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2021年9冊目『非営利組織の経営』

30年前ドラッカー80歳の時の著作だそうです。
世界初の非営利組織の経営の本でもあるそうです。
非営利組織と有りますが、企業経営の本としての学びがとても多いです。


非営利組織の方が報酬を払っていないボランティアがたくさんいます。
ミッションや仕事に価値が無ければ辞めてしまいます。

フルタイムのスタッフは限られています。
パートタイムのボランティアの強みを把握し、適切な仕事を割り振ることが必要です。
支援者や参加者などステークホルダーも多いのです。
企業経営よりも難しいのです。

メモをたくさん取りました。
学びがとても多い本でした。

最古の非営利組織は日本の寺。
アメリカの非営利組織では、ボランティア(無報酬)が基幹になっている。
→成人の2人に1人 9000万人が無給スタッフとして週に数時間を割いている。
→非営利組織は、自己実現と絆を作る場になっている。

1950年ころ、非営利組織は付け足し的存在であった。
1980年には、アメリカの中心的な組織になった。
→アメリカ最大の職場

非営利組織は、人を変えた時、役割を果たす。
1.ミッション
・ミッションは行動
ミッションの価値は文章の美しさではなく、「正しい行動」をもたらすこと。
リーダの仕事は、自らの組織のミッションを考えぬき、定義する事。
良いミッションの例
・病院の緊急治療室:患者を安心させることである。
・ガールスカウト:誇りと自信に満ちた女性を育てる事。
・ある教会:キリストをCEOにすること。
・救世軍:落伍者を市民に変える事。
・シアーズ:農家のためのバイヤー役を務める事←倒産寸前の同社を世界1の小売りに

・ミッションの具体化
目標は具体的である
目標は達成されて変わることもある
ミッションは1つ追加したら1つ削減すべき

・ミッションの3本柱
機会:機会やニーズ
卓越性:われわれの強みに合っているか
コミットメント:心底価値を感じているか

2.イノベーションとリーダシップ

・変化は機会
危機に備えて対応できる人がリーダー
イノベーションを行うためには、変化は脅威ではないとの認識

・イノベーションを成功させるために
機会を見えるようにする
保険の掛け過ぎを避ける
新しい部署は独立させる

・リーダを見つける
見るべきは強み
組織に必要な重要な事を明確にする
真摯さ(若い人が真似する)
→自分の子供に真似させたいか

・リーダの役割
リーダの役割がリーダ自身と適合している
課題と適合している
期待と適合している
優れたリーダは「私ではなく」我々という
人の話を聞く
言い訳をしない
考えを理解してもらう
客観性

・リーダーは自らをつくりあげる
ベストを尽くせばよい
リーダーを作り上げるものは仕事である

・バランスをとる
2つの一見矛盾する事のバランスを取る

・リーダーがしてはいけないこと
分かってもらうために時間を使わない
個性を恐れる
後継者を1人で選ぶ

3.目標の設定
:ヘッセルバイン(全米ガールスカウト専務理事)との対話
7歳からのスタートを5歳からにした
→すぐに乗ったのは335のうち70協議会→半年で200協議会→3年後に全て

・ボランティアのトレーニング
新しいプログラムはトレーニングと一緒に提供

・人口構造の変化を先取りする
アメリカ人口がマイノリティが増え、ガールスカウトもそのに広げた

4.リーダの責任:マックス・ドブリートの対話(ハーマンミラー会長)との対話
・人の可能性を引き出す
人が既に持っているものを使って人を育てなければならない
一人一人の可能性と現実を結びつける
・機会を提供する
自己実現の機会。
働きがいのある共同体の一員になる機会。
失敗は教育の一環
失敗してもチャンスを与える。先生役を用意する。
・チーム作り
自分たちの仕事が何かを理解する。
人を配置
→これってMATの事ですね

5.リーダであるということ
ミッションを見直す
長期目標からスタートする
重要な事は「する」ことである。
→日本企業は10年度いかにあるべきかを考えていた
成果を中心に据える
組織の規範となる
市民社会を創る

マーケティング、イノベーション、資金源開拓
1マーケティングと資金源開拓

・非営利組織のマーケティング
サービスを提供する事で人を変える
非営利組織に必要なのは、プランニング、マーケティング、人、資金

・資金源開拓の戦略
資金不足は宿命のようなもの
理性に訴え、長期的な支援の基盤を築く

2成功する戦略
・行動志向の戦略
意図では山は動かない。山を動かすのはブルドーザである。
ミッションとプランは意図。戦略がブルドーザ。

・改善のための戦略
人をいかに賢く働かせ、配置するか
資金をいかに多くのモノを生み出すか
時間をいかに有効に活用するか

・定性的な目標設定

・戦略のステップ

ミッションに基づいた目標の次は成果
市場をセグメントして、マーケティングの戦略を作り、誰がいつ何のために何をするかを明らかにする

・気を付けること
意見の対立を理由に目標設定を逃げてはいけない。
・イノベーションの機会
絶対確実な戦略:うまくいっているときに、組織の方向付けを変え、組織そのものを変える事
目標を達成した。さらに改善しよう!

