アクティビティによって
プロダクトは動かすことができるから、動かすことで見方を変えることができるが、建築は動かすことができないから、自ら動いて見方を変えるしかない。そこに、建築のデザインとして、人のアクティビティが入り込む余地が生まれ、それを活かすことが建築デザインの特徴のひとつだと考えている。
人のアクティビティには2種類あり、能動的か受動的か。能動的は自ら進んで動くことに建築が応答してくれるか、受動的は建築に用意されているアクティビティのルールに自らが応答するか。
別の見方をすると、能動的な人のアクティビティで成り立つ建築は、人のアクティビティによって決まるという意味で他律的であり、受動的な人のアクティビティで成り立つ建築は、人のアクティビティには左右されないという意味で自律的とも言える。
モダニズム以降で考えると、受動的な人のアクティビティで成り立つ自律的な建築が主流だった。
要するに、建築がまずあって、その建築に人は合わせる、と言うこと。例えば、病院を思い浮かべるとわかりやすい。病院という建築がまずあって、受診したい人は、その病院の受診ルールに従って、決められたルート通りに動くだけ、それは効率良く受診できるルールを考えた結果である。
自律的な建築は、行き過ぎると、効率性だけが重要視されるようになり、その結果、人は置き去りになる。だから、人のアクティビティによって決まる他律的な建築はできないものかと日々考えている。
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