2017年 62冊目『不平等を考える 政治理論入門 格差が社会を分断する』
日経新聞の書評欄にあり興味をもち手に取りました。
いやー、難しくて、考えさせられる本でした。
平等とは何か?
それを実現するにはどうしたらよいのか?
それを学べる本です。
ピケティが問題提起しましたが、資産が生み出す収益率は、常に経済成長率より高い。
つまり、資産などを保有している人は、保有していない人と比較して常に有利だという事です。
資産は土地や金に限りません。
教育などもそうです。
人間関係もそうです。
つまり、生まれた環境(家族、地域、国・・・)で大きな差異があります。
どうしても、強者はどんどん強者になり、弱者はどんどん弱者になっていきがちです。
※強者弱者という表現が適切かどうかも分かりません。
以前聞いたTEDでも、貧しい人は、今日の食べ物、住まい、将来の不安を抱えていて、いわばコンピュータのCPUの大半をこれらのアプリが利用していて、仕事や勉強に使えるCPUやメモリーが限られているのです。
つまり、能力の問題よりも環境の寄与がでかいのです。
例えば、民主主義で多数決をします。
その多数決でさえ、弱者の意見を取り入れにくい方法になってしまいます。
強者は、自分の資産を使って、自分の意見を通しやすいわけです。
弱者は、それらの資産がないので、多数になることはありません。
多数決に限らず、様々な方法に欠陥があります。
この本では、解決策は書かれていません(あれば実行されているはずですね)
ただ、対話の重要性が何度も書かれています。
弱者の状況をきちんと理解した上で、判断をする。
強者が少し譲歩すれば、弱者にとって大きなメリットがあることがあります。
物事をシンプルにしすぎることで、弱者の状況を把握できなくなることあります。
答えがなく、ぐるぐるしてしまう本です。
ただ、視野を広げる。
何かを考え出すきっかけになる本です。
▼前回のブックレビューです。
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