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「あ、それ欲しい」の正体。

ニーズとウォンツ」という言葉。あなたも聞いたことがあるでしょう。
「モノを売りたいのなら、顧客のニーズとウォンツを考えろ」。
私もそんな内容の記事を読んだことがあります。

文字通り「ニーズ」は「必要としているモノ」という意味だし、
「ウォンツ」は「欲しいと思っているモノ」。
でも「待てよ」と私は言いたい。なぜならば、買い手である私自身がニーズとウォンツだけを考えてモノを買っているかといえばそうではないからだ。

「ニーズとウォンツ」の罠。

ニーズ」というのをよく間違えて捉えている人がいます。
「必要だと思われるようにしよう」という意味で捉えているのがそれ。
ビジネスにおける「ニーズ」というのはそういう意味ではない。
セールスにおける「ニーズ」とは「無くてはならないもの」という意味であって、動機付けすることではない。もともと心の根底に動機があるものだ。

例えば、トイレットペーパーのような、生活していく上で「必要」なもの。
それを「ニーズがある」「必要性がある」と捉える。
つまり「ニーズがある商品」というのは、「無くてはならないもの」のことを言うのです。

だから「ニーズ」にはたくさんの競合商品が存在します。人々がみんな「必要」としているわけだから、当然大手企業がバンバン売っています。
「一般的なニーズ商品」を扱うと、そこには価格競争が発生し、たいていの場合その勝負は大手企業が圧勝することになります。

続いて「ウォンツ」。これは「欲しいモノ」ということだから、すでに購買動機があるモノということになります。
実際に「欲しい」わけだから、売るのは簡単だ。と思っているならそれは少し違います。
なぜならば、人は「欲しいモノすべてを買うわけではない」からです。

例えば、車が好きな人がポルシェが大好きで「欲しくて欲しくてたまらない」としましょう。しかし実際に買えるか?というと、それは人それぞれです。買える人もいるでしょうし、買えない人もいるでしょう。
だから「欲しい」=「買う」はイコールではありません。
多くの人が「欲しい」と思っても売れないものは存在するのです。

ではこの「ニーズとウォンツ」とは何なんだ!と思う人もいるでしょう。
それでもそれらはマーケティングを考えるときに必要な分析です。
私は「ニーズをウォンツ」を商品開発に当てはめるのではなく、市場調査(マーケットリサーチ)の段階で使います。
つまり、自分の商品のニーズをウォンツがどうかとかはあまり考えず、
その商品がもたらす「ベネフィット」に対して、それはニーズ型なのか、ウォンツなのかを商品開発の指標とするのです。

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