
【71,893字】分子栄養学カウンセラーがゼロから教える断食の教科書【新装版】
小学2年生から高校生になるまで、ぼくが「自宅」「学校」の次に長い時間を過ごした場所は「耳鼻科」でした。
無愛想な先生にビクビクしながら、鼻の中に耳かきのような細長い棒を入れられて、大粒の涙があふれる鼻炎治療は苦痛以外の何者でもありません。
また、薬剤の入った吸入器を鼻に10分当てると、半日くらい口の中がマズくて、食欲が失せるほど気分がゲンナリしてしまいます。
こうして耳鼻科へ約10年通った結果、ぼくのアレルギー性鼻炎はどうなったでしょうか?
効果はゼロ。1でも2でも効果があればいいのですが、ほんとうにゼロなのです。
寒い日やホコリの多い場所では相変わらず鼻水が止まらず、結局それらの環境を避けるくらいしか予防法はありませんでした。
ぼくが21歳のとき沖縄へ移住したのも、気候が暖かくて花粉がないため、鼻炎が起こりにくい環境だったからという理由に他なりません。
(ただし、真夏にクーラーの効いた店内では相変わらず鼻炎地獄でした)
そんなぼくの鼻炎人生が180度変わったのは、31歳の冬に行った7日間断食でした。
▼3日目。超苦手な12月の寒い日なのに、なぜか鼻炎が起こらない。
▼4日目の朝。鼻水が完全に止まる。
結局、この断食4日目を境に、日常の食生活にも注意を払うようになったら、24年間苦しんだ鼻炎はウソのように消えてしまったのです。
この衝撃的な7日間で、ぼくは断食に心を奪われました。
断食関連の書籍を読みあさり、LINEやFacebookでグループを作り、仲間を募って定期的に断食をすることにしたのです。おかげで、断食メンバーからは次のような声をいただきました。
・甘い物が自然といらなくなった!
・顔のむくみが消えて二重になった!
・日中の眠気がなくなり集中力が上がった!
・朝5時半に勝手に目が覚めるようになった!
・どんなゴハンでも美味しく感じるようになった!
・みんなに肌ツヤが良くなったと言われるようになった!
・産後5kg太ったが6kg落ちて半年後もキープできている!
・健康意識が高くなって原材料名を確認するようになった!
・化粧するたびに肌荒れがなくなったのが実感できるようになった!
その当時のLINEのやりとりを抜粋すると・・・
正直、ここまで変化が現れるとは思いませんでした。
このレポートは、断食をはじめとした食生活の改善で体質が変わる人をひとりでも増やすため、これまで行った断食の知識をすべて詰め込みました
・断食って体調を崩すんじゃないの?
・断食ってリバウンドするんじゃないの?
・断食って栄養失調になるんじゃないの?
・断食って筋肉落ちるんじゃないの?
こんなギモンにもしっかりと答えていきますので、ぜひ熟読ください。
本書は、絶版となった「鍼灸師がゼロから教える断食の教科書」をさらに読みやすくし、分子栄養学的な視点をプラスし、余分なパートを削って実用性を高くした新装版です。
本書は、有料メルマガ「長生きの研究」を購読された方には無料配布しております。2ヶ月購読して解約しても300円プラスなので、ご興味ありましたらメルマガをご購読ください。
第1章:どうして断食をするの?
1-1▶︎これからは習慣も持ち物も「引く」時代
第二次世界大戦で焼け野原となった日本は、その後大きな経済成長の波がやってきて世界一の経済大国となりました。
家も、車も、食料も、電化製品も、同じ製品を大量生産することで諸外国に違いを見せつけ、物質的な幸せこそが豊かさの源泉だと信じ込まされてきたのです。
戦前と戦後を比べて日本人の暮らしはどう変わったのか。ひとことでまとめると「不足」から「過剰」になったと言えるでしょう。
住宅は供給過剰で空き家だらけ、インターネットは情報過剰でガセだらけ、ジャンクフードは摂取過剰で糖尿病だらけ。この状況を打破するために大切なキーワードは「引くこと」です。
最低限の物しか持たないミニマリストや、電気や水道を自給するオフグリッド生活が話題ですが、あれはまさに「引くこと」を形にしたライフスタイルでしょう。
今回のメインテーマである断食も、まさに「引くこと」を形にした健康法です。
「断食」と聞くと山奥で修行するかのようなイメージを与えてしまいます。しかし、人類が狩猟生活を始めた約250万年前に対し、1日3回食べるようになったのはごくごく最近の江戸時代から。
1万年前に稲作が普及するまでの約249万年間は、明日の食事が保証されていない狩猟生活によって人類は存続してきたのです。きっと、1日や2日ごはんにありつけない時もあったでしょう。
つまり、人類の歴史の99%以上は、日常生活の中に断食が自然と溶け込んでいたということ。満腹よりもずっと空腹の時間のほうが長かったのです。
そう考えると、つねに満腹でなければ落ち着かない現代人が、さまざまな病気にかかるのは当たり前ではないでしょうか?
そんな現代人に、ぼくがぜひ皆さんにお伝えしたいのが「断食」です。
新たな健康食品をプラスするのではなく、今の食生活から不要なものをマイナスすること。それこそが、もともとの原始人の暮らし「人間0.0」を取り戻す第一歩なのです。
1-2▶︎断食の効果は6000年前のエジプトが証明している
先に述べた通り、断食は仙人の修行ではありません。ましてや、雑誌やテレビで一瞬だけ脚光を浴びる一発屋の健康法でもありません。
断食の効能は、6000年前に建てられたピラミッドの碑文にこう刻まれているのです。
われわれは食べる量の4分の1で生き、4分の3は医者のために食べる。
つまり、満腹になるまで食べることは、医者を儲けさせるためにしかならないと伝えられているのです。
また、世界各国を見渡しても、過食の害を示す言葉はたくさん登場します。
・断食で治らない病気は、医者にも治せない。(ドイツのことわざ)
・断食はメスを使わない手術である。(フランスのことわざ)
・全ての薬で一番良いのは、休息と断食である。(アメリカのことわざ)
・断食は哲学の門である。(ソクラテス)
・病気は祈りと断食で治しなさい。(キリスト)
医療の発達した現代では、さすがに「断食で治らない病気が医者にも治せない」とは限らないでしょう。しかし、10年以上通っても1ミリも治らなかった鼻炎が4日間の断食で治ったぼくの例のように、最新の医療がすべて優れているというわけではないことは明確ですよね。
動物界を見渡しても、調子が悪いときに飲食するのはヒトだけです。ネコもライオンも、調子が悪いときはただひたすらに断食して回復を待ちます。
回復するためには、エネルギーを胃腸に消費せず、修理が必要なところで使うほうが最短ルートであることを本能的にわかっているのです。
どこぞのコマーシャルで「食べる前に飲む」といって胃薬を飲んでいるのは、カラダを一時的に麻痺させていじめていることに他なりません。
宣伝広告にまみれた現代では、カラダにとって本当に大切なことは非常に見えにくくなっています。そんなときは、6000年前の古代人の教えを思い出してみてください。
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