受けて初観戦。金曜の週末にJリーグを見にいくことも多いが、いかんせんその会場までのアクセスの遠さと、フィールドまでの遠さゆえに選手がほとんど見えなくてそこは不満ポイント。また特に夏場は汗をかいちゃうので化粧が崩れちゃってしんどい・・・と思ってる。

上記のような体験をしてツイートしたら、
女子目線でいくとこれは結構当たり前らしい。すげえ。なるほどと思いました。

まとめます。

FリーグのPODは「会場の快適さ(屋内で涼しい、雨でもOK)・会場までのアクセスの良さ・空いている」

僕の設定するユーザーと、JOB、PODはまとめると以下です。

顧客背景:イケメン見たさきっかけでJリーグの試合観戦をする女性。しかしながら、そのアクセスの遠さや、夏場の暑さが理由でなかなか最近は足が遠ざかりがち・・・。
Job:スポーツをするイケメンを見たいけど、会場まで遠い中、夏場死ぬほど汗をかいて化粧崩れるのはなんとか避けたい
POD:Fリーグの会場は空いていて、屋内で涼しい。会場も都内にあり、電車で30分。ビール飲みながらフィールドまでの近さゆえにイケメンを間近に観戦できる。

僕は今回は解決すべき顧客のJOBならびに、
ターゲットユーザーを上記に設定しました。

これが当然ながら正解ではないですし、うまくいくかもわかりません。
ですが、おそらく1000人を程度あれば十分このユーザー属性でもいけると思います。

Fリーグにはこれ以外にも上記に挙げた通り、多くのPODと思われる要素が存在します。

こういうもの地道に積み重ねていくことが大事かなと個人的には思っています。

上記を前提とした上で、「じゃあ上記のようなユーザーを獲得するにはどうすればいいのか?」というのが次のテーマになります。

今のFリーグはこっちの獲得手段ばかりが先行しているように思えますが、本来的には解決すべき顧客のJOBは何なのか?向き合っている顧客は誰か?こういうことが先にあってその上で何に、どのくらい投資するのか?を決めているのが王道に思えます。


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