・イノベーションの条件
変化を脅威ではなく機会としてみる
責任者になってくれるものを探す
戦略を持つ

・犯しやすい間違い
アイデアから一挙に全面展開に入ること(テストや試行の段階を飛ばしてはならない)
調べずに、誰でも知っているとされることを真に受ける
独善
顧客のせいにしてはいけない
うまく行かない時は、もう一度行う。それでだめなら別の事を行う。

3非営利組織のマーケティング戦略:コトラーとの対話
ドラッカーとコトラーの対話です!!!
・マーケティングと販売の違い
販売や宣伝と混同している
マーケットリサーチ、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング、仕事の設計
マーケティングは「(価値を加えて)ニーズを満足させること」
顧客や消費者からスタートしたらマーケティング
製品やサービスからスタートしたら販売
・非営利組織のニッチ戦略
特定にした方が良い
・マーケティングが求められる理由
競争の激化
・マーケティングの成果
どれくらい知ってくれたか。
どれくらい好きになってくれたか

4資金源の開拓:ハフナー(心臓協会CEO)との対話
・気にかけてくれる人たち
しっかりした基盤が必要
寄付者の目線を上げてもらう
誰にとって大事な存在になりたいか徹底して考える
・募金を集める名人
情緒だけではなく理性に訴える
寄付を他の団体から取るのではなく新たに生み出す
・長期的な関係を築く
依頼額を明確にした方が25%寄付額が上がる
依頼額より多く出してくれた人はターゲティングできる
・マーケットごとの戦略
41のマーケットがあった
寄付をしてくれる人への心遣い+収入に見合った寄付額
・ボランティアという基盤
組織を強化し成長させていく基盤でもある

5非営利組織の戦略
・戦略の重要性を知る
・人をトレーニングする
・廃棄のシステムを作る→機能しなくなったもの、貢献しなくなったものを捨てる

非営利組織の成果
1非営利組織にとっての成果
・成果を定義する

非営利組織にこそ成果の見える化が必要
・多様な関係者

企業よりも多い事が普通
・長期の目標への合意

関係者が多いので、難易度が高い
・大義と経済性

2してはならないこととしなければならないこと

・してはならないこと
組織自体を目的と錯覚する→内規にあっているか
争いは不要だが、反対意見は不可欠

・しなければならないこと
組織構造を情報とコミュニケーションで組み立てる
→全員が情報のインプットとアウトプットを整理する

・権限移譲のルール
責任を明らかにする(権限の内容、目標、期限を明確に)

・基準の設定
貢献と理解という2つの責任を果たすには基準が必要
基準は高くないといけない
ゆっくりは良い。低くはいけない

・人を活かす
人の配置にベストを尽くす
強みを発揮できるようにする

3成果を上げるための意思決定
・何のための決定か
・意思決定のリスク
検討は機会から始めるべきである
 負えるリスク、大きなリスク、負わざるをえないリスク

・真摯な不同意

・意見の対立を利用する
反体制派は常に必要

・決定が意図に終わる4つの原因
行動に進まずに、意図だけに終わるという意味
決定してから売るから=遅い
全面的に実行しようとするから=テストは必要
担当者をきめていないから
誰が何をするか考えていないから

4学校の改革:シャンカー(教育連合会会長)との対話
学校の成果は、知識、社会的な能力、人としての成長
長期的に見ることが重要

5成果が評価基準
・成果のある所に資源を投入する
・成果を明らかにする
・成果に責任を持つ

ボランティアと理事会
1人事と組織

・人事の原則
非営利組織においても、人事は究極にして唯一の管理手法
優秀な人の採用は困難。
今いる人から多くを引き出す
候補者を複数用意する
成果の実績を見る
強みを見る

その人と仕事をした人と話す→手放すのは困ると言われれば〇
・人を育てる
不得意な事をさせない
近視眼的に育ててはいけない
エリート扱いしてはいけない

・強みに焦点をあてる
実力で合って見込みではない

・ミッションを感じさせる
報酬ではなく大義のために働く

・リーダを育てる

・チームを編成する

メンバーの強みを知り、活動に割り当てる

・トップの継承
  同じ人、NO2、長い間継承者と思われた人は避ける

2理事会とコミュニティ
・非営利組織の理事会
成果を出すには強力な理事会が必要
自ら資金集めに中心的なならないといけない
・あらゆる関係が2ウェイ・リレーション
自己開発

1自らの成長
・責任ある仕事
卓越性の追求
ある教会では一般信者を0にすることを目標にしている。全員を有給無給のスタッフにしたい。
成果をもたらすもの
・自己開発に最大の責任をもつのは、本人であって上司ではない

2何によって覚えられたいか
働く環境を知る
所を得る
強みを活かす
成長の原理
・自らと仕事の双方を新たな次元で見る時
何によって覚えられたいかという問いかけ
・50になって答えられなければ人生を無駄に過ごしたことになる

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