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コロナは拡大鏡であるーAfter/withコロナの新・キャリア教育論セミナーを終えて

 こんにちは!法政大学キャリアデザイン学部1年の中野です。今回は、7月25日に行われました「After/withコロナの新・キャリア教育論」セミナーに参加した今、思うことを書きたいと思います。

 今回のセミナーには、法政大学キャリアデザイン学部の児美川教授がご登壇され、これまで行われてきた青年教育の研究を踏まえ、今日のキャリア教育とコロナ禍とAfter/withコロナのキャリア教育に関しての講演をされました。

俗流キャリア教育とコロナ

 児美川教授の執筆された書籍「キャリア教育のウソ」では、現在行われているキャリア教育を俗流キャリア教育と称しています。そもそも、ここ日本において「キャリア」や「キャリアデザイン」という言葉が用いられるようになったのは、2000年代に突入したころのことです。当時は、「日本型システム」が終焉したために、キャリアという考えに対する需要が高まったといわれています。しかし、児美川教授は現在のキャリア教育というのは「日本型システム」に依存している上に、推奨してしまっているという点を俗流キャリア教育の問題点として挙げています。

 これらの問題点は今に始まったことではありません。以前より、日本型雇用システムなどは大きく変化を始めています。終身雇用制は企業側の維持困難などからなくなりつつあるほか、就活解禁の考えがなくなる、副業を認めるなど、これまでの日本の雇用は変化しています。しかし、コロナ禍で鮮明に問題として意識されるようになりました。この状況を児美川教授は「コロナは拡大鏡」と表現しています。

 企業側の目線から見ても同様のことが言えるでしょう。例えばデジタル化に伴うペーパーレス。近年進む紙需要の低下に対し、変化をできずにいた企業が業績悪化に追われています。これらは、昔のバリューにこだわる上層部や固定的なキャリア観を持つ年配層によって変われずにいるわけです。コロナ禍でデジタル化が急速に進んだことで、ペーパーレス化が拡大され、問題が鮮明になったわけです。

本来のキャリア教育とは

 そもそも、俗流キャリア教育の問題点としては、「やりたいこと至上主義」「目標を達するための方法や能力を教えない」「プランニング型のキャリア教育」「ワークキャリア重視、ライフキャリア軽視」を挙げていました。そして、児美川教授は俗流キャリア教育に対し、本来のキャリア教育に関して提言をされました。「キャリアアンカー」+「レジデンス」=「キャリアアダプタビリティ」であると。キャリアアンカーとは、ワークキャリアに限定せずに生きていくうえで大切にしたい価値観、レジデンスはキャリア形成が思い通りに行かないときに、心が折れてしまうのではなく、再チャレンジするする意欲や行動力、そしてそれらを合わせたキャリアアダプタビリティは変化への適応力を指します。つまり、根底にある考えとしては田中教授の提唱する「プロティアン」に近いものがあるのでしょう。

学校教育におけるキャリア教育の在り方

 今回のセミナーはキャリア教育を考えるというものであったので、実践的な話が多くされていました。学校教育の現場において児童生徒に対して適切かつ有効的なキャリア教育を行うためにはどうしたらいいのか。そうした問題意識を持っているキャリコンの方や教職員の方が参加されていたようです。日本においてキャリア教育がうまくいかない要因として考えられるのは、「教師が固定的なキャリア観を持っている」「学校教育が完璧を求めすぎている」「学校内で完結させようとしている」ということにあるでしょう。特に、キャリア教育を含めたキャリア支援を学校教育において実現していくにあたり、それを教師に任せるということは限度があります。

 コロナ禍で俗流キャリア教育に疑いの目がかかっています。しかし、この動きを受動的に見ているだけでは何も変化を生みません。キャリア教育に限ったことではありません。我々で大学生の学びも同様です。ポスト高校生では受動的な学びに留まり、インプットのみでは深い学びには到底たどり着きません。高等教育において重要なのは、能動的な姿勢とアウトプットベースの学びでしょう。継続的な学びこそがその人にとって資産として学びが役立つ時が来るでしょう。我々に求められていることというのは、時代の変化に合わせて変化すること。つまり、変幻自在のキャリア「プロティアン」でしょう。こうしたセミナーを拝聴させて頂く中でも、キャリアについて考える人々の中には、必ずと言ってもいいほど、プロティアンの考え方が含まれているということが感じられます。




 今回は、「After/withコロナの新・キャリア教育論」セミナーに参加した今考えることについて述べさせて頂きました。キャリアを考えるうえで重要なのは「プロティアン」であることはもう明白のようです。では、その理論を学んだ今、何をするか、どんなアクションを起こすのか。キャリアに対して準備をしっかりし、たたずもうとしてしまうと挑戦に消極的になってしまいます。プロティアンキャリア人材になるためには、失敗を恐れず、チャレンジをし続けるそのマインドもまた重要なのかもしれません。


告知

最後に告知です。学生の学生による学生のためのキャリアトークを行う「キャリアストーリー」の第4回の開催が決定しました。参加を希望される方は連絡先を転載しておりますのでそちらに連絡をください。なお、参加可能人数には制限があるため、すべての方が参加できない可能性がありますことをあらかじめご了承ください。詳細は以下になります!

キャリアストーリー#4
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21卒しか知らないコロナ就活のトリセツ
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リーマンを超える危機をもたらし、グレートリセットの引き金にもなったコロナ… 就活はどうだったのか?そこから学び自身のトリセツを作ろう!!
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・日時:8/10月 21:00-22:00
・テーマ:
「21卒しか知らないコロナ就活のトリセツ」
・開催:zoom
・費用:無料
・主催:法政大学 キャリスト1年チーム
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・連絡先
ー社会人:中部キャリアコンサルティング普及協会(info@chubu-career.co.jp)
ー学 生:公式Twitter(@careerstorys)または、career.katariba@gmail.com


それではぁ~!




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