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暮らしたいのはどんな場所?丹波篠山のゲストハウスに泊まって土地や人を感じた話

私は大阪の賃貸戸建で家族と暮らしていますが、いま、2023年5月移住に向けた作業の真っ最中です。ここ数年で生活の変化に伴って不便が増えたことをきっかけに、生活を見つめ直し、引っ越しを決意しました。

そして、家を買うにあたっての希望を整理し、優先度を決める『暮らし会議』を始め、移住先を決めました。このnoteには、移住先が決まるまでのいきさつを書きました。

これから家を買う予定の人や、将来的に今の家から引っ越したいけど何から始めたらいいか分からないという人には参考にしていただけると思います。少し長いですが読んでください。

この記事で言いたいことはこの4つです

・市役所に行くと色々教えてくれる
・泊まってみることで見えてくる景色がある
・その土地の人と話をすることって大切
・寒さ、暑さを体験しておく

移住noteマガジン(移住関連の他の記事はこちらから読めます)
https://note.com/nakanoemi3/m/ma90cb75afd53



移住先の条件は?夫婦で求めるものをリストにしてみた

夫のリモートワークが増えて「少し選択範囲を広げても良さそうだ」という話になり、大阪だけでなく新たに京都府や兵庫県、滋賀県、奈良県なども候補に入れました。駅からの距離も少し長めに。土地という面で、移住先に求めるもので譲れない部分をいくつか話し合ってリストにしてみました。

・夫の勤務地から通勤 片道1〜1時間半
・広い作業場が確保できる
・隣の家が程よく離れている
・スーパーや駅、学校(中学校まで)に自転車で行ける
・自然がある(子どもたちがのびのび遊べる)
・庭がある

私がペーパードライバーで(大学生の時に免許をとって1、2回しか乗っていない)車の運転ができないため、田舎だけど頑張れば車なしでも暮らせるくらいの土地がないかという話をしていました。

最初は住宅検索サイトで候補を広めに設定して「おもしろい物件があったよ」とお互いが見つけた中古物件を見せ合っていたのですが、検索サイトで見るのはあくまでも住居そのものであってどこに住むかがなかなか決まりませんでした。

こんな時、夫の両親であったり私の両親が暮らす近くにと考えられたらよかったのですが、夫の故郷は徳島県で私は福岡県と夫の勤務地からは遠いので候補にあげることはできませんでした。どちらもとても良いところなので、完全リモートとかであれば近くに暮らす選択肢もあったのかななんて思ったりします。


きっかけは「住人十色」、毎週録画して夫婦で見ていた番組

「住人十色」という毎週一軒のユニークな家を紹介するテレビ番組があるのですが、夫も私も家のリフォームや間取りを見るのが大好きなので毎週楽しみに見ていました。その中で丹波篠山で家を建てたという方が2組ほどいらっしゃって、映り込む景色や暮らしがとても素敵だなという印象が残っていました。

https://www.mbs.jp/toiro/


「何やら素敵なところだぞ、夫の勤務地からも通えなくはない」
ということでどんな物件があるのか物件探しの旅(inインターネット)に出かけました。

この時点の移住したい気持ちはまだこのくらい



けっこう楽しい検索の日々

住宅検索サイトで「丹波篠山市内」で中古物件を探し始めました。この時点では「築年数は浅い物件を中心に、素敵だと思った物件は築年数の古い物件も入れて」という感じでした。これは築年数の古い物件は住宅ローン控除の適用外になるためです。(厳しい耐震基準をクリアした物件のみ適用されることもある)

住宅検索サイトで物件を探すのが好きな夫婦なので1日の終わりに「ここ私も見てたよ、良さそうだよね」など小さな報告会を開いていました。物件を探すの、けっこう楽しいです。

ただ範囲が限定されているので1ヶ月見ていたぐらいでは新しい物件の情報は上がってきません。新しいと思ったら前に見た物件が上げ直しされていたり。一旦今ある物件の中から絞ってみようという話になりました。



丹波篠山について調べてみる

ざっくりと簡単にですが、マップから素敵なお店探しをしたり、移住した方の感想などが書かれたサイトを見たりしました。素敵なお店、たくさんある!引っ越したら自転車でぐるっと巡りたいという妄想をしました。

陶芸の街でもあるので、年に一度「陶芸のお祭り」があるのです。私は陶芸が(というか食器が)大好きなので楽しみが増えました。


調べていく中で、「classo」という移住相談窓口があるようだということを知りました。(とてもオシャレなサイトだった)

実際に物件を見にいく前に学校のことやどんな移住支援があるのかを知りたいということで、さっそく子どもも連れて行ってきました。車で高速に乗って1時間弱、車だと意外と近いところにありました。

丹波篠山の風景

丹波篠山に近づくにつれて車の窓から見える風景が、とても穏やかに見えたのを覚えています。広がる平地とその向こうに見える山々。絵に描きたいな、とふと感じ心惹かれました。




移住相談窓口で話を聞いてみる

行ってみると、市役所の移住相談課の方が対応してくださいました。丹波篠山市の広い地図を開いて見せてくれて、「この辺りだと車は必要になってくる」「この辺りは便利がよくて子育て世代も多い」など私たちが知らないこの街のことを教えてくれました。

