2015年 70冊目『腐ったリンゴをどうするか? 手抜きを防ぐ方策はある』
タイトルで金八先生を思い出して手に取りました。著者は大阪大学大学院人間科学研究科の釘原さんと言う教授です。
最良の手抜き対策はどれでしょう?
1 罰を与える
2 社会的手抜きをしない人物を選考する
3 リーダーシップにより仕事の魅力向上を図る
4 パフォーマンスのフィードバック
5 集団の目標を明示する
6 パフォーマンスの評価可能性を高める
7 腐ったリンゴの排除/他者の存在を意識させる
8 社会的手抜きと言う現象の知識を与える
これらは、積極的ー消極的対策の軸と個人ー集団への対策の軸で分類できます。
A 個人+積極 4、6、8
B 集団+積極 3、5
C 個人+消極 1、2
D 集団+消極 7
研究によると積極的対策が有効で、個人的対策が実行容易です。
ですので、AとBの組合せが良いようです。
例えば
4 パフォーマンスのフィードバック
3 リーダーシップにより仕事の魅力向上を図る
などの組合せですね
みなさんの組織はいかがですか?
ちなみに
手抜き発生の4要因は
1 評価可能性が低い(努力しても評価されない)
2 努力の不要性(他者が優秀だったり、大人数だったり)
3 手抜きの同調(みんな手抜きしている)
4 緊張感の低下(作業がルーチン化)
納得感高いですね。
ちなみに2についてのデータがあります。
20世紀初頭の集団で荷物を引く実験結果です。
1人で100とすると、2人で93%、3人で85%、4人で77%、5人で70%、8人では49%と半分以下の力しか発揮しないことが分かっています。
チーム人数は少人数の方が成果が大きいのが理解できますね。
また、ブレーンストーミングでも、その場で実施するよりも事前に(あるいは最初に)個人ワークの時間を取り、アイデアを考えてから実施する方がイノベーティブなアイデアが出ることが分かっています。知的思考でもフリーライド(手抜き)が起きるようです。なるほど、工夫が有効なのですね。
ただ、面白いのは結論として、適度な手抜き人材=天の邪鬼=集団と異なる人材の有用性でまとめています。
軽い気分で読める本です。お勧めです。
▼前回のブックレビューです。
▼PIVOTに出演しました。よかったらご覧ください。
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