子どもがいるということで保育園や幼稚園の話、中学校高校とどんなところなのか、待機児童はいないのかなども。給食がとても美味しいと評判だという話には私が食べに行きたいなと思いました。


また車必須で学校まで離れている地域の場合、どうやって通っているのかを聞くと「スクールバスが出ていますよ」とのこと。なるほど、そうやって暮らしているのかと思いました。さすがに毎日何キロも離れた学校まで送り迎えはできないぞと思っていたのでこの話を聞いて安心しました。




移住支援があるぞ

丹波篠山市では移住支援を積極的にされていて、私たちが活用できそうな支援もありました。

・若者定住支援 住宅補助金(市内工務店利用型)
・空き家バンク 活用住宅改修補助金
・丹波篠山市お試し滞在支援事業
・空き家活用支援事業補助金

支援については後々工務店の方と話をして使えないもの(条件を満たせないもの)もあったのですが、古民家リフォームにはお金がそれなりにかかるので移住支援にはとても助けられました。どこに住むのか、どんな家を建てるのか・リフォームするのかによって受けられる支援は違うのでこの段階である程度知識を入れておくと資金計画が建てやすくなると思います。



空き家バンクで家を探して地図に書き込んでみる

それぞれの地区がどういう土地かは説明してもらってわかってきたので、候補に上がっていた物件を空き家バンクにあるのを確認して、地図に書き込んでいきました。候補は13軒ほど、数年前から丹波篠山市への移住希望の方が増えて空き家が少ないんだとか(マンションに引っ越しをされて空き家待ちをされている方もいるそう)

それでも13軒あるから順番に回っていけば条件に合うところが出てくるんじゃないかと思っていました。

ただこの13軒、「家の雰囲気が好き」という理由で結構条件から外れるところも入れていました。なのでそういう家は早い段階で外すことに。家がよくても、駅から遠かったり、駐車スペースがなかったり。

丹波篠山で家探しをしていて驚いたのが違う不動産屋が管理している家は見に行けないということ。管理している不動産屋に連絡してくださいと言われて、午前と午後に分けたり、土曜、日曜と2日に分けて見に行ったりしました。そして家と家の距離が遠いのでとにかく時間がかかる。最終候補に残った4軒を日を分けて見に行きました。



丹波篠山の冬の寒さを体験しておこう

日にちを跨いで物件を見にいく際、帰ることもできるけれど泊まることにしました。丹波篠山市にはお試し滞在できる施設やゲストハウスがいくつかあります。(移住希望の場合、滞在費を少し補助してくれる制度もある)2月、とても寒い時期の丹波篠山を体験しておこうと夫と話し合い、「taos」というゲストハウスに泊まりました。

https://t-aos.com

これが本当にいい体験だったのです。taosさんの建物は築100年を越える宿、趣があってとても落ち着く空間でした。室内は暖かい、ただ廊下は寒い、でも窓のサッシであったり、建具が美しかった。願わくばこんな家に住みたいと思いました。

taosさんの佇まい

夕飯はキッチンで作って食べました。「建具がいい」それにつきました。自分たちの好きな家を再認識できた気がします。そして丹波篠山の冬の寒さも。断熱、ちゃんとしようと思いました。でも廊下の建具の美しさを見て、もしこういう建具があったらそのまま活かしたいと思うだとろうなと感じました。

夜、子どもたちが寝静まった後、羽織を着て廊下から外を見るとシンと静かで澄んだ空気を感じることができてとても落ち着きました。朝方の空気も良かった。

taosさんでは観光客向けに美味しいお店であったり、素敵な雑貨屋さんであったりの情報をまとめたファイルがありました。こんなに素敵なお店がたくさんあるんだと、ますます丹波篠山に惹かれました。

何より良かったのが地元にずっと住まれている方のお話を聞けたこと。「この辺りは移住者も多いし、フレンドリーだよ」「この辺りはお祭りがたくさんある分駆り出されることも多いよ」というような地元事情。そうそれが知りたかったんです。建物の改修のことなども。taosのオーナーさん、物腰柔らかでとても気さくな方でした。

できれば夏も体験したいところでしたが、そんなに時間もないので今回は冬のみ体験しました。丹波篠山では冬は数回雪が積もることがあるそうで、そこから冬の天気や気温を気にするようになっておってみると雪で寒い日は「-5℃」でした。でも晴れ間に行くと冬でもそこまで寒くない印象。それでも断熱しっかりしよう、そう誓いました。



さいごに

最初はテレビ越しの景色でした。丹波篠山は観光地でもありますが、私たちは観光にも行ったことはなく「どんなところかはわからない」そんなスタートでした。それでも行ってみることで、その土地の人と話をすることで、泊まってみることで景色が少しずつ鮮明になっていきました。「ここで暮らす」イメージ。

家を探すときには少しずついろんな人と関わっていきます。車で行くとお昼ご飯をその土地のお店で食べたり、コンビニに寄ったり、不動産屋さん、工務店の方、銀行員さん、売主さん、お隣の方。また風景や空気感にも。少しずつ触れていって、ああ良いかもしれない。自分の感じた印象ってとても大切だと思います。

私たちがどうして縁もゆかりもないこの土地を選んだのか少しでも伝わっていると良いなと思います。最後まで読んでくださってありがとうございました。

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